ニュース

日産・自動車大学校の学生が製作したカスタマイズカー3台を東京オートサロン2026に出展

2025年12月19日 発表
日産・自動車大学校の学生が製作したカスタマイズカー3台を展示

 日産自動車は12月19日、日産グループの学校法人日産学園 日産・自動車大学校の学生が製作したカスタマイズカーを、東京オートサロン2026に展示すると発表した。

 日産・自動車大学校は、全国に5校(栃木校・横浜校・愛知校・京都校・愛媛校)あり、5校に共通する自動車整備の国家資格取得を目指す学科に加え、モータースポーツ系や車体系(板金・塗装)の課程をもつ自動車整備専門学校。

 今回、車体系の課程を有する愛知校・京都校の学生たちが授業の集大成として制作した3台の車両を出展する。

MARCH Eloura

MARCH Eloura

「MARCH Eloura」は、日産京都自動車大学校 自動車整備・カスタマイズ科の4年生が6か月をかけて製作した車両。

「街乗りスタイル、走りとデザインに特化」をコンセプトに、20~30代の家庭をもつ女性が街乗りに使うセカンドカーをイメージ。女性をターゲットにした車両の製作はカスタマイズ科として初の試みであり、女性の意見を積極的に取り入れているという。

 車名の「Eloura(エルーラ)」は、英語で「時代」を意味する「Era」とイタリア語で輝きを意味する「Luce」をかけ合わせた造語で、「過去から未来へ時代を超えて輝く一台にする」という想いが込められている。

 ベース車両には、カスタマイズ科2期生が製作した「イタルマーチ」(K13マーチ)と「ブルーバード」(312型)を採用。サイズの異なるブルーバードをマーチのサイズに再構築するという技術的に難しい課題に挑みながら、随所に徹底的なこだわりを反映し、マーチのかわいらしさとブルーバードの丸みのある上品なデザインを併せ持つ、パイクカーのような外見に仕上げられた。

 ボディカラーには、学生が考案したオリジナルツートーンカラーの「Sky Mirage」(スカイミラージュ)を採用。ボディ全体をブルー、ルーフ部分はホワイトにすることで、青空の中を雲が優雅に泳ぐようなイメージを表現した。

Sunny Skyline

Sunny Skyline

「Sunny Skyline」は、日産京都自動車大学校 自動車整備・カスタマイズ科の4年生が6か月をかけて製作した車両。

 教員の間で復活を望む声が上がるほど好評を博した、カスタマイズ科1期生が製作した初代サニーと、往年の名車である“ハコスカ”の2台を輝かせたいという想いから、「あの頃の輝きをもう一度」をキャッチコピーに製作に取り組んだという。

 ベース車両には「サニー」(KB10型サニークーペ)を、フロントには4期生のハコスカを採用し、45~55歳のクルマ好き男性の趣味車をイメージ。製作の過程で、ターゲット層に当てはまる先生や学生の父親の意見を取り入れたという。

 特徴的なオーバーフェンダーはいちから造形し、左右のバランスを均等にするために、精密な調整を何度も繰り返したほか、メッキパーツを採用したバンパーとドアミラーは、繊細な作業が要求される再塗装を行なっている。エンジンはコンパクトかつパワフルさで定評のあるS15型「シルビア」のSR20型エンジンを搭載した。内装は高級感を演出するために特別にしつらえた木目調のパネルに張り替えるなど、懐かしさの中にモダンさを表現することで、コンセプトである「サニーとハコスカの面影を残しながら現代風に」を体現した。

 ボディカラーは、現代らしいきらびやかさと重厚感を持ち合わせた、学生考案のオリジナルカラー「トーマレッド」を採用。今回のベース車両であるサニーとハコスカは貴重なモデルであることから、カラーも当時貴重とされていた赤色を用いた。

Re30 スカイラインシルエット

Re30 スカイラインシルエット

「Re30 スカイラインシルエット」は、日産愛知自動車大学校 自動車整備・カーボディーマスター科の3年生が2.5か月をかけて製作した車両。

 スカイラインのブランド力と、当時のファンを魅了した「スカイラインスーパーシルエット」の持つ圧倒的な威圧感と存在感に惹かれた学生たちが、セダンが少なくなった現代に「再び、あの時のスーパーシルエットを」をコンセプトに製作。ベース車両に1980年代を代表する「スカイライン」(R30型)の4ドアセダンを採用し、大迫力のスーパーシルエットと実用性を兼ね備えた4ドアの実現を目指した。

 車名につけた“Re”は、Reborn(再び、1980年代の活気あるクルマを)、Respect(尊敬・敬意)、Remake(私たちが作り直す)を意味し、リアルタイムでスーパーシルエットを知る50代、60代の人々への懐かしい提案であると同時に、伝説的なレースを知らない若い世代にも、当時のモータースポーツのエネルギーを伝えたいという願いが込められている。

 フロントバンパーはスーパーシルエットの巨大なフロントスポイラーを忠実に再現し、リアフェンダーはスクエア形状のものを採用して大胆に拡幅した。通常、ワイド化するとドアの開閉が困難になるところ、学生たちの技術により十分なクリアランスを確保して実用性を維持している。また、フェンダーの拡幅に合わせてテールランプの位置も変更している。

 内装も1980年代を知る世代の人には懐かしさを、若い世代の人には当時の雰囲気を味わってほしいという思いから、極力純正を活かして製作。フロアマットはシートのブルーが際立つよう、派手さを抑えつつもデザイン性をプラスした柄でオーダーメイドし、ふち糸までこだわって製作された。

 ボディカラーは、スーパーシルエットへのリスペクトから赤と黒をオマージュし、赤色部分にはラメを加えることで、派手さの中にも現代的な魅力を引き出すという、学生ならではのエッセンスを加えている。