トヨタ、コンパクトになった新型「カローラ アクシオ」「カローラ フィールダー」
11代目は「東北生まれの日本のカローラ」に

新型「カローラ アクシオ」(右)と「カローラ フィールダー」

2012年5月11日発売
アクシオ:137万7000円~208万9000円
フィールダー:153万2000円~212万円



 トヨタ自動車は5月11日、セダン「カローラ アクシオ」、ワゴン「カローラ フィールダー」をフルモデルチェンジして発売した。価格はアクシオが137万7000円~208万9000円、フィールダーが153万2000円~212万円。生産は東北にあるセントラル自動車 宮城工場が担い、キャッチコピーは「東北生まれの日本のカローラ」。なお、1.5リッターエンジン搭載車の2WD(FF)モデル(Super CVT-i)については、発売が6月11日になる。

アクシオはボディーサイズがコンパクトに
 新型アクシオの登場で、カローラシリーズは10回目のフルモデルチェンジとなる。11代目では、「大人4人が安心・安全・快適に長距離を移動できる最小のクルマ」というカローラの原点に立ち返って開発をしたとし、歴代のカローラシリーズで行われてきたボディーサイズの大型化から、初めてボディーサイズのコンパクト化という方向転換を図った。

アクシオ 1.3X。ボディーサイズは4360×1695×1460mm

モデルエンジン変速機駆動方式価格
1.3X直列4気筒DOHC 1.3リッターCVT2WD(FF)1,395,000円
1.3X Gエディション1,605,000円
1.5X直列4気筒DOHC 1.5リッター5速MT1,377,000円
CVT1,440,000円
4WD1,629,000円
1.5G5速MT2WD(FF)1,587,000円
CVT1,650,000円
4WD1,839,000円
1.5LUXEL2WD(FF)1,900,000円
4WD2,089,000円

 先代アクシオのボディーサイズは4410×1695×1460mm(全長×全幅×全高)だが、新型アクシオでは全長(フロントオーバーハング)を50mm短縮。取り回し性を向上させつつ、着座位置の見直しとシート形状の変更でリアニースペースを40mm、前後座間距離を15mm拡大するとともに、ルーフ形状を変更してフロント席のヘッドクリアランスも10mm広げるなど、室内各所の寸法を徹底的に見直したと言う。

 同時に、フロントウインドーガラス両端をラウンドさせることで、Aピラーを約10mm細くするとともに付け根を後方に移動させたことで、パノラミックな視界を確保。運転のしやすさも高めた。また、リアドアガラスの面積を拡大し、さらにCピラーも細くすることで斜め後方の視界拡大にも努めた。

 エクステリアデザインは、外形をコンパクト化しつつ、セダンらしいスタイリッシュなデザインと、クラスを越えた車格感を追求している。

 具体的にはフェンダーとエンジンフード先端に厚みを持たせ、塊感のある造形にするとともに、フロントグリルのエンブレムを中心にしたV字型グリルからヘッドランプのつながりを強調するデザインとした。空力性能、エンジン冷却、歩行者保護向上の観点からフロントバンパー開口部の大型化も行われている。

 また、リアビューでは水平基調で勢いのあるサイドビューからの流れを、トランクエンドを含めたS字のコーナーラインで受け止める形状にすることで、強さと張りのある造形を強調。ドアミラーの付け根とリアテールランプには、カムリで初採用した空力性能を高める小さなフィンを装着している。

 ボディーカラーはアクシオ専用設定のメローシルバーメタリックをはじめ、スーパーホワイトII、ホワイトパールクリスタルシャイン、シルバーメタリック、ブラックマイカ、ブラッキッシュレッドマイカ、ダークブルーマイカの全7色を設定する。

 インテリアカラーはベージュ、グレーの2色。

アクシオ 1.3Xは直列4気筒DOHC 1.3リッターの「1NR-FE」を搭載。最高出力は70kW(95PS)/6000rpm、最大トルクは121Nm(12.3kgm)/4000rpmを発生する
インテリアカラーはグレー。着座位置の見直しとシート形状の変更によりリアニースペースを40mm、前後座間距離を15mm拡大するなど居住性を高めている

 アクシオが搭載するエンジンは、直列4気筒DOHC 1.5リッターの「1NZ-FE」に加え、先代になかった直列4気筒DOHC 1.3リッターの「1NR-FE」が、新たにラインアップした。

