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センチュリーは、トヨタ自動車の最高峰ブランドに センチュリークーペは4ドアクーペなのか、そしてエンジンは?
2025年10月14日 01:41
センチュリーはトヨタ自動車の最高級ブランドに
トヨタ自動車のオウンドメディアであるトヨタイムズは10月13日、新プロジェクトの発表の場として同社 代表取締役会長 豊田章男氏が出演する番組を生配信した。
この番組の中で、トヨタ自動車のフラグシップ車でもあるセンチュリーを、アバブ レクサス(above Lexus)としてのブランドと位置付ける紹介があり、同時にクーペスタイルのセンチュリーの一部を公開した。
現在、トヨタのセンチュリーはセダンタイプのセンチュリー、通称センチュリーSUVと呼ばれるSUVタイプのセンチュリーがラインアップされている。そのセンチュリーをブランドに昇格するとともに、クーペスタイルのセンチュリーをラインアップ。トヨタが新型クラウンや現行カローラで推し進める群戦略として展開されていくものと思われる。
この群戦略は、豊田章男会長が社長時代に始まり、グローバルカーとして別々の名前で展開・作り分けされていた各車種を統合・整理。同じ名前で展開していくものになる。その代表的な車種はカローラで、欧州ではオーリスとして発売されていたスポーツモデルを整理。カローラ スポーツとして位置付けるととともに、アドバンスドモデルをGRカローラとしてラインアップするに至った。
これによるメリットは車種の簡易化もあるが、グローバルでのマーケティングを統一できること。世界中でカローラという名前で浸透し、クルマを多くの人に認識してもらいやすくなる。新型クラウンも同様で、クラウン クロスオーバー、クラウン スポーツ、クラウン セダン、クラウン エステートと展開。2つのプラットフォーム、HEV、PHEV、FCEV、ICEといった多彩なパワートレーンを用意している。しかしながら、そのメッセージはカーボンニュートラル時代へ向けた高級車として貫かれており、ユーザーの選択肢の幅を広げるマルチパスウェイを代表するクルマとなっている。
特徴的なドアの構造。ボンネット中央の膨らみと、両脇のエアアウトレットの意味は?
公開されたセンチュリークーペの印象は強烈で、オレンジをベースとした情熱的なカラーが目に飛び込んでくる。当初2ドアクーペと思われるスタイリングであったが、公開された写真の中に前後両開きスライドドア構造と見られる写真があることから、4ドアクーペという「なにものにも似ていない」独自のスタイリング、新しい高級車像を追求しているのかもしれない。
また、ボンネットには2つのエアアウトレットが装備されており、その下に収まるのは横置きエンジンなのですか?という疑問も生じる空力的な処理が施されている。
この辺りは実際に展示されるジャパンモビリティショー2025(以下、JMS2025。10月29日から開幕)で見てみないと分からないが、センチュリーらしい世界観を見せてくれるのは間違いないだろう。
また、おそらくではあるもののセンチュリーSUVと同じプラットフォームであるGA-Kが使われていると予想される。GA-Kであれば室内空間も確保しやすく、何よりグローバルプラットフォームであるため輸出も容易になる。日本市場のボリュームでプレミアムなハイエンドクーペが成り立つとは常識的に考えて難しく、グローバルマーケットを視野に入れたものとして登場してくるのだろう。
近年のトヨタは、WEC(世界耐久選手権)でのル・マン24時間レース5連覇や、WRC(世界ラリー選手権)での活躍で「いいクルマ」としての知名度が世界的に向上しており、市販が開始されたGRヤリス ラリー2も欧州で順調に売れている。実際にGRヤリス ラリー2を年間で運用しようと思ったら億円レベルの資金が必要になり、トヨタはそうしたユーザーとのコネクションをすでに欧州で確立し始めている。
主たるターゲットが欧州市場になるのか、米国市場になるのか、はたまたアジア市場になるのか分からないが、いずれにしろ日本単独では成り立たないクルマであり、ブランドに昇格することで3車種を(グローバルには2車種かもしれないが)一つのメッセージで訴求していけることになる。
何より、日本の匠のモノ作りというシンプルなメッセージは世界に通用する可能性が高く、無形文化遺産に登録された「和食;日本人の伝統的な食文化」「伝統的酒造り」「伝統建築工匠の技」と同様に世界へ日本のクルマ作りの素晴らしさを訴えていく挑戦となるだろう。







