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自工会、新会長にトヨタ自動車 佐藤恒治社長が就任 新7つの課題も策定
2025年12月18日 16:36
- 2025年12月18日 発表
自工会(日本自動車工業会)は12月18日、来年度重点テーマおよび次期体制の決定についての発表を行なった。発表によると、トヨタ自動車株式会社が次の会長会社となり同社社長の佐藤恒治氏が自工会会長に就任。2026年1月1日から新しい体制に移行する。
7つの課題も新しく定め、公表した。
新7つの課題
1.重要資源・部品の安全保障
2.マルチパスウェイの社会実装
3.サーキュラーエコノミーの仕組みづくり
4.人材基盤の強化
5.自動運転を前提とした交通システム確立
6.自動車関連税制 抜本改革
7.サプライチェーン全体での競争力向上
片山正則 自工会会長コメント
この一年、多方面で不確実性の高い環境が続きました。主要国間の緊張は世界経済の構図に影響を与え、特に新興地域では勢力図の変化が顕著です。こうしたなか、新興勢力の自動車は従来の固定観念を超え、技術・品質・コストの各面で急速に進化しています。
いま、私たち自動車産業は大きな転換点にあります。自動車産業は日本経済を牽引する中核産業の一つであり、その裾野の広さと波及力は極めて大きいものです。競争力の低下は広範な分野に影響を及ぼしかねません。
現在、主要国は関税や輸出規制などの政策手段を用いて自国産業を支えています。産業の発展には、企業の努力に加え、政策、国民の理解、他産業との連携を含む官民一体の取り組みが不可欠です。
自工会の存在意義は、これまで以上に重くなっています。協調領域を拡大し、生産性と国際競争力を業界全体で底上げする仕組みが重要です。
私にとっての2年間の会長職は、「自工会とは何か」を問い続けた時間でもありました。次の2年間は新体制に委ねられますが、何よりも重要なのは、全理事の意思と行動だと考えています。
今年初めに公表した「自工会ビジョン2035」の巻頭言では「元気玉」という表現を用いました。政策だけ、あるいは産業の自助努力だけでは乗り越えがたい課題に対して、この国の知恵・情熱・信頼を結集して前に進む——その象徴としての言葉です。
本日の理事会で審議した「新7つの課題」には以上の考えが通底しています。だからこそ、国際競争力と生産性向上を貫く視点を据えました。 新体制については、正副会長を中心に課題と背景を丁寧に議論し、次期会長会社にはトヨタ自動車にお願いしたいという結論にいたりました。本日の理事会において、全理事が賛同し、正式に決定いたしました。
在任中は多大なるご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
皆さまのご支援が自工会の力となり、数々の取り組みを前進させることができました。
これから新体制のもと、自工会は次の成長へ歩みを進めます。
変わらぬご支援を心よりお願い申し上げます。
片山正則 自工会会長会見要旨
──佐藤会長を選んだことについて
片山正則会長:これからの2年間、自動車産業としてどういう戦いになっていくか。自工会としてずっと議論してきた。現時点で副会長として大変な活動をいただいている、現在の7つの課題の中で4、5を力強いリーダーシップでやってもらっている。そういうことを考えて佐藤さんにした。
──やり残したことなどについて
片山正則会長:自分としては、これからも副会長になる。チームのキャプテンは佐藤さんになるが、全副会長がいっしょにやっていく。それぞれの国の事情で厳しくなっていくなかで、やり残したというより、さらにやっていく。
会長だけに引っ張っていただくのではなく、我々自身も支える、一緒にやっていく。
──課題などについて
片山正則会長:まず、自工会が今まで以上に一致団結して、いかに協調領域を拡大するかということがとても大事なテーマ。やり残したというか、やっていかなければいけない。もう一段ギヤを上げる。
──関税などについて
片山正則会長:非常に難しい対応を迫られている。我々としては世界にいかに貢献しているかということをご理解いただく。自動車産業の大切さ、基幹産業を担っている自負もありますが、その辺りをより理解いただくこと。
──今回、佐藤さんに変わったのはどういう局面だったのか
片山正則会長:確かに昔は輪番制だったが、自工会の活動自体がチームになっている。自分とすれば、今日新たに副会長をいただいた。自分としては船を下りたわけではない。今は本当にチームで話し合いをしてやっている。交代という意味がかなり変わってきている。課題によって変わってくるというイメージを持っている。
今の状態は、もっといろいろなことが起きるときのバトンタッチだと思っている。
佐藤恒治 新自工会会長コメント
この度は次期自工会会長に選任いただき、身の引き締まる思いです。少しでも自動車産業の発展のお役に立てるよう、全力で取り組んでまいります。
自工会では、2020年に「現役の社長・CEO が自工会の理事を務める」体制に変更しました。各社で業務執行に責任を負う理事が、スピード感を持って課題への取り組みを前に進めていくためです。
自工会会長を拝命するにあたり、改めてその意味をしっかり受け止め、正副会長と理事の皆様と力を合わせて、自工会一丸となって実践のスピードを上げてまいりたいと思います。


