警察庁、2009年の30日以内交通事故死者数を発表
9年連続で減少し、統計開始以来最小の5772人

2010年3月10日発表



 警察庁は3月10日、2009年の30日以内交通事故死者数を発表した。発表によると30日以内死者数は5772人と、昨年より251人減少。これは、1993年の統計開始以来最小で、9年連続の減少となった。

 交通事故死者数は、交通事故発生から24時間以内の死者数を指し、この数字については1月2日に発表され、2009年は1952年以来の4000人台となる4914人。30日以内死者数は、24時間以内死者数の1.17倍となり、2007年以降漸増傾向にあると言う。

30日以内死者数の推移。9年連続減少傾向を続けている

 また、30日以内交通事故死者の特徴としては、24時間以内死者に比べて60歳以上の占める割合が高く、年齢が高くなるほど高い割合になるとしており、30日以内死者の構成率は、60歳以上(60~64歳7.6%、65歳以上51.2%)の占める割合が、24時間死者(60~64歳7.5%、65歳以上49.9%)に比べ高いと分析している。

30日以内死者と、24時間以死者の年齢層別死者数。9年連続減少傾向を続けている

 欧米諸国との比較も行っており、欧米諸国は65歳以上の高齢者の占める割合が2割前後であるのに対して、日本は5割以上(構成率51.2%)を占め、日本は高齢者の割合が高いと結論づけている。ただし、これについては人口の年齢構成比との相関は示されていない。

年齢別30日以内死者数での欧米比較。日本では他の欧米諸国より高齢者の割合が高くなっているが、年齢構成比との相関は示されていない

 そのほか、人口10万人当たりの死者数を5カ国で比較すると、日本はイギリスに次いで少ないこと、状態別では歩行中の死者数割合が高く、乗用車乗車中の割合が低いことなど、国による事故形態の違いを示唆するデータが記載されている。

状態別30日以内死者数の欧米諸国との比較。日本は乗用車乗車中の割合が低く、アメリカは、自転車乗用中の割合が低い。乗用車乗車中の割合がもっとも高いのはドイツ

(編集部:谷川 潔)
2010年 3月 10日