日産、新型「エルグランド」を発売 高級車としてのこだわりを詰め込んだ“キング・オブ・ミニバン”がフルモデルチェンジ |
日産自動車は8月4日、新型ミニバン「エルグランド」を発売した。価格は307万1500円~464万1000円。
グレード | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 定員 | 価格 |
350ハイウェイスター プレミアム | V型6気筒DOHC 3.5リッター | CVT(6速マニュアルモード付き) | 2WD | 7 | 435万7500円 |
350ハイウェイスター(コンフォタブルキャプテンシート付き) | 385万3500円 | ||||
350ハイウェイスター | 8 | ||||
350ハイウェイスター プレミアム | 4WD | 7 | 464万1000円 | ||
350ハイウェイスター(コンフォタブルキャプテンシート付き) | 413万7000円 | ||||
350ハイウェイスター | 8 | ||||
250ハイウェイスター(コンフォタブルキャプテンシート付き) | 直列4気筒DOHC 2.5リッター | 2WD | 7 | 338万1000円 | |
250ハイウェイスター | 8 | ||||
250XG | 307万6500円 | ||||
250ハイウェイスター(コンフォタブルキャプテンシート付き) | 4WD | 7 | 366万4500円 | ||
250ハイウェイスター | 8 | ||||
250XG | 336万円 |
低重心新プラットフォームを採用する新型エルグランド。駆動方式はFFに変更された |
新型エルグランドの開発コンセプトは「ダイナミック&ラグジュアリー エモーショナル・マルチパッセンジャーカー」とし、快適性を極限まで高めること、今までのミニバンにないエモーショナルなスタイリング、同乗者へのもてなし感、ドライバーも高揚できるインテリアなど、“真の高級車”としてのこだわりを詰め込んだ。
低重心新プラットフォームを採用し、駆動方式を従来のFR方式からFF方式にするとともに、トランスミッションを5速ATから6速マニュアルモード付きエクストロニックCVTに変更した。これにより、先代エルグランドと同等の室内高を確保しながら低重心化され、さらに軽量化にも成功したことで燃費性能にも一役買ったと言う。
ボディーサイズは4915×1850×1805~1815mm(全長×全幅×全高)とし、先代エルグランドよりも80mm長く、35mm広く、95mm低くなった。ホイールベースは50mm長い3000mmとなった。
エクステリアデザインはエルグランドらしい厚みのあるフロントフェイスや水平/垂直で構成したリアコンビランプを採用するが、新たにキャビンまわりにクロームモールをあしらったほか、アルミホイールにクロームカラーコーティングを施すなど高級感を一層高めている。
ボディーカラーはファントムブラック、オーロラモーヴ(ハイウェイスター専用色)、ブリリアントホワイトパール、ブリリアントシルバー、シェルブロンド(XG専用色)の5色を設定。
350ハイウェイスター プレミアム(ファントムブラック) | キャビンまわりにクロームモールを採用するほか、アルミホイールにはクロームカラーコーティングを施す | |
エルグランドらしい上下二段式ヘッドランプユニットを採用 | 水平方向と垂直方向のラインで構成されるリアコンビランプ |
ファントムブラック | オーロラモーヴ | ブリリアントホワイトパール |
ブリリアントシルバー | シェルブロンド |
エンジンはV型6気筒DOHC 3.5リッターの「VQ35DE」と、直列4気筒DOHC 2.5リッターの「QR25DE」をラインアップ。
VQ35DEはカムシャフトやチェーンシステムの面粗度向上、バルブリフター表面のDLC(ダイヤモンドライクカーボン)加工などにより低フリクション化が図られたほか、低回転では静粛性を重視し、高回転ではスポーティなサウンドとなる2ウェイマフラーを採用している。最高出力は206kW(280PS)/6400rpm、最大トルク344Nm(35.1kgm)/4400rpm。10・15モード燃費は2WD車が9.4~9.8km/L、4WD車が9.3km/L。
