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シボレー、未来のコルベットを示すコンセプトモデル「CX」と「CX.R ビジョン グランツーリスモ」初公開
2025年8月26日 14:31
- 2025年8月15日(現地時間) 発表
シボレーは8月15日(現地時間)、カリフォルニア州モントレで開かれた「The Quail, A Motorsports Gathering」で、2台のコンセプトカー「コルベットCX」「コルベットCX.R ビジョン グランツーリスモ」を初披露した。
どちらも市販化の予定はないが、今後のコルベットのデザイン言語に影響を与えるインスピレーションの源になるモデルであり、未来を導く存在になるという。
今回の2台は、ゼネラル・モーターズ(GM)のグローバルスタジオが参加したデザインプロジェクトの一環として生まれた最新コンセプトカー。設計、製作はミシガン州のシボレー・パフォーマンス・スタジオが担当している。
デザインディレクターのフィル・ザック氏は、「コルベットの造形は常に表現力豊かで未来志向でありながら、その一つひとつのフォルムやラインには、歴代モデルから受け継がれたルーツがあります。コルベットは憧れであり、文化であり、人々がシボレーで働きたいと思う理由です。『CX』と『CX.R ビジョン グランツーリスモ』は、シボレーデザインチームが市販車の制約の枠を超えて、創造性を発揮したことを示しています。このプロジェクトを通じて、コルベットに新たな価値を加え、今後のデザインの方向性を明確にしました」と語っている。
究極のストリート&サーキットカー「コルベット CX」
CXは、オープンロードからサーキットまで究極の高性能ドライビング体験を目指して開発された電動スーパーカー。全高41インチ未満という低いシルエットに、戦闘機から着想を得たキャノピーが特徴。極めて未来的なエクステリアでありながら、前方に突き出たノーズ、ボディの上部と下部を際立たせる水平に走るシャープなラインやデュアルエレメントテールライトといった、過去と現在のコルベットモデルに共通するシグニチャーデザインもしっかりと残っている。
空力の工夫が車体内部にも取り入れられており、内蔵されたファンがオープンチャネル構造を通じて空気を吸い込み、強いダウンフォースを発生させるとともに、リアディフューザー上の気流を調整して、リアルタイムで空力バランスを最適化する。フロントディフューザーとリアウイングはどちらもアクティブに作動し、ドライバーの操作に合わせて自動で調整される。さらに、ウイング形状のサスペンションアームがエアフローを高め、フロントのリフトを減らしている。
CXは、全輪駆動の電動スーパーカーとなり、各ホイールを駆動する4基のモーターが計2000馬力以上を発生し、トルクベクタリングによって圧倒的なコーナリング性能を実現する。90kWhのリチウムイオンバッテリはシャシーに組み込まれていて、低重心化と理想的な重量配分にもつながっている。
インテリアはドライバー中心で設計され、プレミアムシリコンレザー、削り出しアルミニウム、マット調の鍛造カーボンファイバーアクセントで高級感を演出。キャノピーは近づくと自動で開き、インフェルノレッドのシートが高Gコーナリング時でも体をしっかり支えるとした。フロントガラスはデジタルウィンドスクリーンにより、リアルタイムのパフォーマンスデータを表示する没入型サラウンドディスプレイとなっている。また、主要操作はステアリングに集約され、視線を前方から外すことなく操作に集中できるようになっている。
未来志向のコンセプト「コルベット CX.R ビジョン グランツーリスモ」
CX.R ビジョン グランツーリスモは、シボレーのパフォーマンスDNAに忠実に、デザインチームが作り上げたサーキット専用コンセプトモデル。コルベットGTレーシングの未来を描くコンセプトとし、コルベットのGTカーを象徴する黄色と黒のカラーリングをまとい、CXをベースにしながらも、よりアグレッシブに仕上げられている。アクティブエアロを強化し、車高を下げることで、サーキットを支配する圧倒的なダウンフォースとグリップを実現。車体全体の軽量化により、パフォーマンスへの徹底したこだわりをさらに際立たせている。
パワーユニットはCXと同じ電動システムに加えて、新開発のV型8気筒DOHC 2.0リッターツインターボエンジンを搭載。最大出力は900馬力で、最高回転数は1万5000rpmとしている。燃料に再生可能なe-フューエルを使用し、8速DCTを介して後輪を駆動。左右の前輪それぞれに1基、8速ギヤボックスに結合された1基を合わせた前後3基の電動モーターと合わせて、システム全体で創出力2000馬力を生み出す。
インテリアは軽量化と機能性を重視。ダッシュボードは軽量な未加工のカーボンファイバー織りで構成され、シートにはドライバーが求めるグリップとサポートを提供するスエード張りのフォームインサートを採用。さらに、強烈なハンドリング性能に対応するため、大型・強化されたショルダーパッドやヘッドレストで頭部と首をしっかり支える作りになっている。
バーチャルで体験できる未来のコルベット
なお、この2台は展示用のモデルにとどまらず、ソニー・インタラクティブエンタテインメント傘下のポリフォニー・デジタルとの協力により、8月後半に「グランツーリスモ7」で「CX」「CX.R ビジョン グランツーリスモ」でのバーチャル走行を可能とし、バーチャル上で未来のコルベットを体感できる機会を提供するとしている。




