UDトラックスは3月12日、同社の大型トラック「Quon（クオン）」シリーズのカーゴCV、CD、CW、CG、CX系長尺車およびトラクタ GK系に、衝突被害軽減ブレーキ「トラフィックアイブレーキ」を標準装備して発売した。価格は1750万7700円～2095万5900円。

　トラフィックアイブレーキは、フロントバンパーに備え付けたミリ波レーダー（1個）で前方車両を監視し、約15km/h以上で衝突回避を支援するとともに、被害軽減を目的とした自動ブレーキシステム。2007年からオプションで設定していたが、標準装備したのは同社として今回が初となる。

　同システムは3段構えでサポートする仕組みとなっており、第1段階では設定した車間距離が一定限度を割り込むと、ウォーニングランプと警報音でドライバーに注意を促す。第2段階ではドライバーが回避操作をしなかった場合に自動ブレーキを作動させ、エンジン出力を抑える。さらに第3段階では衝突を避けられないと判断した場合に、強いブレーキを自動作動させるとともに、衝突時の被害を軽減させる。

　なお、今回発売されるトラフィックアイブレーキ搭載車は、燃料の最大噴射圧力を高圧化して燃焼効率を向上させたエンジンや、幅広いギアレシオを備えたトランスミッションなどの採用により、「平成27年度重量車燃費基準」を達成。

　また、尿素SCR触媒と超高圧燃料噴射などを組み合わせ、NOx（窒素酸化物）やPM（粒子状物質）を低減するシステム「FLENDS（フレンズ）」を搭載し、「ポスト新長期排出ガス規制」にも適合する。さらに、国土交通省の平成21年基準低排出ガス車の認定を受け、エコカー減税により自動車取得税と自動車重量税が50％減税される。