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タミヤ、1/24スケールモデルに「トヨダAA型」が登場

6月14日に試作品の製作体験ができる「タミヤプラモデルミーティング in トヨタ博物館」も開催

2015年6月27日ごろ発売

3400円(税別)

タミヤの1/24スケールモデル「トヨダAA型」

 タミヤは、1936年に発表されたトヨタ自動車初の量産乗用車「トヨダAA型」の1/24スケールモデル「トヨダAA型」を6月27日ごろに発売する。価格は3400円(税別)。

1936年に発表されたトヨタ自動車初の量産乗用車「トヨダAA型」の1/24スケールモデル

 新商品の発売を前にした6月9日に、タミヤはメディア関係者に向けて「タミヤメディアミーティング」を開催、同社企画開発部 二課 課長の海野剛弘氏が、カーモデルの製品開発の現場や、3Dスキャニングなど最新技術の活用方法などを紹介した。

東京新橋のタミヤ プラモデルファクトリー新橋店で開催された「タミヤメディアミーティング」
タミヤ 企画開発部 二課 課長の海野剛弘氏
海野氏が手がけたトヨタ「スプリンター トレノ」
開発に力が入りすぎてしまったというレクサス「LFA」
模型としての“らしさ”を出すにはデフォルメが必要になってくるという
こういったスケールモデルは実物の縮小コピーでなく、開発担当者によってそれぞれ仕上がり具合に個性が出るという

「トヨダAA型」は、1936年に発表されたトヨタ自動車初の量産乗用車。直列6気筒3.4リッターエンジンをフロントに搭載し、シンクロメッシュ機構付き3速トランスミッションや油圧ブレーキなど、当時の先進的な機能を備えたモデルで、1942年までに1404台が生産された。

「トヨダAA型」のモデル化にあたっては、既にオリジナルモデルがないということで、トヨタ自動車が復元したものをトヨタ博物館などで取材したことが紹介された。

「トヨダAA型」のスケールモデル開発風景を紹介
「トヨダAA型」のモデル化にあたって、オリジナルの状態を保った車両は存在せず、トヨタ自動車が復元したモデルを取材した
3Dスキャニング装置なども活用するが、取材は写真撮影や基本的な採寸がメインの作業という

 スケールモデルの開発で行われる取材活動に関して、海野氏は「あらゆる角度から形状が分かる写真、図面に起こしやすい写真を、何百枚、何千枚も撮影します」と話し、加えて「実車を見てどのように感じるかが大事。写真を撮りながら部品をどのように分割しようか考えたり、取材から帰ってきたらポンチ絵をかきながら、金型や人の割り振り、開発費がどれくらいかかるのかといったことを考えていきます」と明かした。

 今回の「トヨダAA型」の取材においても、3Dスキャニングといった最新の技術も活用するが、基本的にはあらゆる部分の写真を撮影して、開発担当者が図面に起こしていることが示された。

 海野氏は「(3Dスキャニング装置は)元々、人形を作るために導入しましたが、クルマの幌のような不規則な形状のものにも応用が効いて、より実感のあるものに仕上げることが可能となった」と、3Dスキャニング装置の活用法を紹介。

 こういったスケールモデルの開発全般に関して、海野氏は「開発を担当する人が実車を見ることが重要。(技量が問われる)デフォルメに関しては、強めにやる人もいれば、ほとんどやらない人もいますし、担当者の個性が出るところですね。クルマの模型に関しては、模型として“らしく見える”ことを重視なさるお客さんが多いので、比較的デフォルメがしやすい」と明かした。

CADを使った開発により、部品の合わせ具合などのシミュレーションが容易となり、より精度の高いモデル制作が可能になったという
3Dスキャニング装置の活用方法として幌などの複雑な形状の再現に役立てられていることが紹介された

 今後、タミヤでは「トヨダAA型」の発売に合わせて、6月14日にはトヨタ博物館において、「タミヤプラモデルミーティング in トヨタ博物館」を開催。タミヤがモデル化したトヨタ車を展示する「プラモデル、RCカーで見るトヨタの名車展」、「トヨダAA型」をテーマに専門家を招いたトークショー「プラモデルで蘇るトヨタ自動車の原点“トヨダAA型”」、「1/24トヨダAA型」の試作品の製作体験ができる「テストショット製作体験会」が実施される。

 また、7月23日~28日に東京 東武百貨店 池袋店で開催する「タミヤモデラーズギャラリー2015」では、「過去から未来へ」をテーマに「トヨダAA型」と燃料電池車「MIRAI(ミライ)」の実車を並べる特別展示も実施する。

「トヨダAA型」の試作モデル
「トヨダAA型」の製品パッケージ
「トヨダAA型」のパーツ
先に発売された1/35 ミリタリーミニチュアシリーズ「トヨタ AB型 フェートン」

(編集部:椿山和雄)