ニュース

国際アートアワード「HERALBONY ArtPrize 2026」授賞式開催 トヨタ自動車賞はYuina氏の「無題」が受賞

2026年5月27日 開催
「HERALBONY ArtPrize 2026」でトヨタ自動車賞を受賞したYuina氏(中央)と、トヨタ自動車のサイモン・ハンフリーズ氏(左)

「HERALBONY ArtPrize 2026」は、障害のあるアーティストたちの輝かしい才能を称える国際的なアートプライズ。「異彩を、放て」をミッションとして掲げる福祉実験カンパニー「ヘラルボニー」が2024年に世界中の障害のある表現者を対象として、1人ひとりの作家としての才能を正当に評価し、さらなる活躍の機会やキャリアの向上を生み出すことを目的として創設したアワードで、従来の「障害とアート」という視点を超えたものだ。

 第3回となる2026年は世界77の国と地域から総勢1342名(国内923名、海外419名)が応募し、作品数は過去最多となる2943作品にのぼった。応募作品の中からグランプリ1作品、審査員特別賞4作品、企業賞9作品が選出され、5月27日に授賞式が開催された。

 ヘラルボニーと作家契約を締結し、国内外でのライセンス起用などビジネス展開への道が開かれるグランプリは、カー・ハン・ムイ氏(オランダ)の「Zonder titel(無題)」が受賞。「大きな白い紙の上に鋭く削った鉛筆を用いて幾層にも色を重ねる。何か月にもわたり、深い集中力とエネルギーを持って描き続けることで、作品は次第に鮮やかな輝きを帯びていく。そうして生み出された抽象の重なりは、布地や絨毯、あるいは刺繍を思わせる趣を感じさせる」と評価された。

グランプリは、カー・ハン・ムイ氏(オランダ)の「Zonder titel(無題)」が受賞

 著名なキュレーターや美学者などで構成する審査員が独自の視点で選出する審査員特別賞は4作品。黒澤浩美・ヘラルボニー最高芸術責任者はカミジョウミカ氏(日本)の「イエローで白い黒の進化」、ハリエット・サーモン・米アート・パートナーシップディレクターはルイス・フェリペ・ダビラ氏(コロンビア)の「HACIA MI DESEO(私の願いの方へ)」、クラウス・メッヘライン氏(ドイツ アウグスティヌム財団ディレクター兼キュレーター)はオーシャン氏(アメリカ)の「Time Got Away From Me 1(私から過ぎ去った時間1)」、日比野克彦氏(アーティスト/東京藝術大学長)は鳥山シュウ氏(日本)の「つみかさなる」を選出した。

審査員特別賞受賞作品
審査員プロフィール

 協賛企業が選出する企業賞(東京建物/Brillia賞、SMBCグループ賞、西村あさひ賞、JINS賞、エプソン賞、Sangetsu賞、貝印賞、JR東日本賞、トヨタ自動車賞)は9作品。トヨタ自動車賞を受賞したのはYuina氏(日本)の「無題」で、刺し子や刺繍を中心とした制作活動の継続と、繊細な針運びと集中力に裏打ちされた独自表現が評価された。

協賛企業が選出する企業賞の受賞作品
トヨタ自動車賞はYuina氏(日本)の「無題」が受賞

 プレゼンターとして登壇した同社のサイモン・ハンフリーズCBOは、「私もデザイナーとしてトヨタ車をつくっていますが、Yuinaさんの作品はいろいろなカラーを使っていながら調和していて素晴らしい作品です。実はトヨタは自動織機を作った会社でもあって、この作品は糸と針を使って製作したということで、自動車の原点を思い起こさせる点が心に当たった、ということもお伝えしたいと思います」と選出理由を紹介。Yuina氏は「ありがとうございました!」とあいさつした。

トヨタ自動車 チーフブランディングオフィサーのサイモン・ハンフリーズ氏がプレゼンターとして登壇。Yuina氏に賞状を手渡した
トヨタ自動車賞を受賞した喜びを語るYuina氏

 同作品は「TGR Rally Challenge」に出場するラリーカー(トヨタ・アクア)の外装デザインに起用されるほか、オリジナルカー用品開発にも使用されるという。

トヨタ自動車賞受賞作品は、ラリーカーの外装デザインやオリジナルカー用品開発にも用いられる
トヨタ自動車「アクア」の外装デザインイメージ

 授賞パーティーの会場では受賞者全員で記念撮影を行なうなど、華やかな雰囲気に包まれた。

受賞者全員での記念撮影が行なわれた