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富士のF1テスト、平川亮が最速1分18秒583を記録 17年ぶりに本気のF1が111周、お得な入場料に「明日、僕1200円払って見に来ます」と
2025年8月6日 23:02
8月6日~7日の2日間にわたって富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)においてMoneyGram HAAS F1 TEAM「Testing of Previous Cars」が行なわれる。これはF1のTPCと呼ばれるもので、旧型車両を用いて行なわれるテスト。ハースF1はこのTPCをTOYOTA GAZOO Racingと共同で行ない、TGRのドライバーであり、ハースF1のリザーブドライバーである平川亮選手が8月6日の、スーパーフォーミュラのチャンピオンである坪井翔選手が7日のドライバーを担当する。
6日の走行では、平川選手が富士スピードウェイを条件を変更しつつ111周。テストに用いられるVF-23のガソリンの重量や、タイヤ、走り方など、チームのランプランに従ってタイムを刻んだ。
その中で刻んだ最速タイムが1分18秒583。富士スピードウェイのスーパーフォーミュラにおけるコースレコードは、野尻智紀選手が2020年の第7戦で刻んだ1分19秒972というもの。このコースレコードをあっさり更新し、1分19秒台のタイムもたんたんと刻んでいた。
野尻選手のコースレコードは2020年、そして第7戦ということから分かるように、コロナ禍で開催がずれ込んだ2020年12月20日に刻まれた。寒いことから空気密度は高く、ターボ車にとって出力も出やすい状態。また、空力的にも粘性係数が低くなることから有利に働く。
実際、平川選手の囲み取材は走行後の夕方に行なわれたが、「タイヤをもう1個ソフト(タイムはミディアムで記録)を持ってきて、今走ったら(気温が下がる夕方なら)たぶん出ますし。さっきタイムが出たのもほぼ一番暑い時間帯で。今の現行のクルマを持ってきたら、まあ2秒くらいは速いでしょう」と、とくにタイムを狙ったものでなくても1分18秒が出ていると語ってくれた。
実際、ダウンフォースは結構付けているとのことで、100Rは全開で走行できてしまっているとのこと。富士であればもう少し減らすことで、タイム的にはもっと速く走ることができると語る。
ちなみに富士のF1のコースレコードが、2008年のF1でQ2においてフェリペ・マッサ選手が記録した1分17秒287で、Q3の最速でありポールタイムがルイス・ハミルトン選手の1分18秒404。17年ぶりに富士スピードウェイでの本気走りを見ることができるイベントになっていた。
しかも、平川選手は111周もテスト走行を実施。最初に富士でTPCと聞いたときは「10数周くらいF1が走るのかな?」とおぼろげに考えていた記者だが、100周以上もF1が圧倒的なスピードで走るのを見た後では、「これで入場料が1200円なんて、なんてお得なイベントなんだ」と思ってしまった。
その思いを平川選手にぶつけてみると、「明日、僕1200円払って見に来ます」と、平川選手もお得と思っているとのこと。さらに、ゲートでは特別なチラシがもらえ、クリスタルルームのトークショーに無料で参加でき(300名限定)、サインももらえ(先着限定)、F1マシンの走行を近くで見られる激感エリアや激感ピットも(いずれも先着限定)用意されている。
7日の坪井翔選手の走行も104周が予定されており、走行開始時刻も各ランごとに条件を含め細かく予定されている。この情報も公開されており、各ランの間隔も20分~30分あることから、エリアを移動しての体感や撮影もしやすくなっている。
普通にF1を見ると数万円コースなのだが、今回のF1 TPCでは大人の入場料が1200円で、夏休みに配慮し中学生以下は無料。しかも、普通のF1以上の周回数(2008年のF1富士では67周)を見られるイベントとなっており、モータスポーツファンなら、(休みさえゆるせば)必ず行きたいものになっていた。
なお、平川選手は明日は1200円払って入場するとのことだが、お昼のサインイベントにはサインをする側として出席とのこと。すでに世界的ドライバーとなっている平川選手のサインがもらえる貴重な機会であることもお伝えしておく。





