スバル、「インプレッサ」をフルモデルチェンジ 全長、全幅をそのままに車内空間を拡大 |
インプレッサ G4 |
スバル(富士重工業)は、インプレッサシリーズをフルモデルチェンジし12月20日より発売する。5ドアの「インプレッサ スポーツ」と4ドアの「インプレッサ G4」のボディータイプがあり、エンジンは1.6リッターモデルと2.0リッターモデルをラインアップ。2.0リッターモデルにはEyeSight(Ver.2)付きモデルも用意する。価格は1,544,000円~2,331,000円。
車種名 | グレード | エンジン | 駆動 | 変速機 | 価格 |
インプレッサスポーツ | 1.6i | 水平対向4気筒DOHC 1.6リッターエンジン | 2WD(FF) | CVT | 1,544,000円 |
4WD | 5速MT | 1,690,500円 | |||
CVT | 1,743,000円 | ||||
1.6i-L | 2WD(FF) | 1,711,500円 | |||
4WD | 5速MT | 1,848,000円 | |||
CVT | 1,921,500円 | ||||
2.0i | 水平対向4気筒DOHC 2.0リッターエンジン | 2WD(FF) | 1,858,500円 | ||
4WD | 2,089,500円 | ||||
2.0i EyeSight | 2,194,500円 | ||||
2.0i-S | 2WD(FF) | 1,995,000円 | |||
4WD | 2,226,000円 | ||||
2.0i-S EyeSight | 2,331,000円 | ||||
インプレッサ G4 | 1.6i | 水平対向4気筒DOHC 1.6リッターエンジン | 2WD(FF) | CVT | 1,544,000円 |
4WD | 5速MT | 1,690,500円 | |||
CVT | 1,743,000円 | ||||
1.6i-L | 2WD(FF) | 1,711,500円 | |||
4WD | 5速MT | 1,848,000円 | |||
CVT | 1,921,500円 | ||||
2.0i | 水平対向4気筒DOHC 2.0リッターエンジン | 2WD(FF) | 1,858,500円 | ||
4WD | 2,089,500円 | ||||
2.0i EyeSight | 2,194,500円 | ||||
2.0i-S | 2WD(FF) | 1,995,000円 | |||
4WD | 2,226,000円 | ||||
2.0i-S EyeSight | 2,331,000円 |
New Value Classを実現する3つの要素 |
新型インプレッサは、走りの気持ちよさと環境性能のさらなる向上をテーマに、これまでのクラス観を打ち破る「New Value Class」として開発したもの。
スポーツ 1.6i | ||
スポーツ 1.6i-L | ||
スポーツ 2.0i | ||
スポーツ 2.0i-S | ||
G4 1.6i | ||
G4 1.6i-L | ||
G4 2.0i | ||
G4 2.0i-S |
■エクステリア&インテリア
エクステリアは、存在感のあるフロントマスクとインプレッサらしい軽快感を表現したスタイリッシュなデザイン。ホークアイヘッドランプやヘキサゴングリル、特徴的なホイールアーチなど、スバル車らしさを強調している。
ボディーサイズは5ドアのスポーツで4,415×1,740×1,465mm(全長×全幅×全高)。4ドアのG4では全長が165mm長い4,580mmとなる。これは従来のモデルと比べて、全長、全幅は同じながら全高が10mm下がったサイズとなる。車重は最も軽い1.6-iの2WDのCVTモデルが1250kg、最も重い2.0i/2.0i-Sの4WDモデルが1,340kgとなる。
Aピラーの下端を前方へ200mm延長することで前方の視界を確保。ホイールベースを25mm拡大し、加えてドア構造を見直すことにより、全長・全幅はそのままに、室内スペースを拡大している。4ドアモデルではトランクスペースを拡大。また、6:4分割可倒式の後席により、トランクスルーも実現し、ユーティリティ性能も向上している。5ドアモデルでは、スペアタイヤを廃しパンク修理キットとすることで、荷室床面の高さを下げ室内高を拡大。加えてサブトランクも追加している。
インテリアでは、水平基調のインパネにより広がり感を持たせ、レザー、メタル、ファブリックなどの素材にこだわり、触感で感じる上質感を演出している。また、センターには車両の走行状態などを表示するマルチファンクションディスプレイを採用。エコドライブをアシストする表示や、EyeSightによる全車速追従クルーズコントロールの作動状況、VDC(横滑り防止装置)の作動状況などを表示する。
ステアリングはスポーティな3本スポークタイプで、スイッチ類の操作性も高めている。また、フロントシートはバックレスト上端を60mm高めることで、より安心感のあるものとしている。加えて全席ともヒップポイントを高めることで、見晴らしや開放感の向上と、乗降性のアップを図っている。
■新世代のFB型エンジンと新開発のCVT
