GENIVIアライアンスに日産、パイオニアなど日本の5社が加盟 オープンプラットフォームのカーナビに向けた第一歩 |
半導体メーカーのインテルは、組込み総合技術展「Embedded Technology 2009」(ET2009)の会場で記者会見を開き、同社が展開する、カーナビなどに組み込む製品に関する説明を行った。その中でインテル インテルアーキテクチャ事業本部 副社長 兼 エンベデッド&コミュニケーション事業部長のダグラス・デイビス氏は、IVI(In-Vehicle Infotainment)と呼ばれるモバイルブロードバンドなどの新しい情報通信機能を備えたカーナビシステム向けのオープンプラットフォーム標準を確立すべく設立されたGENIVIアライアンスに、日本の5社が新たに参加したことを明らかにした。
明らかにされた5社は、自動車メーカーの日産と、サプライヤーとしてのアルパイン、三菱電機、ローム、パイオニアの各社で、いずれも自動車やIVI関連のメーカーとしてはキープレーヤーとなる会社だ。
インテルの記者会見で公開されたスライド、自動車メーカーの日産と、サプライヤーとしてのアルパイン、三菱電機、ローム、パイオニアの各社がGENIVIの加盟した |
■日本の5社が加盟、今後成長が望める海外市場への展開を見据えたものと考えられる
GENIVIアライアンスは、インテルやBMW、GM、プジョー・シトロエングループなどから構成される業界団体で、これまで専用のハードウェアやソフトウェアが利用されることが多かったカーナビに、オープンプラットフォームの仕組みの導入を目指して設立された。設立当初は、欧米のメーカーを中心に設立されたため、加入しているベンダーも欧米のメーカーが中心で、日本のメーカーは加入していなかった。
こうした背景には、日本のメーカーが、オープンプラットフォームとはまったく逆のビジネスを展開しているということがあった。日本ではすでに新車時のカーナビの装着率が70%を超えるマーケットだが、それらの製品は日本のメーカーの独自のプラットフォームで作られているからだ。
しかし、現在まだ20%を切る程度しか普及していない海外の市場では、組み込み向けのカーナビが普及するのはこれからだと言われている。そうした市場に参入していくには、開発コストを考えるとオープンプラットフォームを検討していく必要があり、日本のメーカーもGENIVIに興味を持ち始めていたのだ。今回の発表はそれを裏付けるものだと言える。
なお、インテルのデイビス副社長は、この後、13時よりET2009の招待講演に登場する予定で、さらに詳細が明らかになる可能性がある。そちらの模様も追ってお伝えする予定だ。
(笠原一輝)
2009年 11月 19日