パナソニック、「旅ナビ」を発表会で触ってきた
ガイドブックデータをフル活用して旅がもっとおもしろくなる

シンガーソングライターの河島翔馬と舞妓さんも「旅ナビ」をPR

2010年9月7日発表
オープンプライス(店頭予想価格:6万円前後の見込み)



 パナソニックは9月7日、徒歩でのナビゲーション機能や観光ガイド情報、カメラなどを内蔵したポータブルSDトラベルナビゲーション「旅ナビ」(SG500)の発表会を開催した。会場には全国を旅しながら音楽創作活動をしているシンガーソングライターの河島翔馬氏や京都からは舞妓さんも来場し旅ナビをPRした。

パナソニック株式会社オートモーティブシステムズ社 ビジネスユニット長 木村真人氏

 発表会では、パナソニック株式会社オートモーティブシステムズ社 ビジネスユニット長 木村真人氏が商品の紹介を行った。木村氏は高速道路の特別割引や無料化によって、クルマを使って旅に出かける人が増えていると述べ、特に年間の旅行回数はシニア層が多いとして、新型ナビを、こうした旅行好きのシニア層をサポートする新しいタイプのナビだと発表した。

高速道路の割引で大型連休の交通量は増加。大型連休は約7割がクルマで旅行するとのこと年間の宿泊旅行の回数は、シニア層が一番多い

 「旅ナビ」は、従来のポータブルカーナビに電子コンパスを内蔵し、旅行先を徒歩で散策しているときにもルート案内を可能としたもの。さらに昭文社の「MAPPLEガイド」約100冊分の観光スポットデータを収録。全国47都道府県 約8万件のスポットデータの中から、行きたい場所をガイドブックで探す感覚で選んで旅行プランを立てたり、旅先で現在地周辺の観光スポットやグルメスポットを検索、ルート案内したりすることができる。価格はオープンプライスで、10月8日より家電販売店やカー用品店で発売。店頭予想価格は6万円前後の見込みだ。発表会では実際に商品に触れることができたので、その詳細をレポートする。

iPhoneよりは大きくiPadよりは小さいサイズ。手提げカバンにもすっきり収まるサイズだ裏面にはカメラがある外部にあるボタンは電源ボタンだけ。あとはタッチパネルで操作する
側面には電源やイヤホンなどに加えSDカードスロットがある。標準で装備する4GBのSDカードにはガイドブックデータなどが収まる。カメラで撮影したデータもこのSDカードに記録される底面にあるマイクロSDカードスロット。ここに地図データを収録した8GBのカードが収まっているワンセグチューナー用の伸縮アンテナ

 このナビの一番の特徴は、旅行ガイドブックから行きたい場所を探すように、ガイドブックデータから旅行のスポットを検索できることだ。各都道府県ごとのガイドブックデータを選んだら、エリアやジャンル、あるいはオススメスポットなどから好みのスポットを検索できる。スポットデータにはガイドブックと同様にその施設の詳細情報も収録されている。

 また、書籍に付箋を付けるように、気になったスポット情報に付箋でマークを付けることも可能だ。付箋は1000個所まで登録可能、色は3色から選べるので、優先度などで付箋を使い分けることができる。

46都道府県のガイドブックからレジャースポットを検索できる
スポットの詳細情報が見られ、気に入ったら付箋も付けられる。さらに近くのスポットを続けて検索することもできる

 付箋を付けたスポット情報を集めて旅行プランを作成することもできる。スポットを集めて回る順番を決めれば、それでナビの設定は完了だ。この旅行プランは5件まで登録しておけるので、自宅でプランを練っておくといった使い方ができる。

 また、ガイドブック情報は付属の4GBのSDカードに収録されるが、インターネットを使ってガイドブック情報の追加購入や更新が可能だ。

付箋を付けた施設を巡る旅行プランも建てられる。出発地とスポットと回る順番を選ぶだけでよいスポットデータはダウンロードして追加することもできる

 カメラを内蔵しているのも旅ナビの特徴。約200万画素のカメラを内蔵し、このカメラで撮影した画像にはGPSによる位置情報が付加される。そのため、後からその写真を撮った場所を地図上で確認するといった使い方もできる。このナビがそのまま旅行の思い出まで記録してくれるのだ。

