国土交通省は10月20日、乗用車の新燃費基準を取りまとめ、発表した。2012年春頃をめどに、関連法令を改正する。

　「エネルギーの使用の合理化に関する法律」（省エネ法）に基づくもので、対象となるのは「揮発油、軽油又はLPガスを燃料とし、乗車定員10人以下の乗用自動車及び乗車定員11人以上かつ車両総重量3.5t以下の乗用自動車」。

　目標年度は自動車の製品開発サイクルと、現行燃費基準との関係を考慮し、2020年度（平成23年度）とした。燃費目標値は重量別に15に区分され、JC08モードで測定する。

　現在商品化されている自動車のうち、もっとも燃費が優れているものをベースとして、技術開発の見通しなどを踏まえて基準値を作成された「トップランナー基準」が採用されている。

　企業別平均燃費基準方式（CAFE方式）を採用しており、メーカーが出荷した車両全体の燃費で測定される。この方式では、ある重量区分で目標値をクリアできなくても、ほかの区分で目標値を上回ることで相殺し、基準を達成したとみなされる。そのため、メーカーは得意な重量区分に技術開発を集中でき、全体として燃費を向上させることが期待できる。

　重量区分と目標値は次のとおり。

　これにより、2009年の実績値が16.3km/Lだったのに対し、2020年度は20.3km/Lとなり、24.1％の改善が見込まれる。