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トヨタが富士24時間で世界初の挑戦、超電導モーター搭載ポンプの入った液体水素燃料タンクを24時間レース中に交換

液体水素燃料タンクを交換中のGRカローラ

 6月7日午前1時半ごろ、富士24時間レース内においてトヨタ自動車は液体水素GRカローラに搭載されている、液体水素燃料タンクの交換を開始した。これはレース開始前に予定されていたもので、燃料の送り出しに使用している超電導モーター搭載ポンプの交換が必要であるため。

 超電導モーター搭載ポンプは、超電導状態を実現するためにマイナス253℃の極低温環境で動作する必要があり、そこでは油脂類が一切使えないため、ポンプを駆動するベベルギヤが潤滑なしに直接かみ合っている。そのため、どうしても歯の側面に削れが発生し、その削れが寿命とりポンプ交換につながっている。

使用した液体水素燃料タンクを取り外して運んでいるところ

 ベベルギヤは正回転、逆回転を行なうことで寿命を延ばしているものの、24時間はもたないとのこと。そのため、超電導モーターの寿命には問題ないものの、超電導モーター入りポンプの入った液体水素燃料タンクごと24時間レース中に一度交換を行なう必要があるという。

 ルーキーレーシングのチームオーナーでありドライバーでもあるモリゾウ選手こと豊田章男氏は、この作業に3時間かかると語っており、チーム関係者に確認したところ深夜となる6月7日2時ごろとのことだった。

 しかしながら7日1時過ぎ、超電導モーター入りポンプのインバータからエラー警告が出る。インバータはポンプを動かすための電動部品で、DC電源をAC電源に変換するもの。一般的には交流モーターの制御などに使われている部品で、バッテリEVの直流電源を駆動用モーターの交流電源に変換している部品が代表的だ。

 このインバータエラーが午前1時過ぎにあったため、3時間の作業時間を考えると残りの走行時間が12時間を切る形になる。そのためチームではインバータエラーの原因を究明する時間をかけるよりも、ルーチンで予定していた液体水素燃料タンクの交換に踏み切った。

 1時過ぎに液体水素GRカローラがピットイン。ドライバーを担当していた福住仁嶺選手が運転席から下り、作業が始まる。

 マイナス253℃の超電導状態をなるべく維持しながら交換したいため、交換後の液体水素燃料タンクにあらかじめ液体水素燃料を充填。交換後のタンクにおいて超電導状態を維持しておく。

 液体水素GRカローラがピットインをしたら、現在使っているタンクの液体水素をすべて抜き(ピットイン前までに残燃料が少なくなるようにしておく)、安全な状況を確立。

300Lで真空二重槽になっている液体水素燃料タンク

 次に、メイン2本(液体水素の入りと出)の燃料供給コネクタを分離し、さらに補機類の各種コネクタを外す。

 そして、あらかじめ液体水素が充填してあった交換後の液体水素タンクからも液体水素を抜く。ここで本格的な交換作業に入り、液体水素燃料タンクを実際に交換。その後、パイプ類を接続し、さらに水素の漏れがないか確認して、液体水素を充電していく業となる。

 これら一連の作業の想定時間が3時間半。午前5時前ごろに液体水GRカローラは走り始めるかもしれない。