トヨタの中国市場向け新型BEV「bZ5」、ロームの第4世代SiC MOSFET搭載パワーモジュールを採用

トヨタ自動車の中国市場向け新型クロスオーバーBEV「bZ5」

　ロームは6月23日、トヨタ自動車の中国市場向け新型クロスオーバーBEV（バッテリ電気自動車）「bZ5」のトラクションインバータに、ロームの第4世代SiC MOSFETベアチップを搭載したパワーモジュールが採用されたことを明らかにした。

「bZ5」は、トヨタとBTET（BYD TOYOTA EV TECHNOLOGYカンパニー有限会社）、一汽トヨタ（一汽トヨタ自動車有限会社）などによって共同開発されたクロスオーバータイプのBEV。上海モーターショー2025の開幕前日の2025年4月22日に予約を開始し、一汽トヨタより2025年6月に発売され、航続距離は下位グレードで550km、上位グレードで630km（CLTCモード）を誇り、大きな注目を集めている。

　ロームの第4世代SiC MOSFETベアチップを搭載したパワーモジュールは、新型BEVの航続距離伸長や高性能化に貢献するもので、ロームと正海集団との合弁会社である、上海海姆希科半導体有限公司（HAIMOSIC（SHANGHAI）Co.,Ltd.）から量産出荷が開始されている。

　ロームでは、2025年には次世代となる第5世代SiC MOSFETの生産ライン構築完了を目指すとともに、第6世代及び第7世代の市場投入計画も前倒しするなど、SiCパワーデバイスの開発に注力しており、引き続き、デバイス性能や生産効率の向上に取り組むとともに、ベアチップやディスクリート、モジュールなど、様々な形態でSiCを提供できる体制を強化するとしている。