日産、電気自動車「リーフ」の試作車
歩行者に車両接近を知らせる車両接近通報装置の動作映像も公開

電気自動車「リーフ」の試作車

2010年6月11日公開



 日産自動車は6月11日、電気自動車(EV)「リーフ」の試作車を報道陣やアナリスト向けの試乗会で公開した。これまでリーフはコンセプトカーとして公開されていたが、試作車が公開されるのは初めて。

 リーフは、12月より日本、アメリカ、ポルトガル、オランダで、2011年2月よりイギリス、アイルランドで販売が開始される。

 この試作車には、歩行者が電動走行するEVやハイブリッド車(HEV)の接近を認識しやすくする車両接近通報装置を搭載している。この装置は国土交通省が1月29日に発表した「ハイブリッド車等の静音性に関する対策のガイドライン」に基づいたもので、以下のような機能を持つ。

・走行中、車速に応じて音の高さを変えるスイープ音を搭載し、車の加速、減速などの走行状態を表現する。車両発進時は、音の変化も大きくなり、歩行者がEVやHEVの発進に気づきにくい点を解決する。
・30km/hまでの発進加速時は車両音を発する。
・30km/h以上の車両走行音が高まる速度域では音を停止する。
・減速時に、25km/h以下となり車両走行音が低くなると音が出始める。
・車両後退時は、断続的な音で、車両が後退していることを報知する。

 発生する音は、コントローラーに内蔵されたコンピューターとシンセサイザーで、車両の車速や前進および後退時にあわせて合成され、モータールーム内に設置したスピーカーを通じ音を発生させる。なお、スイッチ操作により、発生を停止することができると言う。この車両接近通報装置は、今秋発売予定の「フーガ ハイブリッド」にも搭載される。

 YouTubeのNISSANevチャンネルには車両接近通報装置の動作映像が公開されており、その音を聞くことができる。

車両接近通報装置の発音ダイアグラム車両接近通報装音の音作り。縦軸が音エネルギー量、横軸が周波数

(編集部:谷川 潔)
2010年 6月 11日