内蔵カメラで記念撮影もできる撮影した写真の閲覧も可能
写真を選べば、その写真を撮影した場所を地図上に表示することもできる

 さらにカメラを使った機能として「何これカメラ」機能も搭載。これは近くの建物などにカメラを向けてシャッターを切ると、GPSによる位置情報と電子コンパス情報から、その方向にある施設情報を表示するというもの。近くにある施設の名前や情報が知りたいときに重宝する。ただし、その施設の情報が収録されていなかった場合や、それよりも近くにスポット情報があった場合、異なる情報が表示されてしまう場合もある。

 実際に使ってみたところ、カメラで撮った画像を認識して判断しているわけではないので、たとえば手前に障害物があっても方向さえあっていれば情報が表示されることもあるし、またスポットに近すぎると、どちらを向いて撮っても同じ情報が表示されることもあった。しかし旅先の楽しみがひとつ増えることは間違いなさそうだ。

日比谷公会堂にカメラを向けてシャッターを切ると日比谷公会堂の情報が表示される。画像は登録されていなかった帝国劇場に向けてシャッターを切る。バスの中から狙ったため劇場自体はほとんど写っていないが、GPS情報からきちんと情報を表示してくれた

 また、このカメラを使ったもう一つの機能として「街並みスコープ」という機能もある。このモードにして街並みを写すと、写した方向にある施設や地形、ランドマークなどの名称と距離がモニター上に映像と重ねて表示される。スポット情報は最大100km先まで表示可能なので、都心から富士山の方向を知ることもできるわけだ。

街並みスコープで景色を見るとその方向のランドマークなどの情報を表示するあくまでその方向にあるものなので、写っている建物の名称を表示するとは限らない画面右上の遠くボタンを押すと、より遠くのランドマーク情報も表示できるようになる

 キットには車載用の吸盤スタンドなども付属し、カーナビとして使用できるのはもちろん、取り外してポータブルナビとしても利用できる。歩行モード(おでかけウォーク)を選べば、内蔵の電子コンパスを使って自分の向いている方向をナビに反映する。歩行モード時は縦画面表示にも対応、本体を縦に持てば自動的に縦画面表示へと切り替わる。

 歩行モードでのナビの途中で休憩や食事をしたくなったときには、周辺スポット検索ボタンを押すと、周辺のガイドブック情報を検索して、そのままそこに寄り道することもできる。ポータブル時は内蔵のリチウムイオンバッテリーで駆動し、通常で約2時間40分、省電力モードでは約6時間の連続使用が可能だと言う。

カーナビ使用時は電子コンパスは使わずGPSで進行方向を判別する。レーンガイドや到着予想時刻などカーナビとしての使い勝手もよさそう拡大表示ワンタッチで迂回ルートも検索できる
ハイウェイ表示出口はイラストで案内する3D表示や2画面表示なども選択可能
おでかけウォークを選べば徒歩モードでのルート案内が可能徒歩モードではアイコンが人間になるほか、レーンガイド表示などがなくなる縦に持てば縦画面表示に自動で切り替わる。自分の向きは電子コンパスで判断してくれる
周辺スポットボタンを押せば、周辺のガイドブック情報をジャンルから検索できるそのジャンルのスポットを地図上に表示
地図上でスポットを選ぶと詳細を表示そのまま目的地にしたり立ち寄り地にしたりできる

 地図データは8GBのマイクロSDHCカードに住所約3700万件を収録。電話帳検索はタウンページ約880万件と個人宅約2070万件に対応し、地図データは10m縮図の全国1006都市市街地図を収録。高速道路や有料道路は2010年4月開通分まで収録する。これら地図データの更新はSDカードかインターネットによる配信で行われるとのこと。

 ワンセグチューナーも内蔵し、録画機能も備える。MP3/WMA再生のほか、「ディーガ」や「ビエラ」の番組持ち出し機能と連携した動画の再生も可能となっている。

ワンセグ放送のほか、SDカードに収録したビデオや音楽、写真を楽しむこともできる

 本体寸法は152×92×18.5mm(幅×高さ×奥行)で主さは249g。書籍のマピオンがおよそ1冊350gとのことだから、いままでガイドブック片手に旅行していたより軽く済むということ。液晶ディスプレイは5V型ワイドで272×480ピクセル。タッチパネルは抵抗感圧式アナログタイプなので、少し強く押すような印象だ。

 今までのカーナビが目的地に行くための道案内ツールだったのに対し、旅行のプランニングや、目的地に着いてからも楽しめるこの旅ナビ。画面も大きめなので、行った先でみんなで散策プランを立てるなど、旅の楽しみ方に新しい選択肢を加えてくれそうだ。

(瀬戸 学)
2010年 9月 8日