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石浦宏明選手に、トヨタ「GRヤリス DAT」によるニュル24時間夜間走行について聞く

夜間のスティントを終え、ピット内に戻ってくる石浦宏明選手。チームスタッフが出迎える

 6月21日16時(現地時間、日本時間21日23時)から22日16時までニュルブルクリンク24時間レースの決勝が開催されている。トヨタ自動車とルーキーレーシングが組んだ「TOYOTA GAZOO ROOKIE Racing(以下、TGRR)」は、109号車GRヤリス DATを参戦させており、ドライバーはモリゾウ/石浦宏明/大嶋和也/豊田大輔の4選手が担当している。

 夜のスティントは、主に石浦選手、大嶋選手、豊田大輔選手が担当しており、109号車GRヤリスは夜明けを迎えて元気に走行中だ。

走り終え、モニタを見つめる石浦選手。右上には、豊田章男会長とともにニュルブルクリンクへの挑戦を始めた成瀬弘氏が飾られている

 夜のスティントを担当し、大嶋選手にバトンタッチした石浦選手に、GRヤリスの話を聞くことができた。

 石浦選手によると、GRヤリスは問題なく走行しているという。もちろんコースにはクラッシュしたクルマや、それを排除する各種作業車が出ているなど危険も一杯だが、レースを順調に進められている。

走り終え、タイヤを担当するブリヂストンのスタッフにコメント。プロのレーサーのコメントがタイヤ開発に活かされていく

 明け方3時ごろという初期のクラッシュが落ち着いた時間帯だったためか、石浦選手によると「現在コース上を走っているのは、それなりに多分、経験値のある人たちが多いのかなと思うので。ごく一部、何人かちょっと危なそうな人がいるんですけど、その人たち以外はみんなすごい上手な人たちだなっていう感覚で走っています」とのこと。

 今回のGRヤリスでやはり気になるのは、8速ATのDATを搭載していること。2ペダルのマシンとなるのだが、その点についても不満はないという。積極的にパドルシフトを使うのは、イエローが出た際のコード60からの再加速の際だという。

 それ以外は、細かい部分はあるもののという前置きで、ステアリングとアクセル&ブレーキ操作に集中して走れるという。「ニュルをMT車で走るというのは相当テクニックがいるというか、例えばシフトミス一つでクラッシュしちゃったり、クルマを壊したりという可能性がある。DATだと本当にハンドルとアクセルとブレーキに集中して、この危険なコースを走れるので、そのメリットというか、精神的な余裕はかなり大きいと思います」(石浦選手)と語ってくれた。

 現地時間は間もなく午前10時、残り6時間ほどとなった。GRヤリスのニュル24時間挑戦は継続中だ。