ホンダ、2010年度のモータースポーツ普及活動を発表
燃費を競う「エコ マイレッジ チャレンジ」と、子供を対象にした「エンジョイ キッズ ライダー」

Enjoy Kids Riderのキャプテンを務める元グランプリライダーの中野真矢氏(中央)も発表会に登場

2010年3月25日発表



 本田技研工業は3月25日、2010年度のモータースポーツ普及活動の内容を発表した。

 発表会の冒頭で挨拶を行った本田技研工業 モータースポーツ部 部長 村松慶太氏は、「ホンダは昨年、ロードレース世界選手権に参戦して50年という、モータースポーツ活動に1つの節目を迎えた。これからは50年先を見据えたモータースポーツ活動を行う。その展開の要には将来を担う子供たちの存在が欠かせない」と述べた。昨今の若者の車・バイク離れが叫ばれる中、モビリティの持つ操る楽しさやもの作りの喜びを提供していきたいとし、そのためには「現物をもって現場で体感してもらいたい」「レース参戦活動のみならず広くモータースポーツに親しめる環境作りを目指し、見て、参加して楽しむ機会を提供していきたい」と述べた。

 その一環として今年行われるのが、1リットルで何km走行できるかを競う「Honda エコ マイレッジ チャレンジ」と、乗り物の楽しさを体感してもらうことを目的とした「Honda“Enjoy Kids Rider”(エンジョイ キッズ ライダー)」だ。

本田技研工業 モータースポーツ部 部長 村松慶太氏エコ マイレッジ チャレンジとエンジョイ キッズ ライダーについて紹介を行った本田技研工業 モータースポーツ部 二輪ブロック 中山理香さん
「環境」と「未来を担う子供たち」をキーワードにした取り組みがエコ マイレッジ チャレンジとエンジョイ キッズ ライダーホンダは二輪、四輪を持つ強みを活かしてレース参戦活動だけでなく、モータースポーツに親しめる環境作りを積極的に行っていくと言う

発表会会場にはエコ マイレッジ チャレンジに出場したマシンも展示されていた

エコ マイレッジ チャレンジ
 エコ マイレッジ チャレンジは、今年で30年目を迎える「Hondaエコノパワー燃費競技大会」の後継となる大会で、30周年を記念して名称を変更。

 競技内容は、ホンダ4サイクルエンジンをベースに、1リットルのガソリンで何km走行できるかを競うシンプルな競技で、モータースポーツと環境について考える“未来型イベント”に位置づけられる。

 オリジナルの車体で参加できるクラスI(中学生部門)~クラスIV(一般部門)および2人乗りクラスのほか、ホンダ製150cc4サイクルエンジンを使用したニューチャレンジクラス、50cc4サイクルエンジンを搭載した市販車で争う市販クラスの全7クラスで競技が行われる。ドライバーは15歳以上と定められ、1チーム5名(2人乗りクラスは6名)で構成する。全部門を含め、現在の最高記録は2001年に樹立された3435.325km/Lだと言う。

 日本国内のみならず、タイや中国でも開催しており、今年はさらにベトナム、インドでも開催する計画を立てている。国内では年4回開催する予定で、最終戦となる全国大会には海外地域からも参加者が訪れる。

エコ マイレッジ チャレンジには「環境によい・人に優しい」「単位燃料あたりの走行距離」「記録に挑戦する」という意味が含まれるHondaエコノパワー燃費競技大会は1981年に第1回大会を実施。速さではなく、燃費を競うという競技内容は、新しい考え方だったと言う競技会で使われるエンジンはスーパーカブのもの
第1回大会の最高記録は292.500km/Lだったが、昨年行われた第29回大会の最高記録は2474.742km/Lまで進化タイや中国でも大会は実施されており、今後はインド、ベトナムでも開催する予定だと言う海外大会のスケジュール
エコ マイレッジ チャレンジに出場するマシン

 エコ マイレッジ チャレンジの開催スケジュールは次のとおり。

日程大会名会場
6月19日第24回Hondaエコ マイレッジ チャレンジ鈴鹿大会鈴鹿サーキット東コース
8月1日第26回Hondaエコ マイレッジ チャレンジ九州大会HSR九州サーキットコース
8月28日第2回Hondaエコ マイレッジ チャレンジもてぎ大会ツインリンクもてぎ西コース
10月2日(練習走行)、3日(決勝)第30回 本田宗一郎杯 Hondaエコ マイレッジ チャレンジ全国大会ツインリンクもてぎスーパースピードウェイ

エンジョイ キッズ ライダー
 エンジョイ キッズ ライダーは、鈴鹿サーキットやツインリンクもてぎの施設で使用される「ピンキーバイク」と「キッズバイク」を活用した、今年から設定された新プログラム。子供たちを対象に、気軽にバイクに触れる機会を提供していく。

 ピンキーバイクは三輪型電動スクーターで、3歳児から乗車が可能。アクセルグリップを回すと前進、ブレーキペダルを踏むと停止という、二輪車の基本操作をより安全に分かりやすく体験できるとともに、コーナリング時には車体が傾き、実際にオートバイが傾いて走る感覚を体感できると言う。

 キッズバイクは3歳から小学6年生を対象とした、子供向けの電動バイク。初めてオートバイに乗れた達成感を味わえるほか、交通ルールやマナーの大切さを学べるものだと言う。

元グランプリライダーの中野真矢氏は、エンジョイ キッズ ライダー・キャラバン隊のキャプテンを務める

 このピンキーバイクとキッズバイクを楽しんでもらうため、鈴鹿サーキットやツインリンクもてぎのほか、全国各地の特設会場でも実施していくと言う。エンジョイ キッズ ライダー開催時には、元グランプリライダーの中野真矢氏がキャプテンを務めるキャラバン隊も登場し、バイクに乗ったことのない子供たちのサポート活動や、モビリティの楽しさを伝えていくと言う。

 発表会に参加した中野氏は、5歳のときに初めてバイクと出会い、プロになってからは13年間に渡り国内外でレーサーとして活動し、そこで得た経験やさまざまな人との出会いはかけがえのないものだと言い、「今回キャプテンに襲名したことでバイクに恩返しをしたい」と話した。

 また、「オートバイの持つ魅力やバランスを取る感覚の楽しさを伝えながら、自分自身もイベントを通じて楽しみたい」と、豊富を述べた。

発表会会場に展示されていたピンキーバイク(左)とキッズバイク(右)エンジョイ キッズ ライダーのイメージキャラクター発表会の後に行われたキッズバイクを使ったデモ走行の様子。始めは子供たちもうまく乗りこなせなかったが、中野氏のアドバイスを受けると上手に乗れるようになった

 エンジョイ キッズ ライダーの開催スケジュールは次のとおり。

日程エリア会場併催イベント
4月10日、11日関西(大阪府)舞州スポーツアイランド(大阪)Honda DREAM Test Ride Festa
4月25日四国(香川県)Hondaセーフティトレーニングセンター(HST)四国
5月16日九州(熊本県)ホンダセーフティ&ライディング・プラザ九州(HSR九州)Enjoy Honda モータースポーツフェスタHSR九州
10月2日、3日関東(東京都)お台場特設会場モータースポーツジャパン 2010 フェスティバル イン お台場

(編集部:小林 隆)
2010年 3月 25日