エヴァンゲリオンレーシング、SUPER GTシリーズを11位で終える
初号機アップル紫電は、今週末の富士スプリントカップがラストラン


エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電

 9月30日に2012 AUTOBACS SUPER GT第7戦「SUPER GT IN KYUSHU 300km」、10月28日には第8戦「MOTEGI GT 250km RACE」が開催された。今回はCar Watchの読者に人気の高い、エヴァンゲリオンレーシングの各セッションの詳細を2戦まとめてお届けする。

2012 AUTOBACS SUPER GT第7戦「SUPER GT IN KYUSHU 300km」
 シーズン前半は表彰台を獲得するなど好調な出足を見せた2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電だったが、第4戦のSUGO、第5戦の鈴鹿、第6戦の富士と3戦連続ノーポイントでチャンピオン争いからはほぼ脱落した。長年活躍したマシン、紫電MC/RT-16は今シーズン限りで引退が決まっているので、残り2戦は有終の美を飾るべく最善を尽くすだけだ。

 第7戦の舞台は九州オートポリス(大分県日田市)。紫電にとってもっとも得意とするサーキットだ。加えて8月のタイヤメーカーテストにも参加し準備万端、必勝態勢で乗り込んだ。

 この週末は台風の影響で予選から雨模様の天候が続いた。台風の進路によってはレースが中止される可能性もある難しい天候となった。

雨の中、快調な滑り出しをみせたエヴァンゲリオンレーシング紫電

9月29日 公式練習
 いつもどおり加藤選手からコースイン。走り出しから加藤選手は上位のタイムをマーク。序盤は1分58秒784で3番手につけた。全体のペースが上がり一旦5番手に下がるも1分56秒715をたたき出し2番手に浮上。さらに周回を続け1分56秒119まで短縮、この時点でトップタイムを記録した。

 霧雨状の雨は続いていたが徐々に路面コンディションはよくなり各車のタイムも上がってきた。加藤選手も1分55秒352とラップタイムを上げトップをキープ。セッティングも問題なしと判断し高橋選手に交代した。

 高橋選手は1分57秒台で走行し15~16番手タイム。まずまずのタイムで走行できたので、予選用のタイヤを試すため再び加藤選手に交代した。

 周回を重ね予選用のタイヤが暖まったところでタイムアタック。1コーナーを抜けゆるい2コーナーを加速し3コーナーへのハードブレーキングでタイヤがロック。200km/h近い速度でコースアウトしタイヤバリアにクラッシュ。幸い加藤選手に怪我はなかったがマシンの前部を破損。走行不能となりセッションは赤旗中止となった。

ゆるやかな2コーナーを抜け3コーナーへのブレーキング3コーナーは右の中速コーナー。ここを直進しタイヤバリアにクラッシュした左フロントのアンダーパネルを破損。ピットでの修復は不可能となった

 加藤選手の単独クラッシュは筆者の記憶にない。クラッシュはおろかコースアウト自体が紫電をドライブして初めてという珍しいアクシデントとなった。加藤選手によるとクラッシュしたのは2008年のル・マン参戦以来とのこと。

 ピットに運ばれたマシンをチェックするとフロントのアンダーパネルの破損が著しくサーキットでの修復は不可能と判断。好事魔多し、好調な滑り出しを見せた第7戦は最初のセッションでレースを終えることとなった。

リタイヤが決まった後もファンサービスをする高橋選手と加藤選手オートポリスは3人のレースクイーンが参加した

2012 AUTOBACS SUPER GT第8戦「MOTEGI GT 250km RACE」
 全8戦で争われるSUPER GTシリーズの最終戦。舞台はツインリンクもてぎ、エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電がもっとも苦手とするコース。加えて距離はシリーズ最短の250kmと短く燃費の良さも生かせない。有終の美を飾りたいところだが苦戦が予想される。

快晴の中、公式練習を走行する2号車

10月27日 公式練習
 翌日の決勝は雨の予報がでているがこの日は晴れ。一部コース改修もありラップタイムは例年より速くなっている。いつもどおり加藤選手からコースイン。これまでのコースレコードを上回る1分51秒台を出すが8番手タイム。パワーに勝るFIA-GT勢とはかなりの差があった。

 セッティングを終えたところで高橋選手に交代。序盤、高橋選手のラップタイムは1分53秒台。その後1分52秒台にタイムを上げたが直後に90度コーナーでコースアウト。砂利を積んでピットに戻るが大きなダメージはなし。このセッションは8位という結果となった。

10月27日 予選
 今回も予選はノックアウト方式。エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電は予選Q1を高橋選手、Q2を加藤選手、Q3を高橋選手という順番で予選に臨んだ。

