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スバル、ジャパンモビリティショーで新型車を発表 藤貫CTOが富士24時間で謎の新型車について語った全文掲載
2025年6月2日 17:26
富士24時間で突然告知されたスバルの新型車
スバルは6月1日、スーパー耐久第3戦 富士24時間レースが開催されている富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)においてスーパー耐久参戦に関する説明会を実施。その中で、スバル 取締役専務執行役員 CTO(Chief Technical Officer、最高技術責任者)藤貫哲郎氏よりジャパンモビリティショーで新型車を公開するとの発表があった。
この新型車は、写真を加工したようなスライド1枚のみで発表。藤貫CTOは「今ある技術アセットをうまく使って、魅力あるクルマを作っていきたい」と発言し、発表後の発売もそう遠くないような雰囲気を醸し出していた。このクルマは新型「WRX」であるとの報道も出ているようだが、藤貫CTOはそこに関して明確に語っておらず、憶測の域を出ない。とはいえ、どう見てもSUVとは異なるデザインのスライド写真は走りを期待させるものであり、「今ある技術アセット」が何を指すのかを想像することは楽しい部分だ。
正解は10月30日~11月9日(一般公開日、プレスデーは10月29日~30日)に開催される「ジャパンモビリティショー2025」を待たなければならないが、そこに向けてスバルがどのような情報を出していくのかに注目したい。
藤貫哲郎CTOの新型車に関する発言
4月から管掌範囲が商品企画のメニューもだったのです。もうちょっとなんかこうスバルっぽい面白いクルマを企画していきたいと思ってまして。次のスライドで(と、新型車のスライドを表示)、はっきりしたものを出そうと思ったら怒られちゃったんで、ちょっとボケてますけれども。
直近で言えば、今ある技術アセットをうまく使って、魅力あるクルマを作っていきたいです。もうちょっと先にはさらにとがったクルマ、詳細に関してはジャパンモビリティショー、ここでもうちょっと詳細をやって、全部じゃないですが、言いたいなと思っていますけれども。こんなクルマも合わせて企画していきたいので、ぜひ期待していただきたいと思います。
新型車のポイントは、「スバルっぽい面白いクルマ」「今ある技術アセット」
藤貫CTOは、同時に新型水平対向エンジンの開発発表もしているが、そのエンジンはこの謎の新型車には間に合わないと言っているように見えた。この新型車のキーワードとなるのは、「スバルっぽい面白いクルマ」と「今ある技術アセット」。
スバルはこれまで電動化への流れを強化しているように見えたが、2024年5月28日にトヨタ自動車、マツダと共同開催した「マルチパスウェイワークショップ」で大きく変更。電動化に加え、スバルらしさを強調するものとして水平対向エンジンと新型トランスミッションを訴求した。THS(TOYOTA Hybrid System)の技術が採り入れられた新型トランスミッションは、ハイブリッド車用トランスミッション「TH2B」としてSUV「新型クロストレック」や「新型フォレスター」へ採用。ストロングハイブリッドを実現するS:HEVとして実現している。
このTH2B採用モデルであれば、「スバルっぽい面白いクルマ」と「今ある技術アセット」の両方に適しているように思える。組み合わされるエンジンは、新型クロストレックや新型フォレスターと異なるものであれば新型訴求もしやすく、水平対向4気筒 2.4リッターDOHCターボのFA24であれば生産ラインに乗せやすいかもしれない。現在FA24ターボには、リニアトロニックCVTが組み合わされており、TH2Bであればモーターアシストでさらなる馬力向上も見込める。
公開されたプレゼンテーションイラストから推測できる部分として、ボンネットの盛り上がり(過給エンジンですよね)、リアの張り出し(4WDですよね)、なんだかでっかいリアウィング(ハッチバックなのか?)がある。グリルもあることからバッテリEVとは考えづらく、スポーツモデルであるのは間違いないだろう。
もちろんそれだけ調整が難しくなることや、電池スペースの確保も必要で、あれこれ書いていながら「そう簡単に実現するものでもないよね」と思っている。ただ、外から見ていると藤貫CTOやスバルは水平対向機械式4WDという「スバルらしさ」に自信を持ったように見え、プレミアムメーカーとしてのスバルを突き進む覚悟が決まったように思える。それだけに、どんなクルマが「スバルっぽい面白いクルマ」として発表されるのか楽しみに待ちたい。