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コニカミノルタとトヨタ、宇宙用ダスト除去装置の開発で共同開発契約を締結

2025年7月3日 発表
トヨタとJAXAが研究開発を進めている有人与圧ローバー「ルナクルーザー」

 コニカミノルタは7月3日、トヨタ自動車とダスト除去技術に関する共同開発契約を締結したと発表した。契約により、トヨタとJAXAが研究開発を進める有人与圧ローバー「ルナクルーザー」に向けた宇宙用ダスト除去装置の開発および、開発技術を地上転用する事業化の検討を行なうとしている。

 2031年以降の打ち上げを目指して、トヨタとJAXAが研究開発を進めている有人与圧ローバーのルナクルーザーは、月面での有人探査活動に必要なモビリティとして、クレーター、崖、丘などの激しい起伏が存在し、過酷な放射線環境や温度環境、極高真空環境にさらされる中、1万km以上を走破できることが求められている。

 今回、コニカミノルタが複合機で培ってきた静電気を帯びたトナーの除去技術が、ルナクルーザーの車体に付着する月の砂(レゴリス)を除去するために必要な要素技術の1つとして期待されることから、共同開発契約の締結に至ったとしている。また、共同開発では、開発技術やノウハウの地上製品への応用、事業化の検討も進められる。

 コニカミノルタ 執行役員 技術開発本部長 岸恵一氏は「弊社カメラが米国宇宙船に搭載され地球の撮影に利用されてから半世紀以上経ちますが、全く分野の異なる複合機の技術がこのような形で宇宙開発プロジェクトに活用されることは光栄であり、このような機会をいただけたことに大変感謝しております。文化も歴史も異なる新しい形の共創による挑戦が、新たな技術の融合を生み、両社の発展と変革につながることと信じております」とコメント。

 トヨタ自動車 先進スペースモビリティ開発部長 山下健氏は「有人与圧ローバーの研究開発にはさまざまな企業との協力が必要と考えており、また開発で得られた技術について、地上のモビリティや社会への還元を目指しています。この度の共同開発契約による取り組みを通じて、開発および地上還元の検討を進めていきます。コニカミノルタは、トヨタ自動車と有人与圧ローバーの研究開発で連携し、“チームジャパン”として国際宇宙探査に挑戦し、その成果を地上応用することで持続可能な社会のための技術の発展に貢献していきます」とコメントしている。