NEXCO東日本、「2012サマーフェスティバルin海ほたる」を開催
アクアライン探検や海自特務艇の乗船見学を実施

海上から見た海ほたるPA

2012年8月9日開催



 NEXCO東日本(東日本高速道路)と東京湾横断道路は8月9日、「2012サマーフェスティバルin海ほたる」を開催した。会場は東京湾アクアラインの海ほたるPA(パーキングエリア)。

 2012サマーフェスティバルin海ほたるは、毎年恒例となる事前公募による「アクアライン探検隊」をはじめ、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県による観光情報の紹介や特産品の販売などが行われるイベント。今回は新たに、海ほたるPAに接岸した海上自衛隊の特務艇「はしだて」への乗船見学のほか、首都圏で活躍するミュージシャン達によるサンセットライブ、夜には花火大会も行われた。

集合場所となった技術資料館「うみめがね」館内に展示されているシールドマシンの模型シールドマシンの実機に使われていたビット(爪)

 今年のアクアライン探検隊には8054名の応募があり、そのうち300名が招待された。倍率は約27倍。アクアライン探検隊は普段は立ち入ることのできない東京湾アクアラインの緊急避難通路などを見学でき、今回の探検隊は緊急避難通路を見学後、海上保安庁の巡視艇「あわなみ」に乗船して海上を周遊するコースか、海ほたるPAに停泊中の海上自衛隊特務艇「はしだて」の船内を見学するコースの2コースが用意されていた。

 海上自衛隊の「はしだて」は今回初めて本イベントに参加。特務艇とは国内外の賓客を迎え入れるための迎賓船として開発された船で、広いデッキや設備の整った会議室は、災害派遣時には指揮支援や医療支援などにも対応可能で、昨年の東日本大震災時には現地に派遣され任務についた。

 イベント当日は快晴で、海上のためか気温も27度前後と真夏の首都圏にしては過ごしやすい天候に恵まれた。アクアライン探検隊は各回最大25名のグループに分けられ、海ほたるの地下を探検した。まずは集合場所である資料館「うみめがね」から徒歩で緊急避難通路に向かう。海ほたるの臨時駐車場から見える巨大なトンネルがその入り口だ。このトンネルは将来東京湾アクアラインを拡張する際に利用できるということで、2車線を追加して合計6車線の道路に拡張が可能という。奥に進むと緊急車両を緊急避難通路に通行させるための通路があり、その道を参加者達は歩いて行く。

徒歩で移動開始。なお、海ほたるでは津波に備えて各所に海抜表記をするようになった。津波発生時には海抜27mの位置にある5階に来場者を誘導するという海ほたるの臨時駐車場手前の階段を降りる
緊急避難通路の入り口となるトンネルトンネル入り口のすぐ脇は東京湾アクアラインの下り線が走っている普段は閉鎖されているゲートを開けて入る

 途中の防護扉を何度か通過すると、いよいよ緊急避難通路に到着。緊急避難通路は事故発生時に煙などが進入しないよう内部が加圧されており、防護扉を開けた際に吹き出してくる風圧でそれを体験できる。緊急避難通路に入ると延々と続くかのように見える薄暗い通路を見ながら避難口に到着。東京湾アクアラインのトンネル内には上下線で合計66個所の避難口が設置されているという。見学をしたのはその木更津側にある上り線最初の避難口だ。

奥に行くにつれて徐々に暗くなっていくトンネル内から外を見たところここから緊急避難通路に向かって下っていく
緊急車両通行用の通路を下っていく。通常の消防車では大きすぎてこの通路は通れないため、専用の車両を使って通行することになる2枚目の防護扉を開くと加圧された空気が吹き出してくる防護扉をくぐって奥へ
上り側の緊急避難通路についたずっと奥まで続いているのが分かる
避難口に設置されている非常電話。通話だけでなく事故や火災などを示すマークのついたボタンを押すことで連絡を取ることもできる消火用の水を供給するための配管
避難口の滑り台。非常時には上の道路からこれを使って降りることができる見学が終わると非常階段で外に向かう最上階から見下ろしたところ
長い階段を上りようやく出口に到達海ほたるの屋外に展示されたシールドマシンのカッターフェイスの復元モデルビットの部分は本物を使用している
子供が実際に乗ってサイレンをならしながらマイクでしゃべる体験もできた緊急避難通路を走行可能な小型の緊急車両

 避難口の見学が終わると、180段の避難階段を上って地上にたどり着く。これがなかなかの難関だが、あっという間に息を上げる大人達を尻目に、子供達は元気に階段を駆け上っていた。

 その後、海上自衛隊特務艇「はしだて」の船内を見学するコースもしくは、海上保安庁の巡視艇「あわなみ」に乗船して海上を周遊するコースへ。その模様は以下に写真で紹介する。

はしだてコース

海ほたるの南桟橋に停泊中の海上自衛隊特務艇「はしだて」停泊中のはしだてに乗船して内部を見学できた
はしだて見学中に海上保安庁のヘリが低空でデモ飛行を実施はしだてのブリッジを見学ブリッジの外から海ほたるを望む
ブリッジの上の甲板。迎賓船ということで広いスペースと長椅子が設置されている船体中央の01甲板。広いスペースで災害派遣時にはベッドなどを設置して軽傷者を収容できる休憩室

あわなみコース

こちらは海上保安庁の巡視艇「あわなみ」。乗船して東京湾クルーズを楽しむことができた全員ライフジャケットを着用して船内へ
あわなみから見た海ほたるあわなみから見た「風の塔」

「2012サマーフェスティバルin海ほたる」では福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県の特産品や観光情報などの展示も行われた千葉県ブースでは枝豆やプチトマトの試食や、米粉を使った麺を販売群馬県ブースではニジマスの一種である「ギンヒカリ」やブルーベリー試食を実施

(清宮信志)
2012年 8月 10日