NEXCO東日本、横須賀PAを“エコパーキング”にリニューアル 上下線にそれぞれ1基ずつ急速充電器を設置、屋根には太陽光パネルも |
NEXCO東日本(東日本高速道路)は4月13日、横浜横須賀道路の横須賀PA(パーキングエリア)をリニューアルオープンした。同日に下り線のPAでオープニングセレモニーを開催し、NEXCO東日本 代表取締役会長 八木重二郎氏、横須賀市長 吉田雄人氏らが出席したほか、横須賀PAの近隣にある横須賀市立平作小学校の6年生児童らも出席し、記念植樹や環境学習などを行った。
セレモニーの冒頭で主催者挨拶を行った八木氏は、「今回の改修により“太陽光発電”“遮熱性舗装”“保水性ブロック”“壁面緑化”など、新たな技術を積極的に取り入れてお客様にエコを体感していただけるよう心がけた」「横須賀市は海や緑などの自然環境に恵まれた地域であり、自然環境の保護や地球温暖化対策と合わせて環境教育にも積極的に取り組んでいる。NEXCO東日本としても、横浜横須賀道路を“エコロード”として、今後もさまざまな環境への取り組みに挑戦していく」とし、横須賀PAの特徴を紹介するとともに、多くの利用者が環境に優しい高速道路を体感してもらえるよう努力していくと述べた。
来賓挨拶を行った吉田市長は、今年は横須賀市にある日産自動車の追浜工場で電気自動車を年間5万台生産することが決定したと述べた。さらに市も公用車として電気自動車を導入するほか、購入した電気自動車をタクシー会社にレンタルするなど、電気自動車の普及促進に向けた取り組みを行っていくと言い、横須賀市にとって「電気自動車元年になる予感がする」と話す。
また、横須賀市は電気自動車で走りやすい街を目指すとし、「神奈川県全体で電気自動車の普及を目指しているが、その中でも横須賀市はガソリンスタンドや観光地などで充電設備を積極的に整備し、安心して電気自動車で生活できる街にしていきたい」と考えていると言う。そうしたことからも、今回リニューアルオープンした横須賀PAは非常に意義のあるものだとし、「横須賀を訪れる人にとって、また横須賀で暮らす人たちにとって(横須賀PAが)環境と集客の面で大きな後押しをしてくれることを期待している」と述べ、挨拶を締めくくった。
今回のリニューアルで、横須賀PAは「環境に優しい高速道路」「沿道の生活環境や自然環境と共存共生していく高速道路」を目指し、“エコパーキングエリア”としてヒートアイランド対策、資源の有効活用、自然との共存をコンセプトに掲げ、さまざまな取り組みを行った。
PA全体で温度上昇を緩和するヒートアイランド対策として、道路の舗装に特殊塗料を施すことで赤外線を反射し、路面温度の上昇を防ぐ遮熱性舗装とした。これは東北自動車道 黒磯PA(下り)でも採用されている塗装方式で、真夏時期にサーモグラフィーを用いて実施した測定では、通常のアスファルトより約4度低い温度差だったと言う。
また、レストラン/トイレ前の床面には、雨水を浸透・保水する機能を有する保水性ブロックを用いた。これは雨水をブロックの空隙に蓄え(飽和すると下層面に浸透)、外気温が上昇するとブロック表面から水分が蒸発し、気化熱を奪うことで温度の上昇を防ぐというもの。さらにトイレの外壁を一部壁面緑化し、直射日光をさえぎることで建物内の温度上昇を防ぐ。
資源の有効活用では、電気自動車向けの急速充電器を上下線それぞれに1基ずつ設置したほか、一部の駐車場とトイレの屋根に太陽光パネルを設置した。発電した電気はトイレの照明の一部に使われ、発電能力は10キロワット。年間で約5.5tのCO2削減に寄与すると言う。
(編集部:小林 隆)
2010年 4月 14日