写真で見るフォルクスワーゲン「ゴルフ」


ゴルフ TSI ハイライン

 2009年4月14日に日本発売となった新型「ゴルフ」。1974年に発売されコンパクトカーの代名詞となった初代ゴルフから数えて6世代目のゴルフで、ドイツ本国では、昨年の発売以来スポーツタイプの「Golf GTI」などのバリエーションが追加されているが、日本ではベーシックなFF(前輪駆動)2ボックスタイプのゴルフ TSI Comfortline(コンフォートライン)、TSI Highline(ハイライン)の2グレードが発売された。

 TSIコンフォートライン、TSIハイラインの大きな違いは搭載エンジンにあり、TSIコンフォートラインが、最高出力90kW(122PS)/5000rpm、最大トルク200Nm(20.4kgm)/1500-4000rpmの直列4気筒 DOHC 1.4リッター 水冷インタークーラー付きターボの「TSIシングルチャージャーエンジン」を搭載するのに対し、TSIハイラインは最高出力118kW(160PS)/5800rpm、最大トルク240Nm(24.5kgm)/1500-4500rpmの直列4気筒 DOHC 1.4リッター 水冷インタークーラー付スーパーチャージャー+ターボの「TSIツインチャージャーエンジン」とより強力なエンジンを持つ。

 トランスミッションは、いずれもデュアルクラッチ7速ATの7速DSGを搭載。5代目ゴルフでは、TSIシングルチャージャーエンジンとの組み合わせは用意されていたが、TSIツインチャージャーエンジンとの組み合わせは初となる。この高効率なトランスミッションとの組み合わせで、10・15モード燃費は、TSIコンフォートラインがフォルクスワーゲンとして過去最高の16.8km/Lを、TSIハイラインでも、16.2km/Lを達成している。

 価格はTSIコンフォートラインが275万円、TSIハイラインが312万円。その詳細な違いについては関連記事を参照してほしい。本稿では、TSIハイラインを写真を中心にリポートする。

TSIハイライン

撮影した車両はボディーカラーが「シャークブルーメタリック」のTSIハイライン。デザインはワルター・デ・シルヴァによるもので、初代ゴルフの水平基調を取り入れたデザインと言う。フロントフェンダー上部からリアコンビネーションランプにかけて“トルネードライン”名付けられたシャープなキャラクターラインが入る
ハイトコントロール機能付きのハロゲンヘッドライト。水平基調のフロントグリルとスムーズにつながるようデザインされているフロントフォグランプ内には、ウインカーの作動やステアリングの切れ角に応じて進行方向を照らすスタティックコーナリングライトが内蔵される
リアエンブレムがリアハッチのノブになっている。オプションのリアカメラはこのエンブレム内に配置されるテールパイプは左2本出し
TSIハイラインではリアコンビネーションランプのレンズがダークタイプとなる“TSI”のエンブレムは、右リアランプの下に。TSIハイラインの場合、SとIの文字が赤文字サイドミラーに内蔵されたターンシグナルランプ。助手席側のサイドミラーはリバースギアに連動して角度が変わる
TSIハイラインは225/45 R17のタイヤを装備する。ホイールはV字を組み合わせた10スポークタイプスーパーチャージャー+ターボのTSIツインチャージャーエンジンバッテリーはカバー付きのものとなっていた
TSIハイラインのコクピット。インテリアカラーは標準がアルカンターラのブラックだが、写真は本革(レザー)のコーンシルクベージュ。本革の場合、運転席8ウェイパワーシートなどとセットオプションとなるTSIハイラインの場合、オーディオの選曲や曲送り、音量の調整が可能なマルチファンクションステアリングが装備されるタコメーター(左)とスピードメーター(右)の間にはマルチファンクションディスプレイが配置される
マルチファンクションステアリングのアップ。左側が音量などの調整、右側がメニューコントロールとなる。ステアリング後方にはシフトパドルも備える7速DSGのシフトレバー。マニュアルモードを装備するほか、1速~4速と5速~7速で最終減速比が異なり、効率のよい動力伝達を追求している
オーディオは標準で音楽CD、MP3/WMA再生の可能な「RCD 310」が付く。オプションでHDDカーナビ一体型の「RNS 510」も選択可能車体周囲の障害物を検知するオプティカルパーキングシステムの状況は、RCD 310の液晶部に表示されるエアコン部。運転席、助手席独立で温度設定ができるほか、本革シート車のため、シートヒーターも運転席、助手席それぞれに装備
本革シートには、写真のコーンシルクベージュのほか、チタンブラック、トリュフの3色が用意される。助手席シート下にはトレーも装備
リアシートは6:4の分割可倒式。中央部にはアームレストも備え、ラゲッジルームとのスルー機構も持つので、長尺物の搭載にも便利リアシートにはチャイルドシートを固定するためのISOFIX固定装置を装備
センターコンソール部には2つのポケットを備え、前方のポケットにはスライド式のシャッターが付くほか、栓抜きにもなるセパレーターを用いてカップホルダーの役目も果たす
アームレスト下の後方ポケットリアにもエアコンの吹き出し口を装備。その下部にはカップホルダーも装備するなど、細かい使い勝手にも配慮されている
ラゲッジルームはISO測定値で350Lの容量を持つ。ラゲッジルームからも容易にシートを倒せるようレバーが配置されている
ラゲッジルームには12Vのサービス電源のほか、各部にフックやポケットを備えるラゲッジルーム下にはスペアタイヤを装備