エンジンは新世代のFB型ボクサーエンジンを採用。排気量は1.6リッターと2.0リッターをラインアップする。1.6リッターエンジンは、従来の1.5リッターからの拡大となるが、排気量アップにより全域でのトルクアップを実現。最高出力は4kW(5PS)アップの85kW(115PS)/5600rpm、最大トルクは4Nm(0.4kgm)アップの148Nm(15.1kgm)/4000rpmとなり、2.0リッターからのダウンサイジングとしても、遜色のない加速感を実現している。また、燃費性能においては、従来の1.5リッターと比べ、約20%向上している。
2.0リッターエンジンは、従来の2.0リッターエンジンと比べ、約27%燃費性能を向上。最高出力では7kW(10PS)アップの110kW(150PS)/6200rpm、最大トルクは10Nm(1.0kgm)アップの196Nm(20.0kgm)/4200rpmを発生する。特に中低速域のトルクを向上することで、従来の2.5リッター並の加速性能と、レスポンスのよいエンジンとしている。
組み合わされるトランスミッションは、新開発のリニアトロニックCVTを採用。現行のレガシィでも使われるチェーン式とすることで、軽量コンパクト、かつレシオカバレージも広く、ドライバビリティと燃費性能を高めている。また、2.0リッターモデルには、パドルシフトによる6速MTモードも備える。
燃費性能向上のため、1.6i-L、2.0i、2.0i EyeSight、2.0i-S、2.0i-S EyeSightにアイドリングストップも搭載。通常、エンジンを停止してから次に再始動するまでには、一度エンジン回転が完全に止まる必要があるが、リニアトロニックCVT車にはタンデムソレノイドを搭載したスターターを採用。これによりエンジンが止まりきっていなくても再始動を可能としている。
FB型ボクサーエンジンを採用 | 1.6リッターエンジン性能曲線 | 2.0リッターエンジン性能曲線 |
新開発のリニアトロニックCVT | レガシィに搭載されていた物より耐久トルクを下げることで小型・軽量化を実現 | 従来型4速ATとのレシオカバレージの比較 |
アイドリングストップの作動状態 | アイドリングストップ直後でも0.2秒で再クランキングが可能 | アイドリングストップ作動イメージ |
■シャシー&ボディー
SIシャシーはクロスメンバーなど要所の剛性アップやセッティングの最適化により、路面の凹凸を吸収しながらもリニアに反応するハンドリング性能と、安心感のある乗り心地を実現している。スタビライザーを大径化し、ストラットにはリバウンドスプリングを採用することで走行安定性を向上。前後ともにダンパーは高応答性タイプを採用し、レスポンスを向上している。
ダブルウィッシュボーン式リアサスペンションは、ラテラルリンクの外側ブッシュをピロボール化し、直進安定性を向上。ピニオンアシスト式の電動パワーステアリングは、燃費性能を向上するとともに、きめ細やかなモーター制御により、自然な操舵フィールを実現している。
ボディーは、高張力鋼板のグレードを上げ、採用を拡大。さらに要所に補剛を施すことで、レスポンスや剛性感を向上している。リアサブフレームにスティフナーを追加し、ねじり剛性を向上することで、リアの追従性をアップ。インシュレーターを最適に配置することで高い静粛性を実現している。
サスペンションイメージ | フロントサスペンション | |
リアサスペンション | 高張力鋼板の採用箇所 |
■EyeSight搭載モデルも同時ラインアップ
2.0リッターモデルには、ステレオカメラによる安全運転支援システムであるEyeSight(Ver.2)搭載車をラインアップ。また、ピラーを細くしたり、ドアミラーをドアパネルにマウントしたりすることで、死角を低減。全車に標準装備されるVDCは、介入のタイミングを最適化することで、走る楽しさと安全性を両立し、また、ブレーキアシストも追加している。
パッシブセーフティとしては、骨格を見直し、全方位で高い衝突安全性を実現。フロントフードとバルクヘッドに、衝撃吸収構造を積極的に採用。剛性を確保しつつも高い歩行者保護性能を持たせている。
EyeSightのステレオカメラ | EyeSightによる全車速追従クルーズコントロール。レガシィと異なり停止保持機能はない | EyeSightによるプリクラッシュブレーキ作動イメージ |
全方位で高い衝突安全性を実現したボディー | 前面衝突時にはエンジンが下に落ちる構造のため、車内空間が確保できる | エアバッグイメージ |
■1.6リッターモデルで20km/Lの低燃費
空力性能の向上や、徹底した軽量化、新世代エンジンやアイドリングストップなどにより、環境性能を向上。1.6リッターのCVT、アイドリングストップ付きモデルで20km/L(10・15モード)、17.6km/L(JC08モード)、2.0リッターのCVT、アイドリングストップ付きモデルで18.2km/L(10・15モード)、17.2km/L(JC08モード)を達成し、アイドリングストップ搭載のCVTモデルでは、4WDにおいても2015年燃費基準を達成している。
■フォトギャラリー
(瀬戸 学)
2011年 11月 30日