トヨタ、一部車種の生産に大きな遅れも
豊田社長は宮城県を訪問し、復興に向けプリウスなど50台を無償提供

宮城県内の完成車・部品生産工場などを訪問したトヨタ自動車 取締役社長 豊田章男氏

2011年3月29日発表



 トヨタ自動車は3月29日、東日本大震災の発生に伴い、一部車種の生産に大きな遅れが出る可能性があることを明らかにした。

 関連する部品メーカーが被災し、一部部品の調達が困難なことから車両生産にも影響を及ぼしている。同社は現在、部品メーカーの被災状況や在庫部品の確認を行っているところだが、部品生産の復旧には相当程度の期間を必要とする可能性があり、車種によっては生産に大きな影響を受ける可能性があるとしている。

 現在、同社の工場は堤工場とトヨタ自動車九州のみが稼働しており、プリウス、レクサスHS250h、レクサスCT200hの生産は再開しているものの、そのほかの工場は休止している状態が続いている。

 一方、同社取締役社長の豊田章男氏は3月27日、被災地となった宮城県を訪問し、仙台港や系列販売店、完成車および部品の生産工場などを回った。

 豊田氏によれば、被災地の現場を目の当たりにして、あらためて大震災が残したつめ跡の深さ、悲痛さを実感したと言い、これまでと同様、東北でのモノ作りを継続すること、また被災地の復興に向けてできる限りの支援を実施することを明らかにした。

 その一環として、プリウスやカローラなど車両50台を、宮城県内の自治体、団体に無償提供する。

系列販売店で説明を受ける豊田氏プリウスやカローラなど50台を宮城県の自治体、団体に無償提供する

(編集部:小林 隆)
2011年 3月 30日