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トヨタ、世界を席巻するハイブリッド/プラグインハイブリッドの最新システム「第6世代THS」展示
「人とくるまのテクノロジー展 2026」
2026年5月28日 10:04
新型RAV4 プラグインハイブリッドが展示された「人とくるまのテクノロジー展 2026 YOKOHAMA」
パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で5月27日~29日の3日間にわたって開催されている「人とくるまのテクノロジー展 2026 YOKOHAMA」。自動車技術会が主催し、各自動車メーカーや各サプライヤーの最新技術を一堂に見ることができるイベントとして人気を博している。
世界で最も多くクルマを販売しているトヨタ自動車も、同車の最新システムをカットモデルなどで展示。電動化技術で世界的に優れる、トヨタのシステムを公開していた。
トヨタは2025年度にトヨタブランド、レクサスブランドを合わせて1047万7000台を販売。そのうち、504万台(48.1%)がxEVと呼ばれる電動車で、特にHEV(ハイブリッド車)は462万台、PHEV(プラグインハイブリッド車)は17万5000台、BEV(バッテリ電気自動車)は24万3000台と、ハイブリッド車において圧倒的な強みを見せている。
このトヨタ ハイブリッド車/プラグインハイブリッド車に搭載されているのが、世界初の量産ハイブリッド車としてデビューした「プリウス」から搭載され、年々改良が加えられているTHS(Toyota Hybrid System、トヨタハイブリッドシステム)になる。
その最新世代が第6世代THSと呼ばれるもので、プラグインハイブリッド向けが新型RAV4 PHEVに搭載され、ハイブリッド向けがレクサス ESのHEV仕様に搭載されている。ちなみに新型RAV4のHEVは第5世代THSで、2022年1月発売の新型「ノア」「ヴォクシー」から導入された現代でもトップクラスのもの。当初のカタログ表記では「シリーズパラレルハイブリッド」と記載されているもので、あまりTHSを強調しないものとなっていた。
今回、「人とくるまのテクノロジー展 2026 YOKOHAMA」のトヨタブースに展示されていたのは、新型RAV4 PHEVに搭載されている第6世代THSのPHEV向けシステム。第6世代THSのHEV向けシステムと異なるのは、プラグインハイブリッドに必要な充電器システムがほぼ一体となってエンジン横に搭載されていることで、HEV向けPHEV向けで一部素子に変更はあるものの、大きな変更点は充電器システムまわりになる。
新型RAV4が登場する以前のトヨタのプラグインハイブリッド車といえば、新型「アルファード/ヴェルファイア」、新型「クラウン スポーツ/エステート」となるが、こちらは現在主力のTHSである第4世代THSとなり、新型RAV4では最新世代にジャンプアップしたとも言える。
eアクスルとなった第6世代THS
新型RAV4、新型ESに搭載されるプラグインハイブリッド/ハイブリッドシステムである第6世代THSの特徴は、バッテリEVで導入されているeアクスル的な考え方を採り入れたことにある。
バッテリEVでは、同じコンポーネントで多様なバリエーションのクルマを展開するために、モーター、トランスミッション、コントロールユニットなどを一体化。x-in-1などと表記したモジュールをeアクスルとして成り立たせている。
これにより部品の信頼性も向上し、コストのコントロールもしやすくなり、さらに衝突性能など走りや安全に対する能力も担保できる。
第6世代THSでは、PCU(Power Control Unit)、THSトランスアクスル(電気式無段変速ユニット)、そしてエンジンを一体化。プラグインハイブリッド向けではそこにDC/DCコンバータ(デデコンなどと呼ばれる)などの充電ユニットも搭載する。
これはPCUをコンパクト化できたためで、PCUの上部に従来はリアシート下部に配置していたDC/DCコンバータを移設。ユニットを一体化して運用できるようにした。
RAV4の場合、リアにはE-Fourシステムを配置し、エンジンを搭載した電動化車両として成立させている。
新型RAV4では、トヨタが誇る高効率エンジンであるA25A-FXS型 直列4気筒 2.5リッターエンジンと第6世代THSのトランスミッション部が組み合わされているが、このA25A-FXS型エンジンもアップデート。プラグインハイブリッドに搭載されたA25A-FXS型エンジンは、エンジンブロック下部や、エンジンブロックの下まわりとなるエンジンスカート部の形状が変更されており高剛性化。
出力も、第5世代ハイブリッドである新型RAV4のハイブリッドに搭載されたA25A-FXS型エンジンが最高出力137kW(186PS)/6000rpm、最大トルク221Nm(22.5kgfm)/3600〜5200rpmであるのに対し、最高出力は同じながら最大トルクは229Nm(23.4kgfm)/4400~4800rpmへと向上。特性をチューニングしているのが分かる。
但し、実際は発電・エンジン起動用モーターのMG1、駆動・回生モーターのMG2と組み合わされて走行するため、その出力特性の変化がダイレクトには影響しない。
この変更はエンジン音の質感向上が大きなポイントとなっており、エンジンブロックを高剛性化することで、これまで高効率な燃焼音とも表現されてきたA25A-FXS型のカンカン音や振動を大きく低減。燃焼音の周波数帯も変更され、静かで質感の高いエンジンに変貌している。さらに、プラグインハイブリッドでは、バッテリEVに用いられるリチウムイオンバッテリセルへ変更され、電池容量も拡大。18.1kWhから22.7kWhへと25%容量増となっており、EV走行距離は151kmと増大することで、総合的な静粛性が大きく向上している。
この走行距離の増大には、PCUに採用されたデンソー製のSiCパワー半導体が寄与しており、従来のパワー半導体に比べて変換損失を7割低減。これがWLTCの燃費向上にも影響しており、特に高速域では寄与度が大きくなっているという。
トヨタのTHSシステムは、エンジンとモーター、そして駆動軸への出力や駆動軸からの回生に特別なクラッチシステムを組み込むことなく、各ユニットのトルク伝達を実現している。クラッチなど伝達機構のON/OFF機構は効率損失(とくに滑り系のクラッチは)につながる場合があるほか、エンジン、MG1、MG2の制御は複雑ながら、機械駆動的にシンプルに仕上がっている。
これがTHSの効率のよさ、故障の少なさにつながっているところもあり、初代プリウスで生み出されたTHSが現在も世界中で評価されている面でもある。人とくるまのテクノロジー展 2026 YOKOHAMAでは、世界を席巻するトヨタTHSの最新世代を見ることができる貴重な機会となっている。
ちなみに、横には技術説明員も立っているため、気になることをどんどん聞けるのもうれしい点だ。

