テスラ、フルセルフドライビング（監視義務付き）日本国内でテスト走行開始

モデル3

　テスラジャパンは8月20日、「モデル3」のテスト車両で「FSD：フルセルフドライビング（Supervised：監視義務付き）」の技術テスト走行と学習を、日本国内で本格的にスタートしたことを明らかにした。

　これらのテストは、テスラが2024年10月10日に披露した自動運転システム「FSD v13」の技術を活用し、都市部の複雑な道路環境や高速道路での性能を検証するもの。「FSD v13」では、従来のルールベースアルゴリズムを廃止し、全世界600万台以上のテスラ車両から収集した10億マイル以上の走行データを基に、複雑な運転シナリオを学習中。

　テスラが展開する「FSD（Supervised）」は、監視義務付き運転支援システムで、ドライバーの常時監視を前提にした機能。現在、米国、カナダ、中国、メキシコ、プエルトリコで利用でき、そのほかの地域でも今後のアップデートで利用できるという。日本市場での「FSD（Supervised）」のリリース時期は、今後の開発状況や規制当局の許認可に依存するとしている。

　テスト車両の「モデル3」については、現在、同社で販売中の車両と同様の最新AIハードウェア（AI 4）とカメラベースの「Tesla Vision」を搭載している。

　テスラでは2021年に、「モデル3」と「モデルY」からレーダーを取り除き、カメラベースで周辺認識する「Tesla Vision」への移行を行ない、2022年には、超音波センサーも廃止している。「Tesla Vision」をリリースして以来、機能面と安全性の両面で段階的な改善を続け、米国および欧州におけるアクティブセーフティ評価において、レーダーや超音波センサーを装備した車両と比較して、同等またはそれ以上を記録し、歩行者用自動緊急ブレーキの介入なども性能が向上しているという。

　テスラは、実際に街を走るリアルデータをもとにしたAI学習、ソフトウェアアップデートによって、街を走るすべてのテスラ車両の安全性を日々向上させる計画。今回の取り組みは、テスラの先進運転支援システムを世界中で展開し、道路交通の安全性と利便性を向上させるための重要な一歩と位置付けている。

国内テスト走行の様子