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世界初、超電導モーター搭載の液体水素カローラが走行披露 佐々木雅弘選手がデモラン

超電導モーターを搭載して走る液体水素カローラ。世界初披露の走りになる

世界初、超電導モーター搭載の液体水素カローラが走行披露

 11月15日、富士スピードウェイ モビリタで超電導モーター搭載の液体水素カローラが走行披露を行なった。液体水素カローラでは、燃料にマイナス253℃の液体水素を燃料に用いているが、その液体水素燃料をエンジンに送り込むためにポンプが必要となる。

 これまでの液体水素カローラでは、そのポンプに電動モーターを使っており、液体水素燃料タンクの直上に配置。大きく重いモーターを液体水素燃料タンクの上に置くことから、重量バランスなどが悪化していた。

液体水素タンク内の超電導モーター配置。重心も下がり、サイズもコンパクトになる

 この液体水素カローラではマイナス253℃という極低温環境を持つことからトヨタ自動車はポンプモーター超電導技術の導入を決断。導入した超電導モーターは京都大学開発による「京大方式超電導モータ」で、京都大学 大学院 工学研究科 特定教授 中村武恒博士が開発をリードした。

 これにより、水素タンク内にコンパクトにモーターを設置できるようになり、1.3倍以上のタンク容量増大が可能となる。具体的には220Lから300Lになるとしており、航続距離を伸ばすことができるわけだ。

 この超電導モーター搭載の液体水素カローラは、スーパー耐久のレースは走らなかったものの、富士スピードウェイ敷地内にあるモビリタでデモラン。報道陣向けに、世界で初めて超電導モーターを搭載した自動車が走行する姿を公開した。

 世界初のデモランを担当したのは、水素カローラの開発に携わっている佐々木雅弘選手。トヨタは来シーズンに向けてこの超電導モーター搭載液体水素カローラの熟成を進めていくことになる。

世界初のデモランを担当したのは水素カローラの初期からの開発ドライバーである佐々木雅弘選手