 Q1の上位16台がQ2に進むことができる。高橋選手の最初のアタックは1分52秒701で18番手。NEWタイヤが美味しい周回域に入り再アタック。1分52秒274まで短縮するが他車もタイムアップし19番手に後退した。

 決勝は予選で使用したタイヤでスタートする。タイヤ温存を考えるとこれ以上のアタックは止めておきたいところだが、高橋選手のタイムの伸びも期待できるし、決勝が雨となりレインタイヤでスタートすれば予選で使用したタイヤを使用する必要もない。高橋選手はそのまま3周目のアタックに入るが、1分52秒475とタイム更新はできず19番手、0.5秒及ばずQ1敗退となった。


予選、高橋選手がタイムアタックするがQ1敗退

ピットウォーク、キッズウォーク、グリッドウォーク
 この日は2輪の全日本ロードレースが鈴鹿サーキットで開催され、エヴァRT初号機トリックスターFRTRが参戦。レースクイーン2人は鈴鹿、3人がもてぎのSUPER GTに参加した。ラストレースということもあってか、キッズウォークの時間にはレースクイーンが紫電のコックピットに座る光景が見られた。

今回は3人のレースクイーンが参加紫電のコックピットに収まるアスカ役の千葉さん
乗り降りは一苦労シリーズ戦ラストラン直前のグリッド。いつもどおりの人気だ

10月28日 決勝
 決勝は予想どおり雨。レースはセーフティカー先導でスタート、3周目から戦いは始まった。2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電の今回のスタートドライバーは高橋選手。序盤タイヤがグリップせずオープニングラップで2つポジションを落とし21位に後退。続く4周目の90度コーナーで14号車 Team SGC IS350に抜かれ22位へ。

SC先導でレースはスタートスタート直後の3コーナー。360号車に抜かれ、66号車が迫ってきた14号車にも抜かれ後ろから2番目の22位へ後退

 9周目にGT500クラスのマシンにオーバーテイクをされるが、その際に右後部が軽く接触。走行には大きく影響しないが、リアウイングの右翼端板は吹き飛び、右テールランプが外れそうとなるダメージを負った。オフィシャルからはピットインの際に修復の指示が出た。

後方からGT500クラスのマシンが迫る。この後接触があり右後部を損傷するリアウイングの翼端板を失うも14号車に迫る高橋選手

 高橋選手は14号車 Team SGC IS350を抜くことはできず追走するが、他車の脱落がありポジション20位で16周目にピットイン。加藤選手にドライバー交代した。タイヤ無交換でタイムロスを最少に抑える作戦だったが、接触によるテールランプの修復が雨でガムテープが上手く接着せず2分近くロスしてピットアウト。このピットインのロスで2周遅れとなり勝負権を失ってしまった。

雨で見辛いがピットイン前の右後部。翼端板がなくテールランプが傾いているピットインし外れそうだったテールランプをテープで固定した

 加藤選手の周りのマシンとは周回が違う。果敢に勝負するわけにも行かず淡々と周回を重ねラストランの紫電をゴールへと導く。他車のリタイヤなどもありポジションこそ16位となったが3周遅れでチェッカーを受けた。7年間の紫電のラストランとしては寂しい結果となった。

レース終盤、ゴールを目指す加藤選手

 シリーズ戦はこれで終了し、シリーズランキングはドライバーズランキングで11位。2号車 エヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電としての2年間の最高順位は2位、表彰台は2位と3位の計2回。入賞は計9回となった。

 シリーズ戦のラストランは残念な結果に終わったがエヴァンゲリオンRT初号機アップル紫電の真のラストランは今週末11月16日~18日に富士スピードウェイで開催される「JAFグランプリ 富士スプリントカップ」だ。

 マシンとしての紫電MC/RT-16のラストランに加え、エヴァンゲリオンレーシング レースクイーンの卒業も発表されている。ラストラン&卒業に相応しくイベントも用意されている。またラストラン記念Tシャツも発売される。ファンには見逃せないイベントになりそうだ。


スプリントカップで販売される記念Tシャツ

エヴァレーシングステージ スケジュール
11月17日(土)
15時45分 「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」公開記念ステージ

11月18日(日)
9時40分 エヴァレーシングRQ想い出トークステージ
15時45分 ドライバー高橋一穂選手&加藤寛規選手 ステージ
16時 エヴァレーシングRQ卒業ステージ

※11月18日(日)17時15分 EVA RACING SUPPORTERS正会員限定「エヴァレーシングRQ ありがとう握手会」

ラストラン&レースクイーン卒業イベント
http://www.runat.co.jp/teamruna/evaracing12/eventannounce/fuji_sprint_cup2012.html

(奥川浩彦)
2012年 11月 16日