 1NR-FEは、吸気・排気ともにバルブの開閉タイミングを最適にコントロールする「Dual VVT-i」(連続可変バルブタイミング機構)を採用し、低中速域でのトルクと高速域での出力向上を両立するとともに、低燃費性とCO2排出量の低減にも寄与している。1NR-FEエンジンを搭載する1.3Xでは、JC08モード燃費20.6km/Lとしている。

 また、先代から搭載される1NZ-FEは燃焼改善、低フリクション化などが行われ、出力・トルク特性を維持しつつ、低燃費性能を高めた。1NZ-FEを搭載する1.5LUXEL、1.5G(2WD/CVT)、1.5X(2WD/CVT)のJC08モード燃費は20.0km/L。2WD車と4WD車で最高出力・最大トルクが若干異なる。

 なお、1.5LUXEL、1.5G(2WD/CVT)、1.5X(2WD/CVT)はオプションでアイドリングストップ機能を搭載することが可能で、同機能を搭載した場合のJC08モード燃費は21.4km/Lとなる。

 トランスミッションは、先代アクシオ/フィールダーで採用されていたSuper CVT-iに改良を加え、高効率化と変速ショックの少ない加速、高いレスポンス性を特徴としており、車両のGセンサーから減速度や旋回力を判断し、コーナリング中の不要なシフトアップを抑制する「G AI(Artificial Intelligence)-SHIFT」を採用した。

 そのほか、安全装備面の強化も図られており、横滑り防止装置のVSC(ビークルスタビリティコントロール)、TRC(トラクションコントロ-ル)を全車標準装備する。

アクシオ1.5LUXEL(メローシルバーメタリック)。搭載するエンジンは直列4気筒DOHC 1.5リッターの「1NZ-FE」で、最高出力80kW(109PS)/6000rpm、最大トルク136Nm(13.9kgm)/4800rpmを発生
アクシオ1.5LUXELのインテリア。カラーはベージュ。運転席ベンチレーション&ヒーター付きシートを設定するほか、リアシートは6:4分割可倒式(トランクスルー機能付き)や上下調整式リアヘッドレストを装備
アクシオ1.5LUXELにのみ装備されるマルチインフォメーションディスプレイ。走行時間、航続可能距離、平均燃費、外気温などのほか、アイドリングストップ機構を搭載する1.5LUXELはアイドリングストップ作動時間とエコドライブインジケーターゾーン表示も表示
モデリスタ製用品装着車。ベースは1.5X(2WD/FF)

アクシオ諸元


1.5G1.3X1.5LUXEL
駆動方式2WD(FF)4WD
トランスミッションCVT
乗車定員5名
全長×全幅×全高4360×1695×1460mm4360×1695×1485mm
ホイールベース2600mm
トレッド(前/後)1480/1470mm1480/1475mm
重量1090kg1050kg1200kg
エンジン直列4気筒DOHC 1.5リッター「1NZ-FE」直列4気筒DOHC 1.3リッター「1NR-FE」直列4気筒DOHC 1.5リッター「1NZ-FE」
エンジン最高出力80kW(109PS)/6000rpm70kW(95PS)/6000rpm76kW(103PS)/6000rpm
エンジン最大トルク136Nm(13.9kgm)/4800rpm121Nm(12.3kgm)/4000rpm132Nm(13.5kgm)/4400rpm
JC08モード燃費20.0km/L20.6km/L16.0km/L
サスペンション(前/後)マクファーソンストラット/トーションビーム
ブレーキ(前/後)ベンチレーテッドディスク/リーディングトレーリング式ドラム

よりダイナミックなデザインになったフィールダー
 ワゴンモデルのフィールダーも、アクシオと同様にボディーサイズのコンパクト化が図られており、先代の4420×1695×1480mm(全長×全幅×全高)から、60mm短く、5mm低くなった(2WDの1.5G/1.5X)。

フィールダー 1.8Sエアロツアラー。ボディーサイズは4360×1695×1465mm(全長×全幅×全高)で、カラーはダークバイオレッドマイカメタリック

モデルエンジン変速機駆動方式価格
1.5X直列4気筒DOHC 1.5リッター5速MT2WD(FF)1,532,000円
CVT1,595,000円
4WD1,784,000円
1.5G5速MT2WD(FF)1,672,000円
CVT1,735,000円
4WD1,924,000円
1.5Gエアロツアラー5速MT2WD(FF)1,767,000円
CVT1,830,000円
4WD2,019,000円
1.8S直列4気筒DOHC 1.8リッター2WD(FF)2,025,000円
1.8Sエアロツアラー2,120,000円

