オートバックス、既存店改革の実験店舗を9月23日オープン
環境配慮も行われた「オートバックス大和郡山」

オートバックス大和郡山

2010年9月23日オープン



 オートバックスグループをフランチャイズ展開するオートバックスセブンは、既存店改革の実験店舗となる「オートバックス大和郡山」(奈良県大和郡山市小林町西3-6-1)を9月23日にオープンする。運営は、フランチャイジーである、オートバックスセブン100%子会社のオートバックス大和が行う。

 このオートバックス大和郡山は、1987年にオープンした「オートバックスいかるが店」を移転し、リニューアルオープンするもので、売り場面積は320m2(96坪)から662m2(200坪)へ倍増し、整備・点検などを行うピットエリアも4台から11台へと大幅に増やしている。立地条件も、名阪国道の国道25号と奈良県道108号、249号の交差点にあり、交通量の多い場所になる。店舗オープンに先立つ9月17日、報道陣や関係者向けに新店舗説明会が同店舗で開催された。

 オートバックスセブン 店舗モデル構築担当執行役員 藤原伸一氏は、このオートバックス大和郡山を、昨年から千葉・幕張の「オートバックス千葉幕張」から開始した既存店改革の流れの中にあると説明。2010年度内にオートバックス397店舗の内、144店舗をこの既存店改革タイプのものにしていくと言い、大和郡山は30店舗目になる(奈良県内のオートバックスとしては初)。

 この既存店改革実験店舗の特徴は、従来のオートバックスよりも「買いやすさ」を追求していること。訪れた客が店舗に入りやすいよう、ガラスを広く取った入り口、ピットの作業が見えるような工夫、そして売り場においては相談カウンターやレジなどを一目で分かる場所に集中させることで、クルマ好きだけでなく、主婦層のメンテナンス需要にも応えていく。

 従来のオートバックスいかるが店では、タイヤ販売に強かったとのことだが、リニューアルした大和郡山では、タイヤの屋外展示を控えめにしてまで、入り口の分かりやすさにこだわったと言う。ただし、タイヤの在庫は豊富にしており、タイヤの取りそろえには自信があるとのこと。

オートバックスセブン 店舗モデル構築担当執行役員 藤原伸一氏実験店舗のコンセプト。「買いやすさ」を追求するための工夫がなされている店内のデザインも、これまでのオートバックス店舗と異なるものを採用
オートバックス大和郡山の入口。ガラスを使い、明るいイメージを演出これまでのオートバックスでは、入口近くに多くのタイヤを山積みしていたが、控えめにしているとのこと店内に入ると、真っ先に目に入るのがピットエリア
ピットエリアとの仕切りにもガラスをふんだんに使うことで、来店客との一体感を高める多くのオートバックスと同様、店舗は2階にある。1階から2階へ向かう通路来店客用エレベーターも設置され、バリアフリーに配慮
店内地図。2階のピット作業受付、レジ、車検・板金受付カウンターがまとめられている一直線に並ぶカウンター。2階に上がると、すぐにこのカウンターが目に飛び込んでくる。来店客をスムーズにサポートしていく店内の案内も、これまでのオートバックスと異なる統一感のあるものになっている
照明には一部LEDが用いられている。単列の照明は蛍光灯だが、複列の照明がLED専門性が高いためか、オーディオ・ナビゲーションカウンターと、タイヤサービスカウンターは別途設けられていた
キッズコーナーは2階にあるカーナビ販売コーナーホイール販売コーナー
オイル販売コーナーエーモン工業の製品がずらりと並ぶ、DIYコーナー。奈良ではDIYユーザーが多いとのこと近辺には輸入車を所有するユーザーが多く、バッテリーの品揃えを工夫してると言う。また、農作業用器具のバッテリーも在庫しているとのこと
2階のトイレは、男性用、女性用のほか、多目的トイレと授乳室を用意
店舗の運営はオートバックス大和が行う。写真は、オートバックス大和の車田昌文社長

 オートバックス大和の車田昌文社長は、立地条件などについて説明。車田社長によると、オートバックス大和郡山の立地条件は、西名阪自動車道の郡山IC(インターチェンジに)にほど近く、乗用車保有率も高いとのこと。とくに、売り場の坪面積が倍増したのは販売上大きな力になるとし、同じく名阪国道沿いにあるカー用品店と激しい争いをしていくことになるとした。

 このオートバックス大和郡山は環境にも配慮しており、太陽光発電パネルの導入、LED照明の一部導入、看板のLED照明化、壁面緑化などが採り入れられている。これにより、従来型店舗と比べ年間の消費電力量を約30%削減している。ただ、その分店舗建設コストは高くなっており、「2割~3割高」(車田社長)と言う。そのほか、オートバックスとしては4店舗目、奈良県内のオートバックスで初となる、電気自動車用充電スタンドの設置も、目立つところだろう。


ピット入口上部に設置されているのが、太陽電池パネル広く明るいピットエリア。11台分のピットが用意される
店頭のタイヤの露出は抑えてはいるものの、在庫を豊富に持ち、来店客の要望に応えていくサイドスリップ検査用のピットピットのジャッキは、すべてフラットタイプだった
吊り上げ用のピットも用意されているタイヤチェンジャーとタイヤバランサーは、2セット設置されていた店舗1階に設けられていた、太陽光発電のモニター。太陽光による発電量が表示されている
駐車場に設けられた電気自動車用充電スタンド。2台まで同時に充電できる
駐車場の自動販売機も太陽電池パネルが取り付けられている。3時間の発電で、3日間の夜間照明電力をまかなえるオートバックス大和郡山のオープンは9月23日。オープニングセールも用意されている

 オートバックスセブンでは、この大和郡山に続き、東京都府中市のオートバックス府中武蔵台店を既存店改革型かつ環境配慮型の実験店舗として2011年3月にオープンする予定だ。この店舗設営にあたっては、大和郡山でのノウハウを採り入れていくと言う。

(編集部:谷川 潔)
2010年 9月 21日