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写真で見るD1グランプリ「TOKYO DRIFT IN お台場」 |
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フレームをゆがめながらも果敢に攻める古口美範の180SX |
D1グランプリ「TOKYO DRIFT IN お台場」が5月23日、24日に東京お台場特設会場(東京都江東区)で開催された。このTOKYO DRIFTはエキシビジョンということで、通常のシリーズのポイントが付かず、さらに両日決勝というもの。そのためどの選手も土曜日から失敗を恐れない本気のアタックを見せてくれた。
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ケロロ軍曹や柳沢慎吾、マーティ・フリードマンといった豪華ゲストを迎えて23日のD1グランプリは開催された |
どこからでもテールを流せる圧倒的なパワーを持つマシンと、超一流テクニックを持つドライバーが繰り広げる接触寸前の大迫力パフォーマンスは、細かなルールなど分からなくても存分に楽しめるはず。そんなD1の模様を迫力ある写真とともにお届けする。
■華麗で迫力ある走りが勝ちのシンプルルール
速さを競うレースと違って、勝敗が分かりにくそうなD1。しかし実際に見てみれば「かっこいいほうが勝ち」というきわめて分かりやすいもの。その競技方法を簡単に説明しよう。
競技はまず1台ずつ単走でドリフトを行い、審査員が点数を付けてベスト16を選出。続いてトーナメント形式で、2台が同時に走る追走バトルが行われる。追走バトルでは先行と後追いを入れ替えて2本走行、その合計ポイントで勝敗を決める。僅差の場合はサドンデスとして再バトル。はっきりと決着が付くまで続けられる。
では、どういったドリフトが“かっこいい”のか? それはドリフトしている距離が長く、ドリフト角が深く、スピードが速いもの。外壁にどれだけ寄せられたかもポイントとなる。さらに単走では、途中で修正することがない、なめらかなドリフトが高く評価され、明暗を分けることも多い。一方の追走では、2台の速度差が距離となって現れるため、相手に負けない飛距離やアングルを出しながらも、先行はいかに引き離すか、後追いはいかに寄せられるかがポイントとなる。
■ベスト16を決める1回戦単走
23日には、全30台がエントリーするなか、単走が行われた。追走常連の末永正雄や追走番長の異名を持つチームオレンジの熊久保信重も単走を失敗し、1回戦敗退という波乱の結果となった。
■トーナメントでは意外な2人が決勝へ進出
ベスト16の選手がトーナメント形式で争う追走。“のむけん”こと野村謙や、川畑真人など実力派が名を連ねる中、文句ない走りで決勝に勝ち進んだのは、古口美範(RPS13 180SX)と時田雅義(GRS180 クラウン)の2人だった。
ベスト16では時田がライバルの日々野哲也(AE86トレノ)と対決。どちらも譲らす2度のサドンデスとなったが、最後はヘビー級のゼロクラウンでAE86をあおり倒し時田が勝利。ベスト8では1回戦100点の川畑(RPS13 180SX)と古口が争うが、1本目先行の川畑がスポンジバリアに突っ込み、そこに古口が横腹から突っ込むという多重事故が発生。両者リタイアかと思われたが、どちらも応急処置で復活。しかし1本目の川畑のミスは大きく古口が勝利。
準決勝では古口と当たった田中一弘(GDBインプレッサ)がエキゾーストマニホールドが割れパワー不足で敗退、時田と当たった高山健司(FD3S RX-7)がスピンする中、時田はまたもノーミスで勝利し、見事決勝へと駒を進めた。
■これまでノーミスの時田がクラッシュ
D1グランプリでは今シーズン初の決勝進出となる両名は、直前のインタビューでもすでに緊張している様子が感じられた。両者とも思い切りのよいスタートを切ったが、決勝というプレッシャーに飲まれたのか、後追いの時田があえなくスポンジバリアへと吸い込まれた。我を取り戻した時田は先行でそつのない走りを見せたが、古口もノーミスで見事優勝をもぎ取った。
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決勝1本目、これまでノーミスだった時田が真っすぐクラッシュパッドへ突入してしまう | ||
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2本目は時田本来の走りを見せるが、古口も負けない走りを見せ、両者納得の決着 | ||
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見事優勝を飾った古口にトロフィーが渡される | 準優勝とはいえ見事なバトルを見せた時田を、ほかの選手が胴上げ | 久しぶりの優勝、そして初の準優勝の喜びを語る古口(右)と時田(左) |
■降ったりやんだりの雨に悩まされた24日
TOKYO DRIFTの2日目となる24日はあいにくの雨。朝から降ったりやんだりを繰り返す雨に路面状況が安定せず、クラッシュが相次いだ。昨日に引き続き末永(正)と熊久保、そして昨日優勝の古口が1回戦で敗退する中、決勝に残ったのは、ベスト16で上野高広(JZZ30)のクラッシュをぎりぎりでかわした手塚強(BNR32 GT-R)と、シリーズランキング1位を争う今村陽一(S15シルビア)を破った野村(ER34 GT-R)のGT-R対決。この頃には路面もドライになっており、両者全力の戦い。どちらも譲らず3度ものサドンデスを繰り返す中、最後は野村のアンダーによりわずかの差ながら手塚が勝利した。
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雨によりころころと変わる路面状況にクラッシュが続発した2日目 | 最後はGT-R対決となった手塚が野村を下して優勝 |
■D1もう一つの魅力? クラッシュとギリギリの攻防
D1グランプリのもう一つの見どころと言えるのがど派手なクラッシュだ。他のモータースポーツと違って、クラッシュしてもヒーローになれるのがD1の魅力。さらに、そのクラッシュをギリギリでかわすプロのテクニックも見どころだ。
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どれだけギリギリの走りを見せられるかが勝負のD1には、ど派手なクラッシュがつきもの | ||
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明らかにテールがクラッシュパッドにのめり込むも、何事もなかったかのように振り抜くテクニックはさすがの一言 | ||
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織戸の当たるか当たらないかのギリギリの攻防 | でも当たらないとは限らない | |
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先行上野の目の前でのクラッシュをスピンしてかわす手塚の神ワザ |
■さまざまなイベントやブースで1日楽しめるD1
まる1日かけて決勝まで行われるD1グランプリだが、競技と競技の間も、デモランやピットウォーク、多くの出展ブースで楽しむことができる。特にドライバーは皆サービス精神が旺盛で、サインや記念撮影はもちろん、いろいろな質問にも答えてくれていた。また、軽ワゴンによるジャックナイフは、本戦に負けないくらい大きな歓声が上がっていた。
なお、今後のD1グランプリは、6月27日、28日に岡山国際サーキット(岡山県美作市)、8月29日、30日にエビスサーキット(福島県二本松市)、10月10日、11日に富士スピードウェイ(静岡県駿東郡)で開催される。
【お詫びと訂正】記事初出時、出演ゲストにつきまして柳沢慎吾さんを風見しんごさんと表記しておりました。また、古口美範選手についてD1初優勝と記載しておりましたが、D1優勝経験があり確認不足でした。ご迷惑をおかけした皆様にお詫びするとともに訂正させていただきます。
(編集部:瀬戸 学、Photo:大湊博之)
2009年 5月 27日