 その一方でリアニースペースは40mm拡大され、さらにラゲッジスペースは90mm長くなるなど、ワゴンならではの使い勝手を高めた。

 エクステリアデザインは、運転のしやすさや室内の広さ感という「合理性」と、アクティブなカーライフをイメージさせる「若々しさ」の両立を図ったと言う。

 ショートノーズ、ロングキャビンのシルエットに加え、ベルトライン後方をキックアップさせることで後方への勢いを表現するとともに、Dピラーの傾斜を強めたキャビンと、後方への抜けのよいアンダーボディーの立体構成により、ワゴンらしい造形を追求した。また同社初となる樹脂製のバックドアを採用して軽量化も行っており、バックドアの開閉のしやすさにも寄与している。

 ボディーカラーは、新たにスーパーレッドV、ダークバイオレットマイカメタリックを追加するとともに、スーパーホワイトII、シルバーメタリック、ブラックマイカ、ブロンズマイカメタリック、ブルーメタリックの全7色を設定する。

フィールダー 1.8Sエアロツアラーは最高出力103kW(140PS)/6200rpm、最大トルク172Nm(17.5kgm)/4000rpmを発生する直列4気筒DOHC 1.8リッターの「2ZR-FAE」を搭載。エクステリアではフロント、サイド、リアに専用のアンダースポイラーとともに、専用スモーク色ヘッドランプ・リアコンビネーションランプを装備
フィールダー 1.8Sエアロツアラーのインテリア。カラーはブラック
ラゲッジスペースは970×1510×795mm(荷室長×荷室幅×荷室高)で、先代と比べ90mm長く、109mm広く、49mm高くなり、容量は407Lとなる。リアシートを倒せば荷室長は2025mmとなり、容量は872Lまで広がる

 インテリアはアクシオと同様に、広くて使いやすい、かつシックでスタイリッシュなデザインを目指しており、先代からインパネの左右端を各30mm拡大するとともに、紡錘形のデザインとすることで広さ感を強調する仕上がりとなった。

 ラゲッジスペースでは、先に触れたとおりスペースの拡大が図られており、5名乗車時のサイズは970×1510×795mm(荷室長×荷室幅×荷室高)。先代と比べ90mm長く、109mm広く、49mm高くなり、容量は407Lを確保。リアシートを倒せば、荷室長は2025mm(先代比+410mm)となり、容量は872Lまで広がる。

 グレードについては、直列4気筒DOHC 1.8リッターの「2ZR-FAE」を搭載する1.8S(2WDのみ)、直列4気筒DOHC 1.5リッターの「1NZ-FE」を搭載する1.5G、1.5Xに2WDと4WDをラインアップ。

 先代フィールダーでも搭載する2ZR-FAEはバルブマチックを改良してポンピングロスを低減するとともに、エンジン各部の低フリクション化を実施。1.8SのJC08モード燃費は16.6km/Lとしている。

 また、オプション設定のアイドリングストップ機構は、1.5G(2WD/CVT)と1.5X(2WD/CVT)に装着可能となっている。

フィールダー 1.5X(ダークバイオレッドマイカメタリック)は直列4気筒DOHC 1.5リッターの「1NZ-FE」を搭載。インテリアカラーはブラック
フィールダー 1.5Gのモデリスタ用品装着車

フィールダー諸元


1.8S1.5G1.5X
駆動方式2WD(FF)4WD
トランスミッションCVT
乗車定員5名
全長×全幅×全高4360×1695×1465mm4360×1695×1475mm4360×1695×1500mm
ホイールベース2600mm
トレッド(前/後)1470/1465mm1480/1475mm
重量1160kg1140kg1200kg
エンジン直列4気筒DOHC 1.8リッター「2ZR-FAE」直列4気筒DOHC 1.5リッター「1NZ-FE」
エンジン最高出力103kW(140PS)/6200rpm80kW(109PS)/6000rpm76kW(103PS)/6000rpm
エンジン最大トルク172Nm(17.5kgm)/4000rpm136Nm(13.9kgm)/4800rpm132Nm(13.5kgm)/4400rpm
JC08モード燃費16.6km/L19.6km/L16.0km/L
サスペンション(前/後)マクファーソンストラット/トーションビーム
ブレーキ(前/後)ベンチレーテッドディスク/リーディングトレーリング式ドラム

(編集部:小林 隆/Photo:堤晋一)
2012年 5月 11日