スバル、新型コンパクトカー「トレジア」発表会 スバルのエンジニア陣も開発に従事したトヨタからのOEMモデル |
スバル(富士重工業)は11月29日、同日発売した新型コンパクトカー「TREZIA(トレジア)」の発表会を開催した。
トレジアの商品キーワードは「New Compact Smart Wagon ~スバルからの新しいコンパクトカーの提案~」とし、3990×1695×1585~1605mm(全長×全幅×全高)とコンパクトなボディーに、直列4気筒 DOHC 1.3リッターと直列4気筒 DOHC 1.5リッターの2エンジンを搭載。1.3リッターエンジン搭載車で3モデル、1.5リッター搭載車で8モデルを用意する。
グレード構成は、基本装備を充実させた「i」、上級装備を充実させた「i-L」、スタイリッシュなフォルムを演出した「i-S」を設定したほか、1.5リッターエンジン搭載車には専用装備で走りを楽しめる「TYPE EURO」をラインアップした。各グレードの価格などについては関連記事を参照のこと。
エンジンやサスペンション形状、ユーティリティ性などでラクティスとの違いはないが、エクステリアは伸びやかなワンモーションフォルムとし、フロントまわりにウィングをモチーフにしたグリルを採用するほか、左右に広がるフロントバンパーなどで力強さが表現された。また、リアコンビランプやリアガーニッシュなども変更点となる。
装備面ではi-L以上でパドルシフトや、ステアリングのテレスコ・チルト機構などを備える。
■1.5i TYPE EURO
1.5i TYPE EURO。欧州で鍛え上げたと言う専用サスペンションや、16インチアルミホイールを標準装備するほか、リアをディスクブレーキ化。インテリアではオレンジステッチ入りの専用ファブリックシートが与えられるとともに、専用メーターなどを装備する |
■1.5i-S
1.5i-S |
1.5i-Sのインテリア | ||
1.5i-Sのシートはブラックのハイグレードファブリックを採用する | ||
リアシートは6:4分割可倒式で、インプレッサと同等以上の容量を誇る。5名乗車時のカーゴスペース容量は429Lで、荷室サイズは1005×760×1200mm(荷室幅×荷室長×荷室高) |
■1.5i-L Panorama
1.5i-L Panoramaは電動サンシェード付きのパノラミックガラスルーフを標準装備 |
代表取締役社長 森郁夫氏 |
発表会では、代表取締役社長の森郁夫氏が挨拶したほか、スバル商品企画本部 プロジェクトゼネラルマネージャーの大崎篤氏が商品説明を行った。
森氏ははじめに、トレジアの持つユーティリティ性と環境性能をスバルらしい外観で包み込んだと紹介。トレジアの車名については、たくさんの宝物を積み、たくさんの宝物のような経験をしてもらいたいとの願いを込めて「Treasure(宝物・財宝・富)」を語源とするトレジアと名付けたと言う。
トレジアの投入により、軽自動車、コンパクトカー、水平対向エンジンを搭載する普通車まで幅広くラインアップしたことから、「ユーザーに最適な提案を行いスバル車を一層広めていきたい」と抱負を述べた。
スバル商品企画本部 プロジェクトゼネラルマネージャー 大崎篤氏 |
次に、大崎氏が商品概要の説明を行った。
大崎氏は、近年の自動車の販売台数はゆるやかに減少しているものの、コンパクトカーの販売台数は好調に推移していると言い、トレジアについては「コンパクトカークラスにスバルとして新たな価値を提案する商品」と紹介。
エクステリアは、伸びやかなワンモーションフォルムとタイヤを四隅に配置した安定感のあるプロポーションにより、力強さとたくましさを表現。フロントデザインは、ウイングをモチーフにしたグリル、左右に広がり安定のあるデザインとしたフロントバンパーの造形などにより、存在感のあるデザインを表現したと言う。
インテリアは、3990mmの全長ながら、高効率パッケージによりステーションワゴンのレガシイにも劣らないユーティリティ性と1クラス上の居住性を兼ね備えると言い、カーゴスペースは、リアシートを倒さなくても73cmサイズの大型スーツケース3個分を積載できるとしたほか、ボードをスライドさせることで簡単に積載能力を高められるフレキシブル2段カーゴボードを採用したことを紹介した。
また、インストゥルメントパネル上部にアッパーボックスやオープントレイを設置したほか、ドアトリムにボトルホルダー付きの大型ポケットを装備することで使い勝手も高めたと言う。
最後に大崎氏は、「クルマを取り巻く環境は以前厳しい状況にあるが、そんな時代だからこそ、家族や仲間との経験や体験が宝物になる。トレジアが1人でも多くのユーザーのよきパートナーになることを願ってやまない」と述べ、説明を終えた。
このトレジアは、先に発売したトヨタ自動車の「ラクティス」をベースにしたOEM供給モデル。当初からスバルのエンジニアらも開発に携わってきたと言うが、具体的にどの部分に関わったかは明らかにされなかった。
なお、トレジアの広告キャラクターには玉山鉄二さんを起用し、映画「トップガン」の世界観を表現したCMを、12月1日より展開する。
映画に登場する戦闘機の離陸シーンとクルマの発車シーンを重ね、玉山さんは主演のトム・クルーズ役を演じる。CMソングもトップガンのテーマ曲「Danger Zone」を採用した。
トレジアは映画「トップガン」の世界観を表現したCMを採用 | ||
発表会会場ではCMに登場するマーシャラー(誘導員)によるパフォーマンスも行われた |
(編集部:小林 隆)
2010年 11月 30日