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ローソンの店舗駐車場を活用した車中泊サービス「コンビニRVパーク」1年間の実証実験データ公開

利用者からの「枕を高くして寝ることができる」といったコメントも紹介

2026年7月14日 開催
ローソン店舗の駐車場を利用する「コンビニRVパーク」は実証実験開始から約1年が経過。これまでのまとめと今後の展開について紹介する説明会が開催された(写真は2025年9月に現地を取材したもの)

「コンビニRVパーク」とは

 コンビニエンスストア「ローソン」を運営するローソンは、日本RV協会、グローリーとの協業により、2025年7月から千葉県内7店舗の駐車場で、車中泊用スペースを提供する「コンビニRVパーク」の実証実験を進めている。

 7月17日からは、埼玉県、静岡県、愛知県にも実証実験のエリアを拡大するとともに、今後は東京都、神奈川県、三重県、岐阜県などへの拡大を計画しており、2026年度内に約70店舗規模まで「コンビニRVパーク」を広げていくことを目指している。

「コンビニRVパーク」は日本RV協会とグローリー、そしてローソンの協業体制で展開されている

 実証実験を実施している店舗では、店舗側および利用者を対象としたアンケートを行なっており、7月14日には実験開始から約1年が経過したことを受け、それらのアンケート結果をもとに「コンビニRVパーク」の利用実態や利用者像、拡大先となる店舗の選定理由などを紹介するオンライン説明会が開催された。

 説明会では、ローソンの新規サービス部シニアマネージャーである戸津茂人氏が説明者を務めた。

 まずは「コンビニRVパーク」の概要を改めて紹介する。「コンビニRVパーク」は、店舗の駐車場を活用した車中泊サービスとなる。

 RVパークとは、日本RV協会がキャンピングカーで旅をするユーザーをサポートする取り組みの一環として認定している車中泊施設のことである。

 RVパークは余裕のある駐車スペース、24時間利用可能なトイレを備え、100V電源が使用可能なこと、入浴施設が近隣にあること(クルマで15分圏内)、ごみ処理が可能なこと、入退場制限が緩やかであること、RVパークの看板を設置できること、複数日の滞在が可能なことなどを認定の条件としており、「コンビニRVパーク」もこの条件に準拠するものとなる。

 今回の実証実験では、実施エリアを千葉県と定め、この地域にあるローソン店舗の中から、RVパーク認定条件に合う店舗を選び、そこからさらに駐車場の状況などを踏まえて実施店舗を絞り込んでいる。

 実験の枠組みとしては「コンビニRVパーク」の予約や利用者対応などの運営をグローリーが担当。ローソンは駐車スペースの提供と、当日の受付および電源リールの貸し出しなど、現地での簡易な運営を担当するものである。

 ローソン店舗の駐車場をRVパークとして利用するメリットとして挙げられているのは、まず24時間営業の店舗が多く、店舗には昼夜を問わずスタッフが配置されているため、何かあった際にも対応しやすいこと。

 これらに加えて24時間買い物ができ、店舗設備としてトイレも備えていることも挙げられる。

 店舗側にとっても、夜間など来店客が少ない時間帯に空いている駐車スペースを有効活用できるほか、利用者による買い物も期待できるといったメリットもあるのだ。

この取り組みを始めた理由としては、旅行スタイルの多様化やキャンピングカーの流行による車中泊スポット需要の増加といったところが挙げられる。それに対して、ローソンの価値として24時間営業の利便性、従業員が常駐すること、店舗に対しては、駐車場の有効活用といったことが挙げられていた

千葉県内7店舗(房総半島)でのこれまでの実績

 2025年7月から千葉県内7店舗(房総半島)で行なってきた実証実験では、平日の稼働は少なめであるものの、お盆や年末、ゴールデンウィークなどを含む連休期間中は、7店舗平均で稼働率が9割を超える結果となったそうだ。

 そして利用者の中では、複数回利用しているリピーターが15%を超えた。このことから、車中泊ユーザーにとって「コンビニRVパーク」は利用しやすい施設と認識されていることも見えてきた。

2025年7月から千葉県内の7店舗で実証実験を行なっており、現在も継続している。その結果がこちらのデータ。ローソンの予想上まわるよい結果となった

 ただし、当初の想定とは違ったところもあった。利用実態や利用者像を見てみると、利用している人の約8割が50代以上であったことだ。

 ローソンでは当初、安価に旅をする手段として「コンビニRVパーク」が利用されるという予想から、利用者の年齢層は若いのではないかと想定していたという。ところが実際は、年齢層が高い人の利用が主体となった。

