日産「スクラッチシールド」技術が高級スピーカーに採用 |
日産自動車は7月20日、同社の塗装技術「スクラッチシールド」の材料が、ビフレステックのスピーカー「TGA-1B1/b」に採用されたと発表した。
同スピーカーはタマゴ型キャビネットを採用することで、広い範囲で音場を感じることができるのが特徴。振動板も外側に丸みのある凸型になっており、高い強度が必要なため、軽くて剛性の高いフラーレン/マイカ・ナノコンポジットを素材としている。
しかし素材の軽さは、振動板の振動による音の乱れの元ともなる。そこで、スクラッチシールドの材料「SLIDE-RING MATERIAL」(スライドリング マテリアル)をコーティングすることで、自己振動を抑制した。
スライドリング マテリアルは既存の高分子材料と異なり柔軟なため、伸縮性や制振性に優れる。また、従来の塗料よりも薄く塗ることができるため、軽量なまま制振性を向上させることができた。
スクラッチシールドは、細かな擦傷を自己修復する塗装として、日産車のボディーなどに採用されている。スピーカーに採用された材料は、日産とアドバンスト・ソフトマテリアルズが2006年から共同開発したものを、ライセンスした。日産は異業種への自社技術のライセンスを行っている。
「TGA-1B1/b」の価格はペアで10万5000円。7月20日に発売される。カラーはブラックのみ。
(編集部:田中真一郎)
2011年 7月 20日