日産の電気自動車「リーフ」はCセグメント

2010年度後半発売



 日産自動車は8月2日、量産電気自動車「リーフ」を発表した。2010年後半に、日米欧で発売される。

 具体的な価格は発表されていないが、「Cセグメントの車両と同等の競争力を持たせる」としている。

 内燃機関を持たない量産電気自動車として専用設計されており、5人乗りの5ドアボディーを持つ。バッテリーにはラミネート型のリチウムイオンを採用。バッテリーはフロア下に配され、後席のレッグルームとヘッドルームに余裕を生んだとしている。またラゲッジルームも一般的なCセグメントクラスと同等の大きさであるように見受けられる。

7月27日に日産が発表した電気自動車専用プラットフォーム。フロア下にバッテリーを配し、インバーターとモーターはフロントに積まれる

 スタイリングは、フロントノーズが短めなほかは、一般的な内燃機関の5ドア2ボックス形状と変わるところがない。ボディーから突き出たヘッドランプ形状が、気流を分散してドアミラーを避け、風切り音と空気抵抗を低減するといった工夫が施されている。また内蔵反射型デザインのヘッドランプは青く光り、消費電力が従来の約50%としている。

 バッテリーの出力は90kW超、モーターは80kW/280Nm。フル充電で160kmの航続距離を持つ。充電はノーズの日産エンブレムの裏にあるコネクタから行うが、急速充電用と家庭用のコネクタを持つ。急速充電器を使えば30分で80%までの充電が可能で、家庭用の200V電源では0%から満充電まで約8時間としている。

 車室には、エネルギー残量に応じた到達可能エリアや充電ステーション位置が表示されるディスプレイが、「フローティングクラスター」と名付けられたセンターコンソールに設けられているほか、携帯電話でエアコンと充電機能を遠隔操作できるなど、IT技術を駆使して電気自動車の弱点である航続距離の短さを補う仕組みが用意されている。

 また充電インジケーターはダッシュボード上に設けられ、車外からも確認できるようになっている。

 生産は追浜工場。米国テネシー州のスマーナ工場での生産も計画されている。またリチウムイオンバッテリーは座間で生産が開始される予定だが、米国、英国、ポルトガルでの生産も予定している。

ノーズのエンブレム裏にある充電ポートは、急速充電用(左)と家庭電源用が設けられる
充電インジケーター
2日に開催された新本社竣工式でお披露目された

(編集部:田中真一郎)
2009年 8月 3日