テスラ、CTO ジェービー・ストローベル氏による技術説明会
「テスラは、EVの進化を進めていくのが使命」

テスラモーターズ CTO ジェービー・ストローベル氏

2012年3月1日開催



 テスラモーターズは3月1日、同社のCTO(最高技術責任者)であるジェービー・ストローベル氏が来日したのにあわせ、技術説明会を開催した。

 同社は、2月9日に3車種目のEV(電気自動車)となる「モデルX」を発表。この説明会ではモデルXに限らず、同社の方向性などが語られた。

 ストローベル氏は、「テスラは、交通運輸の分野における持続可能性を追求しており、EVの進化を進めていくことが我々の使命だと思っている」「これは、テスラのEVに限ったことではなく、パートナーであるトヨタ自動車、ダイムラーに対してもバッテリーやモーターを供給しており、EV業界全体に貢献していきたいと思っている」と語り、テスラがEVの未来を切り開くために注力していると言う。

 テスラの強みは、バッテリー、モーター、パワーエレクトロニクスをはじめとする、EVのパワートレーン技術にあり、この分野で200以上の特許を取得。この特許は、パートナーの車両でも活かされており、今年の夏に北米での発売が予定されているトヨタのRAV4 EVへの部品供給も行っている。

テスラは交通運輸の分野における持続可能性を追求同社オリジナルのEVを販売するほか、パートナーへ各種の部品を供給テスラのパワートレーン。EVの分野において200以上の特許を持つ

 同社の車種に限れば、「ロードスター」は世界各国で2000台を販売。ロードスターに続く「モデルS」でも、全世界で9000台の受注を得ており、2012年の供給分については完売となっている。

 とくにこのモデルSは、最初からEVとして設計されており、バッテリーやモーターを底部に集約して、今後の同社のEVのベースとなる新プラットフォームを採用。エンジンやトランスミッション、燃料タンクが必要なガソリンエンジン車と比べ、高い空間利用効率を持っていると言う。

テスラの会社概要トヨタとのパートナーシップについてバッテリーに関しては、パナソニックとも提携する
モデルSの仕様モデルSの予約状況
モデルSのプラットフォーム。底部にバッテリーパックをフラットに配置する

 これは、SUVタイプのモデルXも同様で、モデルSと同様のプラットフォームを使用。さらにこのモデルXでは、フロントとリアにモーターを搭載するデュアルモーター方式を採用したモデルがラインアップする。

 このデュアルモーターにより、前輪と後輪を独立して制御することが可能になり、新しいクルマの運動制御が可能になる。「従来のクルマにも搭載されている駆動力制御のほか、今までにないようなトルクコントロールができ、後輪は駆動しながら、前輪ではエネルギー回生を行うといった使い方も視野に入れている」と言う。このようなソフトウェア制御の開発力がテスラの強みであると言い、駆動制御などモデルXの詳細については秋ごろ発表できるとした。

SUVタイプのモデルX
デュアルモーター仕様のモデルXのシャシーモデルSのシャシーを、モデルXなどさまざまな車種に展開していく

(編集部:谷川 潔)
2012年 3月 6日