 このことについてローソンでは、キャンピングカーや車中泊仕様車には車両価格が高いものが多く、装備を充実させるにも費用がかかるため、ある程度経済的に余裕のある人が主体となり、必然的に年齢層が上がったのではないかと分析している。

 また、50歳以上になると「ゆっくり、のんびり旅をする」といった嗜好も出てくるため、そうした傾向がこの結果につながっているのではないかということだ。

 そして利用者の傾向として、キャンピングカーで長期間旅をするのではなく、1泊2日の利用がほとんどであるという実態も見えてきた。

利用者の約8割が50歳以上という結果。ローソンは当初、若年層の旅行で節約のために利用されるケースが多いと予想していたが、それを大きく外れることになった

利用者からの評価は?

 利用者を対象としたアンケートによると、今後「コンビニRVパーク」のエリアが拡大された場合に、新しい施設を利用したいかという問いに対して、99%の人が「利用したい」と回答した。

 理由については「設備や環境に満足した」が70%以上、「チェックインが簡単」が90%以上。さらにローソン店舗で500円以上の商品を購入した人も90%以上となったことから、ローソンの駐車場に泊まるメリットを生かした車中泊スタイルが取られていることも確認できた。

 なお、戸津氏は「われわれとして非常にうれしいのが、9割以上の方が車中泊場所となったローソンで買い物をしていただいた点です。ここは重要なポイントだと思っています」とコメントした。

 そのほか、特に高く評価されたのは「食材の買い物ができる」「24時間営業で安心できる」「利用料金が手頃」といった項目となる。

利用者からの評価はおおむね好評である。そのため利用者に「エリアを拡大した場合はまた利用したいか」と尋ねたところ、99%が利用したいと回答した

チェックイン・チェックアウト時間にも柔軟に対応

 次は、サービスの概要と実証実験中に変更された部分の紹介だ。

「コンビニRVパーク」の利用予約には、「RV-Park.jp」というRVパーク公式予約サイトを利用する。利用には会員登録が必要で、決済はクレジットカードによる事前決済となる。利用料金は、1回1区画につき2500円から3000円だ。この料金設定はおおむね好評で「利用しやすい」という意見が多いそうだ。

 チェックイン時間に関しては、実験開始当初、18時~21時としていたが、利用者からチェックインできる時間帯が短く、旅行の途中でその時間に合わせて到着するのが難しいといった声が寄せられた。

 そこで7月17日からは、チェックイン時間を15時~22時へと拡大。あわせてチェックアウト時間も、当初の9時から10時まで延長することとなった。

 時間設定ではほかの案もあったというが、店舗が忙しい時間帯との兼ね合いを考えると、この設定が現状では店舗への負担も少なく、利用者の利便性も確保できるのではないかということから決められたとのことだ。

利用の流れはこのような感じになる。料金については利用しやすいと好評だったが、チェックインの時間は利用しにくいという声から時間の変更が行なわれた

駐車スペースの設定にも工夫

 チェックイン時間内に現地の店舗へ到着したら、指定されている駐車区画に車両を駐める。「コンビニRVパーク」として利用できるスペースは、ローソンの駐車場に引かれている駐車枠2区画分を使用する。

 この駐車枠は店舗ごとに固定の位置として設定されていて、事前に「RVパーク」の名称が入った看板が目印として置かれているので、そこにクルマを駐める。推奨の駐車方法は、2つの区画をまたぐようにすること。このような方法であれば、車両の左右にパーソナルスペースを確保できるのだ。

 クルマを駐めたあとは、レジでRVパークを利用する旨を伝えると、「利用許可証」「利用上の注意事項を記した用紙」「ごみ袋」「利用者証ストラップ(首かけ式)」が渡されるので、「利用許可証」はフロントガラス部分に置く。「利用者証ストラップ」は、トイレ利用などで店内に入る際、その都度店員に声をかける必要がないよう、RVパーク利用者であることを示すものとなる。

 ごみ袋は「生ごみ専用」となり、受付時に渡されたごみ袋に収まるものであれば、店舗で処理してくれる。

 店舗の広い駐車場の中でどこをRVパークとして使うかは、店舗ごとに決めている。この駐車区画は固定されたもので、位置決めの基準となっているのは「民家が近くにないこと」「電源リールが届く距離であること」となる。

