クライスラー、フラッグシップサルーン「300」とコンパクト「イプシロン」国内投入 フィアットクライスラーグループ新章の幕開けを飾る2モデル |
フィアットクライスラージャパンは、クライスラー「300」と「イプシロン」を、12月15日に発売する。発売1カ月前となる15日、同社は都内で発表会を開催、同社のポンタス・ヘグストロム社長兼CEOは2モデルの発売を「フィアットクライスラージャパンの新しいチャプター(章)のスタート」と宣言した。また、発表会にはクライスラーブランドのブランドアンバサダーになった俳優の浅野忠信さんも駆けつけた。
■フラッグシップサルーン「300」
「300」はクライスラーのフラッグシップサルーン。「300 リミテッド」と「300C ラグジュアリー」の2モデルが用意され、価格は300 リミテッドが398万円、300C ラグジュアリーが538万円。右ハンドル仕様のみ用意される。
「300」という名称は1950~60年代の同ブランドのハイパフォーマンスモデルに端を発するが、1999年に「300M」の名称でフラッグシップサルーンとして復活、2004年に「300」となった。今回発表されたモデルは新「300」としては2代目ということになる。
FRレイアウトを採用するセダンで、先代にあった「ツーリング」と呼ばれるワゴンモデルはない。ボディーサイズは先代より60mm長く、15mm広く、5mm低くなった。
ファウロート氏 |
スタイリングは先代同様にウエストラインが高く、グラスエリアが薄く、フロントオーバーハングが短いロングノーズ+ショートデッキ。発表会に登場した米クライスラー デザイン統括のブランドン・ファウロート氏によればグラスエリアとボディーの比率を3:1とし、オーバーフェンダー風に張り出したホイールアーチと、ウエストラインを前後に走るキャラクターライン、大型のフロントグリルをアクセントとした。リキッドクロームによるフロントグリルの意匠は、クライスラーのアイコンとなる共通のものだ。ヘッドライトにはバイキセノン、テールランプにはLEDを採用している。
インテリアは300 リミテッドがファブリック、300C ラグジュアリーがレザー。300C ラグジュアリーはシートにナッパレザーを、トリムにポルトローナ・フラウのフォリーニョレザーを用いている。またメーターパネルにはサファイアブルーのLED照明を採用した。
パワートレーンはV型6気筒DOHC 3.6リッター「ペンタスター」とZF製8速ATの組み合わせ。ATのシフトレバーは「Eシフト」と呼ばれるバイワイヤー方式となっており、300C ラグジュアリーにはシフトパドルも備わる。
また安全装備としてヘッドライトの照射方向を車速と舵角に応じて自動的に変えるアダプティブ・フォワード・ライティング(AFL)や、リアバックアップカメラなどを標準装備。300C ラグジュアリーには加えてアダプティブ・クルーズ・コントロールや前面衝突警告(FCW)、ブラインドスポットモニター、後退時に後方の物体などを検出するリア・クロスパス・ディテクション(RCD)が装備される。
インフォテインメントシステムは「Uコネクト」と呼ばれるシステムで、ダッシュボード中央の8.4インチタッチスクリーンディスプレイでカーナビ、オーディオ、ハンズフリーフォンなどの機能を提供し、iPodなどのメディアプレーヤーを接続して操作することができる。さらに音声操作も可能となっている。
ヘグストロム社長兼CEOは、300を、フーガやクラウンなど国産高級車と競争力のある価格設定とし、輸入車への乗り換えを促すとした。
300 リミテッド | 300C ラグジュアリー | |
全長×全幅×全高[mm] | 5070×1905×1495 | |
ホイールベース[mm] | 3050 | |
前/後トレッド[mm] | 1625/1640(1620/1635) | |
重量[kg] | 1880 | 1900 |
エンジン | V型6気筒DOHC3.6リッター | |
ボア×ストローク[mm] | 96×83 | |
最高出力[kW(PS)/rpm] | 210(286)/6350 | |
最大トルク[Nm/rpm] | 340(34.7)/4650 | |
トランスミッション | 8速AT | |
駆動方式 | 2WD(FR) | |
前/後サスペンション | ウイッシュボーン/5リンク | |
前/後ブレーキ | ベンチレーテッドディスク | |
前/後タイヤ | 235/55 R18 | 245/45 ZR20 |
乗車定員[名] | 5 | |
ステアリング位置 | 右 | |
JC08モード燃費[km/L] | 9.2 |
■プレミアムコンパクト「イプシロン」
「イプシロン」は5ドアのコンパクトモデル。「ゴールド」と「プラチナ」の2モデルが用意され、価格はゴールドが235万円、プラチナが260万円。右ハンドル仕様のみ用意される。
ランチアブランドで発売されていたFFコンパクトカーで、3代目となるモデルだが、フロントグリルをクライスラー風に改め、クライスラーブランドから発売された。
ルーフアーチとサイドウインドー下端のラインがリアクォーターパネルで交差し、丸みを帯びたリアウインドーと縦型テールランプユニットを持つ、ランチア「デルタ」風の造形の5ドアモデル。リアのドアハンドルをリアクォーターパネルに隠すことで、3ドアのように見える処理がされている。
フィアット「500」をベースとしており、パワートレーンは直列2気筒0.875リッターターボ「ツインエア」エンジンと、5速シーケンシャルトランスミッションの組み合わせ。トランスミッションはATモードとMTモードを持っているため、「デュアルファンクション」と呼ばれる。
スロットルバルブレスの可変バルブリフト機構「マルチエア」や、アイドリングストップ機構を備えており、19.3km/LのJC08モード燃費を実現している
インテリアはゴールドがファブリック、プラチナがレザー。プラチナにはリアティンテッドガラス、バイキセノンヘッドライトとオートライト機能、クルーズコントロール、16インチホイールなどが装備される。
アルファ ロメオ「ジュリエッタ」の新車効果などにより、輸入車全体の伸びを上回る成長を記録。2012年通年販売台数は目標の1万5000台を達成する見込みだ | |
ブランドアンバサダーに浅野忠信さんを起用したポスター。 | クライスラーのエンブレムがアップデートされた(上がアップデート後) |
ゴールド | プラチナ | |
全長×全幅×全高[mm] | 3835×1675×1520 | |
ホイールベース[mm] | 2390 | |
前/後トレッド[mm] | 1415/1410 | |
重量[kg] | 1090 | |
エンジン | 直列2気筒マルチエアターボ | |
ボア×ストローク[mm] | 80.5×86 | |
最高出力[kW(PS)/rpm] | 63(85)/5500 | |
最大トルク[Nm/rpm] | 145(14.8)/1900 | |
トランスミッション | 5速シーケンシャル | |
駆動方式 | 2WD(FF) | |
前/後サスペンション | マクファーソンストラット/トーションビーム | |
前/後ブレーキ | ベンチレーテッドディスク | |
前/後タイヤ | 185/55 R15 | 195/45 R16 |
乗車定員[名] | 5 | |
ステアリング位置 | 右 | |
JC08モード燃費[km/L] | 19.3 |
(編集部:田中真一郎)
2012年 11月 16日