QR25DEは最大トルク245Nm(25.0kgm)を3900rpmで発生させ、低速からの素早いアクセルレスポンスを特徴とする。VQ35DE同様にバルブリフター表面にDLC加工などが施されるほか、エンジンチェーンガイドシューの材質変更などが加えられ、スムーズなふけ上がりを実現したと言う。最高出力は125kW(170PS)/5600rpm。10・15モード燃費は2WD車が11.6~9.8km/L、4WD車が10.4km/L。
V型6気筒DOHC 3.5リッターのVQ35DEエンジン | 直列4気筒DOHC 2.5リッターのQR25DEエンジン |
インテリアでは、艶のあるグラデーション木目調パネルやクローム加飾をクラストップの面積で使用し、上質な室内空間とした。
1列目、2列目シートはベースウレタン、ワディングに低反発素材のスラブウレタンを加えた三層構造シートを採用し、体圧を分散させるとともにフィット感を向上させた。助手席と2列目シートにはシート一体型のオットマンを採用したほか、2列目シートバックは上部のみ角度調整が可能な中折れ機能を搭載し、これにより体圧が分散されてロングドライブも快適に過ごすことができると言う。さらに、オットマン自体を大型サイズとし、広い面積で下肢を支持することでうっ血やしびれなどを防止する。
350ハイウェイスター プレミアムの運転席には8wayパワーシート(350/250ハイウェイスター、250XGは6way)を設定したほか、シーンによって身体の温める場所を最適化するクイックコンフォートシートヒーターを装備。ヒーターの初期段階は即暖性を向上させるため、人が温かいと感じやすい太もも裏、尻を温め、ヒーターが暖まった後は快適性が持続するよう太もも裏と腰を重点的に温めると言う。
室内の静粛性を確保するべく、ガソリン車では同社初の遮音ガラスをフロントガラスに採用するとともに、遮音材、制振材を最適に配置。制振材は先代エルグランドよりも25%面積を増加させた。また、ミニシアターの設計思想をもとに、車室内の音響特性は専用チューニングされ、吸音天井と吸音機能が付いたディーラーオプションのフロアカーペットを組み合わせ、上下方向は吸音を、窓ガラスのある左右方向では反射音を緻密に計算。これにより、13スピーカーを配置するオプション設定の「ボーズ5.1chサラウンド・サウンド付後席プライベートシアターシステム」では圧倒的な臨場感を楽しめると言い、11インチ大型ワイド液晶モニター付近には同社初採用の専用ルーフセンタースピーカーも設置する。
インテリアカラーはダークエスプレッソ(本革シート、グラデーションアフリカンウッドパネル)、ブラック/ベイブラウン(ネオソフィール/ジャガード織物シート、グラデーションシルバーローズウッドパネル)、シルキーベージュ(スエード調クロスシート、グラデーションアフリカンウッドパネル)の3色を設定。
助手席、2列目シートはシート一体型のオットマンを採用 | 2列目シートバックは上部のみ角度調整が可能な中折れ機能を搭載 | 3列目シートは6:4分割シートを採用 |
ラゲッジルームの両側に設けられるスイッチを押すことで、3列目シートの自動格納と自動復帰を可能にした | オプション設定のボーズ5.1chサラウンド・サウンド付後席プライベートシアターシステム |
そのほか、新技術として駐車手順をトップビュー画面や音声で知らせる駐車ガイド機能、フロント/リア左右180度をモニターで確認できるフロント/リアワイドビュー機能、使いたい場所で自動的にフロントワイドビュー画面に切り替わるナビ連動フロントワイドビュー機能の3つを追加した「アラウンドビューモニター」を搭載。
また、高濃度プラズマクラスターイオンが肌の潤いを保つというインテリジェントエアコンシステムや、ホイールに装着したセンサーがタイヤの空気圧をモニタリングし、空気圧が減った際に警告表示を行う「タイヤ空気圧システム」なども装備する。タイヤ空気圧システムは空気を充填中に指定圧に達すると、ブザーで知らせる空気圧充填完了ガイド機能も有する。
アラウンドビューモニターの表示画面 | |
インテリジェントエアコンシステムは高濃度プラズマクラスターイオンを発生させる |
(編集部:小林 隆)
2010年 8月 4日