9月11日、12日開催のSUPER GT第7戦富士は、宿泊観戦がお勧め


 レース観戦と言えば、自宅でテレビを見るのと、実際にサーキットに行ってレースを見るという2つが考えられる。確かにテレビでレースを見るのは、レース全体の流れを追いかけるのには向いているし、自宅という快適な環境でポテトチップスとコーラでも片手に見るのもわるくない。

 しかし、レースを本当に楽しみたいのであれば、お勧めはサーキットに行っての観戦だ。サーキットに行けば、レースそのものを楽しむだけでなく、あこがれのドライバーを間近に見たり、実際に会ったり、サインをもらったりということも可能なのだ。

 今、日本で一番人気のあるレースと言えば、SUPER GTシリーズだろう。レクサス(トヨタ自動車)、日産自動車、本田技研工業の3メーカーがGT500クラスで三つどもえの戦いを繰り広げているほか、GT300クラスではフェラーリやポルシェなどの輸入車ベースのマシンなど多数のGTカーが参戦している。

毎戦激しい戦いが繰り広げられるSUPER GT。日本で一番人気のあるモータースポーツだ

 9月11日、12日に富士スピードウェイ(静岡県駿東郡小山町)で開催される2010 AUTOBACS SUPER GT第7戦「FUJI GT 300km RACE」に“ぜひお出かけを”と言いたいところだが、人気の高いレースだけに渋滞の発生が気になるところ。そこで、紹介したいのが日本のサーキットではなかなかできない、宿泊してのレース観戦だ。

宿泊可能なFUJI GT 300km RACE
 FUJI GT 300km RACEでは、9月11日の予選終了後から翌日の朝まで、富士スピードウェイ内に宿泊することが可能になっている。キャンピングカーであれば、そのまま車内に寝泊まりすればよいし、指定されたエリアであればテントを張っての宿泊も可能だ。

 また、直火でなければ火を使うことも許可されており、グリルなどを持ち込んでバーベキューをすることができる。実際、筆者も同様の宿泊が可能であったSUPER GT第3戦富士(5月1日、2日開催)で一夜を過ごしたが、分厚いステーキなどを楽しく焼いているグループを見かけることができた。そのグループに話を聞いてみたところ、毎年富士で宿泊しており、「富士のGTは、日本のル・マンですから」と語ってくれた。

夜の富士スピードウェイ。写真は5月のSUPER GT第3戦時のもの。車の中に宿泊する人、キャンピングカーで来る人、テントを張る人、楽しみ方はそれぞれのようだバーベキューをしているグループも見かけることができた。富士スピードウェイでの宿泊観戦を毎年行っているとのこと

 夜は退屈だよという人のために(というわけではないだろうが)、グランドスタンドの大型ビジョンを利用した映画が上映される。予選日の夜は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 EVANGELION:1.11」が予定されており、もしかしたら、翌日の決勝に向けて準備中のピット作業を同時に見ることができるかもしれない。

 また、決勝日の夜は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 EVANGELION:2.22」が上演される予定になっており、渋滞に巻き込まれずにゆっくり帰りたいという人はこれを見てから帰るとよいだろう。

グランドスタンドでは映画を見ることができる。当日の状況によるが、ピット作業を楽しむこともできるだろう上映される映画はヱヴァンゲリヲン新劇場版。予選日は序 EVANGELION:1.11が、決勝日は破 EVANGELION:2.22が予定されている。(c)カラー

予選日の18時以降は出入りが自由
 バーベキューの準備は面倒だし、風呂に入りたいという人もいるだろう。そのような要望を満たすために、予選日の18時以降は、決勝日のチケットと駐車券を持っていれば出入りが可能になっている。

 東名高速 御殿場IC近くには多数のファミリーレストランがあるし、24時間営業のコンビニもある。また、富士スピードウェイ周辺には、日帰り温泉施設が複数あるため、お風呂に関しては、そちらを利用すればよいだろう。ちなみに、仮眠室を持つ日帰り温泉もあるが、5月のSUPER GTの際は、レース取材後訪れたせいかいっぱいだった。改めてSUPER GTの人気の高さを確認したしだいだ。

 なお、今年の猛暑は記録的なものとなっているが、富士スピードウェイのある富士山周辺は天候の変わりやすい場所として知られている。車の中に宿泊するとしても、テントに宿泊するとしても、それなりの装備をしておいていただきたい。

 FUJI GT 300km RACEでは、予選日のイベントとして映画の上映のほか、新日本プロレスの公式戦、子供連れのファミリーを対象にしたピットウォークが観戦券だけで楽しめる。パドックパスを購入すれば、SUPER GTマシンを間近で見られるオープンピット(公開車検)を楽しむことも可能だ。

 レースに行くのなら、ぜひ予選日、決勝日ともにサーキットに行き、なおかつサーキット内に宿泊することで、SUPER GTを120%楽しんでいただきたい。

タイガーマスクも登場する新日本プロレスの公式戦子供連れであれば、観戦券だけでGTキッズウォークに参加可能別途パドックパスが必要なものの、GTマシンを間近で見られるオープンピット。予選日の7時30分(予定)と朝早いため、観客も少なくお勧めのイベント

(笠原一輝)
2010年 9月 1日