悪天候でも盛り上がりを見せた3回目の「ルノースポール・ジャンボリー」

警報が発令されるほどの悪天候の中での開催となった、3回目のルノースポール・ジャンボリー

2011年10月15日開催



 ルノー・ジャポンは、「ルノースポール・ジャンボリー2011」を10月15日に開催した。

 前日夜から降り始めた雨は、イベント当日の夜明けごろに激しさを増すとともに風も強くなり、会場となった富士スピードウェイがある静岡県には警報が発令されるほどで、まさに暴風雨となっていた。東名高速道路を御殿場IC(インターチェンジ)に向かう道中はというと、突風でクルマが数10cm(体感的には数m)横にずれるほどの風と、フロントウィンドーを叩き付ける雨。そして、年に1度のイベントなのにルノー車を数台しか見かけない状態。しかし、記者がイベント開幕の2時間前に会場入りすると、すでに100台近くのルノー車が集まっていた。これだけでルノーオーナーの熱い想いが伝わってきた。

 この「ルノースポール・ジャンボリー」は、ユーザー参加型のサーキットイベントで、今年で3回目の開催。フランス本国から招集されたスペシャルゲストがドライブする「サーキットタクシー」や、タイムトライアルレース「ルノースポールトロフィー」のほか、アクロバットドライブを披露する「ショータイム」、レアグッズをゲットできるじゃんけん大会など、大人から子供まで楽しめる内容となっている。

雨にも関わらず多くのオーナーが集まり、ズラリとオーナーカーが並ぶ。モデルもさまざまだ。タイムトライアルに参加する車両は、走行に備えて空気圧の調整などに抜かりがない
イベント前に挨拶するルノー・ジャポンの大極司COO。スペシャルドライバーは左からニコラ・ナバロ、ジュリアン・ピゲ、フレデリック・ジョエ、ジャン・ラニョッティの4名。ラニョッティは「また日本に来られて嬉しい。ファンの皆さんに楽しんでもらえるような1日にしたい」と語った

今年も参加したラニョッティ氏
 多くのルノーファンにとってこのイベントのお目当ては、フランスからやって来たドライバーたちだろう。中でもWRCをはじめとする数々のラリーやル・マン24時間レースで輝かしい戦績を残したルノー伝説のドライバー、ジャン・ラニョッティ氏は、昨年に引き続きの参加となるが、「ラニョッティのドライブするクルマに乗りたい!」と、サーキットタクシーの当選券を掛けたじゃんけん大会では、熱気を通り越して殺気にも似た空気が流れていた。

 このサーキットタクシーがオーナー向けメインイベントの1つで、ラニョッティのほかにワールドシリーズ・バイ・ルノーで活躍するジュリアン・ピゲ、フレデリック・ジョエ、ニコラ・ナバロがドライブするメガーヌR.S.(ルースポール)で、富士スピードウェイ本コースを同乗体験できるというもの。幸運にもじゃんけんに勝ち同乗走行を体験した人たちは、「Gが凄くて楽しかった」「ラニョッティの横に乗れるなんて夢みたい」と、感動を口々にしていた。スペシャルドライバーたちは、同乗走行終了後に記念撮影やサインに応じるなど、とてもフレンドリーにファンとの交流を楽しんでいた。

サーキットタクシーでは、当選したユーザーを乗せてサーキットをドライブ。走行を終えてクルマを降りるユーザーは口々に感動と興奮を伝えていたのが印象的。ドライバーは気さくに握手やサイン、記念撮影に応じていた

本物のレーシングカーが会場を魅了
 また、ラニョッティをはじめとするドライバーたちはメインストレートを舞台に、メガーヌR.S.でアクロバットドライブを披露。タイヤスモークをあげながらドリフト走行をしたりスピンターンをしたりと、会場を盛り上げる。そして、最終コーナーから爆音とともにメガーヌ・トロフィーのレーシングカーが登場。迫力満点のサウンドと圧倒的なスピードでファンを魅了した。

本場ヨーロッパで開催されているメガーヌ・トロフィーのレーシングカー。世界で50台しか生産されていない。この車両はRENAULT 名古屋東が所有するもので、エンジンをミッドシップ搭載し、ガルウイングドアや大型リアウイングなどを装備。地を這うようなスタイルが迫力満点だ
アクロバットショーでは、ドリフトやスピンターン、縦列走行などを披露。最後にはドライバーがコクピットを離れ、ルーフに立ってパレードラン! 超絶テクニックとパフォーマンスで会場をおおいに盛り上げた

さまざまなスポーツモデルがサーキットを走る
 このほか、アルピーヌ系やゴルディーニ系、ルノー・スポール・バージョン系などをはじめとする、ルノーのスポーツモデルで競われるタイムトライアルレース「ルノースポールトロフィー」では、最新モデルだけでなく、往年のアルピーヌA110や5(サンク)ターボも出走。午前中は悪天候のためトリッキーな路面に苦戦していた人が多かったが、天候が回復した午後にはウェットながらも果敢な走りを披露。それぞれのオーナーがサーキット走行を楽しんでいた。

タイムを競うルノースポールトロフィーには50台の車両が参加。ヘビーウェットの中での走行となったが、コンマ1秒をかけて自分の限界にチャレンジ。「雨の走行は怖かったけれど楽しめた」「納得のいく走りができた」と語るオーナーがいるなど、思い思いにサーキットドライブを楽しんでいるようだった

ラニョッティは来年も参加したい!
 残念ながら雨の中の開催となった今年のルノースポール・ジャンボリーだが、ルノー・ジャポンの大極司COOが「こんな悪天候の中、集まっていただいたルノーファンに力をもらった」と語ると、ラニョッティも「日本のファンに会うために、スケジュールが合えば来年も参加したい」とコメント。

 また、ラニョッティはちょっとしたドライビングテクニックをファンに伝授するとともに、「皆さん、来年までに練習しておいてください。でも公道ではだめだよ」と述べ締めくくった。雨にも負けず集まった日本のルノーファン、その期待に応えたラニョッティをはじめとするドライバーたちが、一体となって楽しんだ内容の濃い1日となった。

サーキットタクシーの当選券とお宝グッズをかけたじゃんけん大会では、一喜一憂するファンの姿が。熱狂的なルノーファンの大人に混じって、子供も参加していた。また、参加者全員にポスターがプレゼントされていた
ルノーオフィシャルショップでは、ミニカーやアパレルグッズのほか純正部品も用意。アウトレット価格のものもあるなど、スペシャルプライスで提供されていた
イベントの最後にはルノースポールトロフィーの表彰式とトークショーを実施。表彰式のプレゼンターはもちろんラニョッティが務めた。トークショーでラニョッティは「好きなルノー車は自分が乗っているラグナ。印象に残っているレースカーは5(サンク)」と語ったほか、ファンの質問にも気さくに答えていた

(リノクリエイティブ)
2011年 10月 18日