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土屋圭市氏がアンバサダー就任! セントラルサーキットのコース延伸などを含む中期構想発表会
2026年2月24日 19:51
- 2026年2月24日 開催
「ジェイズレーシング」ブランドでホンダ車を中心とした各種チューニングパーツを展開しているジェイズ・コーポレーションは2月24日、2025年12月に発表したセントラルサーキットの全株式の取得を完了して予定どおり完全子会社としたことを公表。これを受け、今後のセントラルサーキット事業に関する報道機関向け発表会を都内で開催し、この場で土屋圭市氏がアンバサダーに就任することも合わせて発表された。
セントラルサーキットは1996年にオープンした兵庫県多可郡多可町にあるサーキット。全長2804m、幅員11.0~15.0m、最大高低差20.0m、最大直線長677mを備え、JAF(日本自動車連盟)公認基準に基づく2輪・4輪レーシングコース。
ジェイズ・コーポレーションではセントラルサーキットを取得することで、自社製品の開発をさらに推進することに加え、自社製品のユーザーなどスポーツ走行を楽しむ人に向けて、高い安全性を確保したドライビングを楽しめる環境を提供するとともに、モータースポーツの楽しさを伝えるイベントを開催。さらに次世代のモータースポーツシーンをけん引していく若手ドライバーなどの人材育成にも活用していく。
国際規格にも合致する全長約4kmのコースに延伸
発表会では最初に、ジェイズ・コーポレーションの取締役であり、セントラルサーキットの管理本部長も務めることになった中尾憲太氏から概要説明などが行なわれた。
中尾氏はまず、セントラルサーキットをM&Aで取得することになったジェイズ・コーポレーションの現状について説明。ジェイズ・コーポレーションは長らくホンダ車を中心とした各種チューニングパーツの開発・販売を手がけてきたが、近年は自動車の卸売業や自動車運送業、中古車の海外輸出、レンタカー事業などにも事業を拡大。年間の売上高は2014年の5億円規模から2026年通期では70~80億円を見込んでおり、約15倍と大きく飛躍していることを紹介。セントラルサーキットの取得はモビリティ事業のさらなる多角化に向けた施策となっている。
本題となるセントラルサーキットについては、ジェイズレーシングのパーツ開発でも長年にわたって利用しており、セントラルサーキットの社長を務める元レーシングドライバーの井入宏之氏とも関係性が深く、交流のなかでサーキットを利用する新規ユーザーが増えずに高齢化が進んでいること、開業から30年近くが経過してさまざまな施設が老朽化・旧式化していることなど、セントラルサーキットが抱える課題が共通認識となっていたと説明。
具体的なM&Aの話題は2025年の6月ごろに井入氏側から提案され、そこから仲介会社を介して8月からM&Aが本格的に検討されるようになり、トントン拍子に進んで半年ほどで合意に至ったという。
ジェイズ・コーポレーションによる取得後は、すでに共有していた今後に向けた課題を解決し、今年度で30周年を迎えるセントラルサーキットがこれからの30年も愛され続けていくため、3つのフェーズに分けて取り組みを実施。まずは手早く実現できる施策を早急に行ない、安全性の確保と運営システムの近代化を図る「フェーズ1:即効性のある基盤整備」を行ない、続いてDX推進で競技性と観戦環境をアップグレードする「フェーズ2:デジタル化と観戦体験の向上」を実施。事業を進めていきながら調整を行ない、「フェーズ3:サーキットの価値再定義」の段階では、2030年以降の早い時期をめどにコース改修を実施。ホームストレートの先にある北側の山林地域を切り拓き、国際規格にも合致する全長約4kmのコースに延伸する計画も明らかにされた。
現状では山林が広がるエリアでもあり、現時点では延伸部分はドイツのニュルブルクリンクのようなコースになるイメージで計画を進めているほか、自然のアップダウンを生かしてベルギーのスパ・フランコルシャンの名物である「オー・ルージュ」のようなダイナミックなアップダウンのあるコースにするのも面白いのではないかとも考えていると語られた。
