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「グランツーリスモ」シリーズ28周年、クリエイターの山内一典氏に聞く

2025年12月20日〜21日 開催
「グランツーリスモ」シリーズ クリエイター 山内一典氏

「グランツーリスモ」シリーズ クリエイター 山内一典氏が、12月20日〜21日に開催された「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025 ワールドファイナル – 福岡」の会場で報道陣のインタビューに応えた。

 インタビューでは、グランツーリスモシリーズの初代作品「グランツーリスモ」の発売から28年を振り返った思いや、2027年の30周年に向けた、山内氏の考えについて聞けた。

──1997年12月23日の発売から、2025年12月23日で28周年を迎えます。この28年の歴史を振り返って、今の気持ちを聞かせてください。

山内氏:いまグランツーリスモは毎月アップデートをしていて、先日のスペックIIIのアップデートをしましたけれども、グランツーリスモを作り続けていられるということに対しての感謝の気持ちはすごくあります。かつ、グランツーリスモが実は変わらないようでいて、かなり新しいことをずっとやってきてます。グランツーリスモというチャレンジングなことをやっていても、何かユーザーの皆さんがちゃんとそれを受け取ってくださっているということに関しては、すごく幸せだなというふうに思っております。

リアルレーシングに焦点を当てた「パワーパック」

 2025年12月4日には「グランツーリスモ7」の2度目となる大型アップデートとして"Spec IIIアップデート(1.65)"を実施。PS5版専用の有料追加ダウンロードコンテンツとして「パワーパック」が追加された。「パワーパック」は、リアルレーシングに焦点を当て、フリープラクティス・予選・決勝のフルセッションで、全20カテゴリー・50レースを楽しめるもの。

──「パワーパック」を追加した狙いや、思いについて聞かせてください。

山内氏:パワーパックについては、僕らは毎月アップデートしてますよね。スペックIIのアップデートもやりましたし、スペックIIIのアップデートを今回やったわけですけれども、グランツーリスモ7自体は発売からずいぶん時間が経ってるんですけれども、いまだにフルプレイスで売れ続けていて、どんどんユーザーが増えているんですね。で、アクティブユーザーもずっと200万人という水準をキープしていって、言ってみれば“全然古びてない”感じなんです。そんな中で、スペックIIやったけど、“スペックIIIを今年の年末にやろうぜ”ということになって、そのとき何をテーマにするか考えました。

 グランツーリスモは長い歴史があって、その中でレースゲームとしての一定の形があるわけですけど、このグランツーリスモワールドシリーズもそうですし、あるいはリアルなレースもそうですけれども、プラクティスがあって、予選があって、決勝があって、しかも途中で抜けられない。参加費用もかかる。みたいなそういうちゃんとしたレースというのを、このグランツーリスモの世界に追加しようと思ったんですよね。グランツーリスモ自体を変化させるというよりは、そういうコーションも追加しようっていうことで、パワーパックを作りました。

──次の30周年にむけた取り組みはなにかありますか?

山内氏:そうですね。今はそういう意味で言うと、今回のパワーパックあるいはスペックIIIで、また新しいユーザーがどっと入ってきたんですね。ロイヤルユーザーは変わらず、いつもずっと一貫して遊んでくださっていて、なので僕らが今フォーカスしてるのは、GT7をもっともっと良くすることというのが当面の目標ということになります。

──パワーパックを体験した私個人の印象を話すと、登場キャラクターとの対話型でゲームが進行するといった体験をして思ったのは、将来的にはこういうところにAIが入ってくるのではないかという印象を受けました。AIをどのように活用していこうかという部分について、山内さんのAIに対する考えを聞かせてください。

山内氏:AIがすごく有効なツールだと思っていて、なんでしょうね。もう本当使い方次第だと思います。僕はAIの専門家ではないので、AIの未来を占うということは、ちょっと僕にはできないんですけれども。

 今回のワールドシリーズの選手たちと話してたら、どうも自分が走ったタイムトライアルの映像をそのままAIに食わせて、ドライビングのアドバイスもらって、実際にかなり自分では気づかないようなアドバイスをもらえたって言ってましたよ。

──選手のほうが、もうすでにAIを活用していると?

山内氏:そうですね。リプレイ映像のファイルをそのまま丸ごとを突っ込んで、AIに分析させて、このコーナーでこういうことをしてるんで、こうするともっとタイムが出るよっていうアドバイスをもらっていると。

──それはすごいことだと思います。

「グランツーリスモ ワールドシリーズ」は世界トップを目指して、さまざまな国から選手が参加する大会。そうした選手が、自分のトレーニングにAIを活用しているといった、グランツーリスモの世界にもAIの活用があることが聞けた。

「グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025 ワールドファイナル – 福岡」

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