日産、電気自動車専用プラットフォームとサポート機能を公開
新開発の電気自動車のデザインも8月に発表

急速充電中の電気自動車実験車両

2009年7月27日発表



 日産自動車は7月27日、電気自動車(EV)専用プラットフォームとそれを用いた車両、そしてEV向けのサポート機能について公開した。また、日産は新型EVを2010年度に発売するとしているが、そのデザインについて、8月2日に同社の「日産ゼロ・エミッションサイト」にて公開すると発表した。

EV専用プラットフォーム
 公開されたEVは、EV専用のプラットフォームに高剛性車体と高性能モーター、高出力大容量リチウムイオンバッテリーを採用して作られたもの。車体フレームにバッテリーを支える構造体を追加し、バッテリーパック自体にもフレームを内蔵したEV専用の高剛性プラットフォーム。モーターは、自社開発の新しい80kW・280Nmのモーターを搭載し、独自のモーター制御により、スムーズな加速を実現しているとのこと。

 さらにバッテリーには、薄いラミネート型のリチウムイオンバッテリーを床下に配置することで、居住空間と航続距離の両方の確保。また、これにより床面がフラットになり、空気抵抗の低減にも貢献しているとのこと。さらに、ブレーキ時の減速エネルギーを有効活用する回生協調ブレーキも採用し、1回の充電での航続距離を160km以上に伸ばしていると言う。

EV専用プラットフォームを使った電気自動車実験車両
充電の模様。左が急速充電で、右が普通充電
EV専用プラットフォーム写真上がバッテリーで、左下がインバーター、右下がモーター

EV-ITサポート機能
 EV向けのサポート機能として発表された「EV-ITサポート機能」は、グローバルデータセンターと車載の通信ユニットを使って、EVの利用を24時間365日サポートするITシステムのこと。

 主な機能は4つで、1つは航続可能エリアの表示機能。これは、スイッチを押すと、いつでもカーナビの地図上に片道、あるいは往復で航続できるエリアを円形で表示するというもの。目的地を設定している場合は、目的地からさんらに航続可能なエリアを表示できる。

 2つ目は、充電スタンド自動更新機能。現在地や目的地から最寄りの充電スタンドの位置を表示。さらに各スタンドの詳細情報の確認もできる。

 3つ目はタイマー機能。充電を開始する時刻やエアコンを作動させる時刻をタイマーで設定できる機能で、電気料金の安い夜間に充電することや、乗車前に車内を冷やしておくこともできる。また、その際のエアコンの電気は、接続しているコンセントから供給できるので、車載のバッテリーが減ることはない。

 4つ目はEVリモートコントロール・モニタリング機能。携帯電話やWebサイトから、離れた場所にあるEVのバッテリー充電量の確認や、充電のON/OFF、エアコンのタイマー設定などが可能。また、バッテリーの充電が完了したことを自動的にメールで通知する機能も持つ。

(瀬戸 学)
2009年 7月 27日