運営が一新されて新たな世代になることを意思表明するため、すぐに実施できる部分としてインターネット上にあるオフィシャルWebサイトのリニューアルを行ない、合わせてロゴマークのリニューアルを実施。これまで利用されてきたロゴはブルーとイエローを使うものとなっていたが、新ロゴは「Re-Born」をテーマにレッドとホワイトをイメージカラーとしたデザインに変更。欧文表記のCENTRAL CIRCUITの左側には3つのブロックを組み合わせてセントラルサーキットのコースを模したアイコンをレイアウトして、サーキットながら2つに分かれて円環になっていないことで、「今後のコース拡張」「セントラルサーキットの発展」を表わしている。
また、コース自体のリニューアルでは、ホームストレートのシグナルブリッジを改修し、新しいロゴマークを備えたデザインに変更してリニューアル第1弾としてまもなく公開されるという。
コースの延伸を見据えた中期的な取り組みとしては、ライトパネル/デジタルフラッグの導入やピットスペースの改修、国際格式サーキットで利用されているAMB社製トランスポンダーシステムの導入、コースを監視するカメラやモニターの増設などを進め、FIA(国際自動車連盟)による国際公認サーキットとなることを目指して計画を練っているという。
サーキット自体の近代改修に加え、モータースポーツ界で課題となっているコースオフィシャルの人材育成にも取り組む予定。セントラルサーキットでは利用者同様にオフィシャルでも高齢化が進んでおり、人員数も不足してイベント開催時には近隣のサーキットからスタッフを派遣してもらって運営を行なっている状態になっている。
今後は近隣にあるモータースポーツ関連を取り扱う専門学校でオフィシャルとして活動するために必要となる知識などをカリキュラムに組み込んでもらい、インターンシップで学生たちにサーキットに来てもらったりモータースポーツに興味を持ってもらい、オフィシャルになったりセントラルサーキットに就職するといった仕組み作りを計画している。
セントラルサーキットの進化に土屋氏が持つ知見を貸してもらいたい
ジェイズ・コーポレーション 代表取締役 梅本淳一氏は土屋氏にアンバサダー就任を要請した理由について、自身もレース活動を行なっている梅本氏にとって10歳以上年上の土屋氏は憧れのスーパースターであり、大学在学中に立ち上げた会社のデモカーをビデオマガジンの企画で乗ってもらい、優しく、厳しく鍛えてもらったことなどのエピソードを紹介。
長年に渡ってお世話になっている土屋氏だけに、自分が代表取締役を務める会社でセントラルサーキットをM&A取得することが決まった段階で、サーキット運営に関するアドバイスをしてもらうことはもちろん、恩返しのような感覚で誰にも相談することなくアンバサダー依頼を進めていったという。今後は新しいセントラルサーキットの広告塔として活躍してもらうだけでなく、サーキットを大きく進化させていくなかで土屋氏が持つさまざまな知見を貸してもらいたいと語った。
「セントラルサーキットには敷居の低いサーキットになってもらいたい」と土屋圭市氏
セントラルサーキット・アンバサダーに就任した土屋氏は、すでに梅本氏に対して「これからのサーキットはコースを走らない女性や子供も楽しく快適に過ごせる場所にしなければダメだ」とアドバイスして、まずは第一歩として敷地内にあるトイレをきれいにするようリクエスト。
また、セントラルサーキットの周辺には鈴鹿サーキットや岡山国際サーキットもあるが、これらのサーキットは人気でスケジュールが混み合い、気軽に足を運んでサーキット走行を楽しめる場ではなくなっている。そこでセントラルサーキットはクルマ好きの誰もが気軽に走りを楽しめるようになってほしいとの考えを示した。
そのためにはやはり前出のトイレなどを含めたホスピタリティが重要で、自身が師匠として仰ぐ高橋国光氏から「レースが好きでサーキットまで見に来てくれる子供たちを大切にして、子供のころからクルマを好きになってもらわないと大人になってからもレースを見に来ないよ」と教わったとのエピソードを紹介。レーシングドライバーを育成することも重要だが、子供たちにクルマの楽しさを知ってもらい、好きになってもらうために「セントラルサーキットには敷居の低いサーキットになってもらいたい」との希望を述べ、きれいなトイレや居心地のよいカフェがあり、映画や子供向けの遊具が楽しめるほか、運転に興味が出た人には気軽にカート体験などもできる空間を用意できたらいいなと語った。