 

TSIコンフォートライン

TSIコンフォートライン。TSIハイラインと外観で分かる大きな違いは16インチタイヤを装備することだろう。ただ、17インチタイヤもオプション装着可能なため、その際はリアコンビネーションランプやエンブレムが識別ポイントとなる。写真のボディーカラーは、キャンディホワイトTSIコンフォートラインのエンブレムは、Iのみが赤文字。リアコンビネーションランプもダークタイプとはならない標準装着の205/55 R16タイヤ。ホイールは10本スポークタイプだが、そのデザインはTSIハイラインとは異なる
1.4リッター 水冷インタークーラー付きターボのTSIシングルチャージャーエンジン。フォルクスワーゲンとして過去最高の16.8km/Lの燃費を誇るこのTSIコンフォートラインはHDDナビのRNS 510とセットオプションのリアカメラを装備。ギアをリバースに入れると写真のようにエンブレムが開き、内側にあるカメラが姿を現す
TSIコンフォートラインアクセサリー装着車。フロントスポイラーやサイドスカート、ルーフスポイラー、リアスカートなどの内外装のアクセサリーを装着している
TSIコンフォートラインのステアリングはマルチファンクションスイッチのないシンプルなデザインアクセサリー装備のAVナビ「AVN118MDF」。ナビは複数種類から選択できるが写真のナビは12万6000円と一番廉価なモデルペダルにもペダルセットが取り付けられていた
日差しの強い季節には便利なサンブラインド。リア用とサイド用があり、写真のようにたためるようになっている
メーカーオプションのHDDナビRNS 510。RNS 510であれば、マルチファンクションディスプレイと連動してガイド表示が行われる。TSIハイラインでは29万4000円、TSIコンフォートラインでは33万6000円で取り付け可能。リアカメラもセットオプションとなっているため、新型ゴルフ購入時に迷わず付けておきたいオプションだろう

 

初代ゴルフと6代目ゴルフ

1974年にデビューした初代ゴルフ。デザインはジョルジェット ジウジアーロ。それまでのフォルクスワーゲンの主力車種「ビートル」がRRであったのに対し、FFというレイアウトで登場。現在の目で見ると、エクステリアもインテリアもシンプル
6代目ゴルフと並ぶ初代ゴルフ。初代ゴルフのボディーサイズは、全長3815mm×全幅1610mm×全高1410mm、6代目ゴルフは4210mm×1790mm×1485mm。その差は、395mm×180mm×75mmとなる。初代同様の水平基調のデザインテイストを持つという6代目ゴルフとじっくり見比べてほしい

 

(編集部:編集部:谷川 潔)
2009年 5月 29日