 大抵の場合、上記の条件で問題なく運用できていたが、コンビニでは深夜や早朝に、商品の搬入のためトラックが駐車場を利用することがある。

 その際、一部店舗では利用者から搬入時の騒音が就寝の妨げになるという声もあったため、該当店舗では現在は搬入トラックの駐車スペースから離れた場所に変更している。そして新規で設定する店舗でも、こうした部分を考慮した駐車スペースの設定となるとのことだった。

RVパークとして使用するスペースは通常の駐車枠の2つ分。境界の線をまたぐように駐車することで左右にパーソナルスペースができる。駐車場内での区画の場所は、コンビニ周辺の民家と隣接しないことと、他の利用者の駐車の影響を受けにくいこと、電源から近いことなどを考慮して設定されている

拡大店舗の選定条件について

 実証実験でわかったのは、利用者の多くが大都市圏を起点にしており、そこから1泊2日程度の旅行に出かけているということ。

 そこで、新たに拡大する店舗に関しては、キャンピングカー利用者が多い大都市圏からの旅行動線を重視し、その条件の中で旅行先として選ばれる観光地や入浴施設の近くにあること、駐車場が広く買い物に来る人の利用に影響がないことなど、店舗の立地条件を加味して選定したとのことだ。

 店舗数の拡大は7月17日以降も継続していく予定で、今後は名古屋圏から行きやすい観光地として、三重県や岐阜県にも設定していく予定とのこと。

 また、東京都や神奈川県にも展開する予定だが、候補としているのは東京23区や横浜市などの都市部ではなく、もう少し離れた、行楽地として訪れるような場所とのことだった。

「コンビニRVパーク」の拡大については、1年間の実証実験の結果から、大都市圏から1泊もしくは2泊で訪れる観光地周辺を中心に選定しているとのこと
7月17日からは、新たに埼玉、静岡、愛知に導入される。千葉の店舗はそのまま継続するとともに、新規店舗が1件追加される
今後の展開については、東京、神奈川、三重、岐阜などに拡大していく予定。これは2026年度内に行なうとのことだった

質疑応答

 説明会の最後には、戸津氏がメディアからの質問に答えた。

 最初は、利用者の実態が予想と違っていた点について。ローソンでは、ホテルなどの宿泊施設の料金がインバウンド需要によって高騰していることから、車中泊の需要が増えるのではないかと予想していた。

 しかしスタートしてみると、節約志向ではなく、車中泊という趣味を楽しみたい人たちの利用がほとんどとなった。

 実際、アンケートには利用している車種を記入する項目があるが、その結果を見ると、半数以上がキャンピングカーであったとのこと。ただし、この状況に問題があるわけではなく、単に当初の読みとは異なっていたというものである。

 また、よい結果として、むしろ車中泊に慣れた人が利用したことで、アイドリングをしないといったマナーがしっかり守られていた印象を受けたという。さらに「コンビニRVパーク」では車外へのテーブルや椅子の展開、サイドオーニングの使用などを禁止している。その点についてもトラブルはなく、トイレ内の洗面台を洗顔などに使用するといったマナー上の問題も見られなかったそうだ。

 そして「有料で場所を提供する」という取り組みがわかりやすく伝わったことから、従来、行なわれていた無断で車中泊をする人は減ったという。

 ただし、トラック運転手が仮眠を含めた休憩をすることは現在もあるため、そのあたりとの兼ね合いをどのようにしていくかは、今後の課題となっているとのことだ。

 次に「コンビニRVパーク」利用者側からの視点として、深夜などに駐車場内で騒ぐ人がいた場合、利用者として不安に感じることもあるので、その際に店舗側ではどのような対応ができるかという質問があった。

 これについては、前提として店舗側に警備システムが導入されており、状況によっては警備会社が対応するとのこと。また、そうなる前に事前に店舗スタッフによる声かけも行なえるとのことだ。

 さらに、「コンビニRVパーク」を利用中に不安を感じることがあった場合の通報システムとして、受付時に渡される注意事項を記した用紙に「緊急連絡先」の電話番号とメールアドレスが記載されており、そこへ連絡できる体制も整えられているという。

 こうした安全面への対応はローソン側も重視しており、実際に利用者からも「コンビニRVパークを利用すると、枕を高くしてゆっくり眠ることができる」というコメントをもらっているとのことだった。

 以上が「コンビニRVパーク」のエリア拡大に関する説明会の内容となる。車中泊は専用車両でなくても、横になって寝られるスペースと、窓を目隠しできる装備があるクルマであれば体験できるものだ。車中泊という趣味に興味がある人は、「コンビニRVパーク」の利用から始めてみるのもよいのではないだろうか。