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再生可能エネルギーや次世代技術の総合展示会「スマートエネルギーWEEK【秋】」が開幕

MSIの6kW普通充電器や、太陽光パネルを使ったソーラーカーポートなど展示

2025年9月17日~19日 開催
MSIの個人宅向け6kW普通充電器「EV Life」

 再生可能エネルギーや次世代技術の総合展示会「第24回 スマートエネルギーWEEK【秋】」が9月17日から幕張メッセ(千葉市)で開幕した。

 太陽光発電、蓄電池、風力発電など幅広い分野の展示が行なわれ、主に法人向けの機器となるが、EV(電気自動車)の充電に関する出展も行なわれている。会期は9月19日までで、業者向けの展示会となるため一般入場はできない。

第24回 スマートエネルギーWEEK【秋】が開幕した

個人宅用6kW普通充電器を展示したMSI

エムエスアイコンピュータジャパンのブース

 日本ではPCやPCパーツメーカーとして知られるMSIが、EV用の普通充電器を展示した。通常、自動車に付属して200Vコンセントに差し込む3kWの普通充電器の倍の速度で充電する。

 これまで個人宅向けの6kW普通充電器は種類がきわめて少なかったが、MSIの参入で選択肢が増えた。単に電源を供給するだけでなくBluetoothでスマートフォンを接続して充電制御などができるもので、充電時に同時に多く機器を使ってしまった場合にブレーカーが落ちないよう、充電の調整を行なえるのが特徴。

個人宅向けの6kW普通充電器「EV Life」

 すでに一部のECサイトで単体販売が始まっているほか、設置工事が必要なもののため、MSIのブースでは提携工事業者であるパルコミュニケーションズが紹介されており、設置した場合の概算の工事費も提示されている。

 展示された個人宅に設置する「EV Life」の場合、単体価格は約15万円、パルコミュニケーションズで設置工事をした場合は、機器代、工事費と太い電線など部材まで含んで38万5000円からとなっている。

 また、MSIでは個人向けの充電器として「MSI EZgo ポータブル充電器」を展示。3kW普通充電までの対応で、EVに付属する充電器の代わりになるものだが、Bluetoothでスマートフォンを接続して充電制御ができる高機能タイプ。耐荷重は2tとなっており、駐車場でEVが充電器を踏みつけてしまっても壊れない耐久性を持っている。

車両付属の充電器の代わりになる「MSI EZgo ポータブル充電器」
白と黒の2色が用意される
ディスプレイで充電状態が確認でき、アプリで制御も可能

 一方で、普通充電器ながら法人や施設向けタイプの「EV Life Premium」と「Eco Premium」は、充電カードによる認証機能や管理機能を搭載しているモデルで、普通充電の充電器として使えるほか、認証カードを使ってマンションの契約者など、許可した人だけを使用可能にする認証機能や、個々の契約者ごとの充電量(電気使用量)の管理などもできる。

法人や施設向けの普通充電器
上位モデルの「EV Life Premium」はディスプレイ付き
充電方法を画面で案内する
認証カードを使い、権利のある人だけが使えるようにすることも可能
こちらは「Eco Premium」の白ボディ。こちらも法人や施設向け
法人や施設向けの充電器のエネルギー管理システムも同時に展示
ブースではカタログのほか、提携工事業者の案内も配布中。説明してくれたエムエスアイコンピュータジャパン EVSE営業部マーケティング課の廖詩涵氏

大和ハウスグループのDesignArcはELIIY PowerのV2Hシステム

DesignArcはソーラーカーポートやV2Hシステムを展示

 大和ハウスグループのDesignArcは、太陽光パネルを使ったソーラーカーポートとVH2システムなどを展示した。

 ソーラーカーポートはカーポートの屋根に太陽光パネルを敷き詰めて発電量の上乗せを狙うもの。施設だけでなく住宅用としても展開しており、46m/sの強風や最大120cmの積雪にも対応する強度性能を持っている。

 また、EV充電はエリーパワーの「パワーイエ・コネクト」を展示。太陽光発電のパワーコンディショナーと蓄電池、EVへ接続するV2Hスタンドが用意され、必要に応じて買い足してシステムを無駄なく拡張できるようになっている。

V2Hシステムはエリーパワーの「パワーイエ・コネクト」
展示車は日産 サクラ

基本的には法人向けの機器を展示

 EV関連では主に法人向けのものを展示。高出力の急速充電器のほか、法人が営業車にEVを使った場合の充電システムなどが展示された。日東工業では大電力で充電するほどの必要がなく、かといって普通充電は遅いという需要に答えた中速充電器「Pit-QCシリーズ」を展示した。

日東工業の中速充電器「Pit-QCシリーズ」
日東工業ではほかにも普通充電器を展示

 ニプロンは、法人向けに複数の営業車などを充電できる「マルチEV充電システム」を展示。複数のEVを普通充電よりも高出力で充電でき、受電容量の制限内で出力を複数のEVに適度に振り分ける機能を備えている。

二プロンは複数の営業車などを普通充電より早く充電するマルチEV充電システムを展示

 また、ほかにもEV関連のアイテムなどが多く展示されている。

広州エレクトウェー機電設備有限公司は200kW、100kW、60kWの急速充電器を展示
三洋貿易ではCHAdeMOのコネクター形状のバッテリ診断機を展示。車両に差し込んで約30秒でバッテリ劣化度を診断できるという
日東工業はリーフの使用済みバッテリを使った蓄電池システムを展示。初代と2代目のリーフは空冷バッテリだが、高温に耐える設計のため蓄電システムには有利だという
ベルエナジーは「電気の宅配便」として電気を届けるサービスを展示。こちらはEVに充電するための急速充電車
ブルースカイテクノロジーが長安汽車とCATLの合弁会社のAVATR 12の分解車両を展示。使用パーツなどを確認できるようになっていた