帝人、重量437kgのEVコンセプトカー「PU_PA EV」
帝人グループの自動車にまつわるソリューション技術をアピール

コンセプトカー「PU_PA EV」

2010年3月30日発表



PU_PA EVの内装。シートやシートクッション、シートベルト、フロアマットといった内装材にバイオポリエステルを使用。ハンドルカバーは人工皮革

 帝人は3月30日、電気自動車(EV)のコンセプトカー「PU_PA(ピューパ)EV」を発表した。

 同社は2009年4月に、「自動車・航空機」関連のビジネス拡大を目的としたCEO直轄組織の「モビリティービジネス企画室」を新設。自動車ビジネスの拡大や、CO2削減ニーズに対応するための自動車の軽量化やハイブリッド化、電気自動車化に向けた素材技術の開発に取り組んできたと言う。

 PU_PA EVはそれらソリューション技術を融合させた同社のシンボルカーで、自動車メーカーや部品メーカーとの共同開発を視野に入れ、帝人グループの自動車にまつわるソリューション技術をアピールする。

 具体的には、ボディーのフロア部や外板材に炭素繊維複合材料(カーボン)を使用し、ルーフと一体化したウィンドーにガラスの1/2比重のポリカーボネートを用いたほか、車体を構成する部品点数を約20点に抑えた結果、重量を437kgとした。これは一般的な電気自動車の半分以下の数値。

 また、メッキ代替金属調フィルム「テフレックス」や、タイヤコードにロードノイズを低減するPEN繊維「テオネックス」を使用し、環境負荷を軽減する技術も盛り込む。そのほか、配線なしで多数の機器との相互通信が可能な2次元通信シート「セルフォーム」も装備する。

 常用速度は60km/hで、1回の充電で約100km走行できる。

 なお、PU_PA EVは帝人グループの最新技術を紹介するショールーム「テイジン未来スタジオ」に展示される。

テイジン未来スタジオ
住所:東京都千代田区霞が関3-2-1 霞が関コモンゲート西館 商業棟3階
営業時間:10時~12時、13時~17時(土日祝日を除く)

(編集部:小林 隆)
2010年 3月 31日