ビー・エム・ダブリューは6月5日、「6シリーズ グラン クーペ」を発売、同日、都内で報道関係者向けの発表会を開催した。納車は「640i グラン クーペ」が6月中旬から、「650i グラン クーペ」が10月から。

　2ドアクーペとカブリオレが用意されているラグジュアリーカー「6シリーズ」の、新たなバリエーション。4枚のドアと5座のシートを持つ3ボックスサルーンだが、車高を抑えたワイド＆ローのフォルムに、クーペライクなルーフラインを与え、サルーンの機能性とクーペのスタイリングを兼ね備えたモデルとした。

中央に展示された車両は640iのMスポーツパッケージ装着車。専用エアロパーツなどを装備する
ホイールはノーマルが18インチに対して、Mスポーツパッケージでは19インチになる	Cピラーの“ホフマイスターキンク”に「グランクーペ」のロゴが入る	サイドフェンダーのエアアウトレット

LEDのリングとアクセントラインのヘッドライト	L字型テールランプもLED。テールパイプは左右2本出し

　6シリーズ クーペと比較すると、全長とホイールベースを115mm伸ばし、車高を20m高くしており、これにより後席のスペースを確保している。後席は3人がけでシートベルトも3人分用意されているが、中央はセンターコンソール後端が張り出していてレッグルームがなく、センターコンソールをまたいで座る必要があるため、非常用シートとされている。

　パワートレーンはFRレイアウト。エンジンは640iが直列6気筒DOHC直噴3リッターツインスクロールターボ「N55B30A」、650iがV型8気筒DOHC直噴4.4リッターツインターボ「N63B44B」。

　V型8気筒エンジンは新開発。クーペに搭載されている「N63B44A」の進化型で、スペックはほぼ同じだが、無段階可変バルブリフト機構「バルブトロニック」が新たに搭載された。これにより最高出力が300kW（407PS）/5500rpmから330kW（450PS）/5500rpmへ、最大トルクは600Nm（61.2kgm）/1750-4500rpmから650Nm（66.3kgm）/2000-4500rpmへ高められた一方で、燃費が18％改善されたとしている。ただし、650iのJC08モード燃費は未定となっている。

　N55B30Aは3シリーズや5シリーズに搭載されている直列6気筒エンジンと同じ型式だが、最高出力が225kW（306PS）/5800rpmから235kW（320PS）/5800rpmへ、最大トルクが400Nm（40.8kgm）/1200-5000rpmから450Nm（45.9kgm）/1300-4500rpmに強化されたバージョンとなっている。

　このほか、アイドリングストップ機構、4輪操舵システム「インテグレイテッド・アクティブ・ステアリング」、統合車両設定システム「ECO PROモード付ドライビング・パフォーマンス・コントロール」などが装備される。また650iに標準、640iにオプションの装備として電子制御式サスペンション・システム「ダイナミック・ダンピング・コントロール」、ヘッドアップディスプレイが用意される。

こちらはノーマルの640i。ホイールは18インチ

インストルメントパネル中央部がドライバー側を向いたコックピット。ブラック液晶パネルを採用したメーターパネル、10.2インチのインフォテインメントディスプレイ、iDriveコントローラーなどを装備する
シートはダコタレザーが標準。BMW Indivisualによるカスタマイズも可能
リアシートは3人がけだが、中央は緊急用
大型の電動グラスサンルーフはオプション

リアシートは6：4の分割可倒式。バッテリーはラゲッジルーム床下に積まれる		3リッター直列6気筒直噴ツインスクロールターボエンジン
内装のバリエーション

発表会では、金環蝕となった太陽の下からグラン クーペが現れるという演出

初代6シリーズは世界で最も美しいクーペと呼ばれた	グラン クーペは3代目6シリーズのバリエーション	ルーフラインとキャラクターラインがデザインのポイント
新開発V8エンジン	直列6気筒エンジン	全車8速ATとアイドリングストップ機構などを搭載する