ボルボ・カーズ、プラグイン・ハイブリッドを2012年に実用化 2009年夏にはボルボV70を使ったデモカーで試験運用を開始 |
ボルボ・カーズは6月10日、スウェーデンの電力会社バッテンファールと共同で家庭用標準電源コンセントから充電できる新型プラグイン・ハイブリッド車を開発し、2012年に実用化すると発表した。
バッテンファールのラース・G・ヨセフソン社長(左)とボルボ・カーズのスティーブン・オデル社長(右) |
ボルボ・カーズの社長兼CEO スティーブン・オデル氏は「ボルボ・カーズは電気とディーゼルを動力とするプラグイン・ハイブリッド車を2012年にスウェーデンにおいて量産する目的で、バッテンファール社とのジョイント・ベンチャー事業に参加します」と述べ、バッテンファールの社長兼CEO ラース・G・ヨセフソン氏は「我々は、プラグイン車や様々な代替充電方式をもとにした次世代技術を共同で開発していきます」と述べている。
車両の開発は両社が共同で行い、資金も共同で出資。ボルボ・カーズが製造を担当し、バッテンファールが充電システムの開発と車への電力供給を行う。車両はリチウム イオンバッテリーを動力源とし、家庭用電源で約5時間で充電可能、さらにブレーキ使用時にも充電される。長距離の移動にも対応するため、ボルボ製の低燃費ディーゼルエンジンも搭載する。車両価格は従来車より高くなるが、電気モーターは効率比が高く、消費エネルギーは化石燃料で動くエンジンの約5分の1に抑えられるため、電気を使えば燃料代はディーゼル車の約3分の1に抑えられると言う。
家庭用電源からも充電可能なプラグインハイブリッド |
また、バッテンファールでは、通常の電力源に代わる、風力または水力発電などの再生可能な電力を使用する契約も顧客向けに用意している。ヨセフソン社長は「当社ではあらゆる電力生産からCO2排出量を削減するよう努力しており、スウェーデン国内ではバッテンファール社の電力生産は事実上すべて環境負荷がゼロとなっている」と説明している。
2009年夏には、「ボルボV70プラグイン・ハイブリッド」のデモカー3台を製作し試験運用を開始する。デモカーを使うことで、新技術に関するドライバーのニーズを収集し、車の利用方法や最適な充電方法を評価するのが狙いだと言う。また、有料で充電ができる公共の充電ステーションに関する様々なコンセプトの検証も行われる。
(瀬戸 学)
2009年 6月 10日