写真で見るボルボ「V60」


 3月に発売されたスポーツセダン「S60」は、クーペ風のエモーショナルなスタイリングやスポーティーな走りで「質実剛健な実用車」というボルボのイメージを見事に拭い去った。

 そのワゴンバージョンの「V60」もまた、スポーティーに仕上げられた。これまでボルボのワゴンは実用性を前面に押し出し、「エステートワゴン」を名乗ってきたが、V60は「スポーツワゴン」と銘打たれた。

 V70やV50は、ルーフをまっすぐに後ろに伸ばし、テールゲートを立てて荷室の容量を稼いでいるが、V60はルーフ後端を下げ、リアゲートを寝かせ、グリーンハウスの幅を後方へ絞り込んでいくことで、荷室容量よりもルックスを優先している。S60から受け継いだ、抑揚の付けられたショルダーラインと合わせ、ダイナミックなクーペルックのスポーツワゴンに仕立てられた。

 グレード構成はS60と同じ。直列4気筒1.6リッター直噴ターボ+6速デュアルクラッチAT「パワーシフト」+2WD(FF)のベーシックモデル「DRIVe」と、直列6気筒 3リッターターボ+6速AT+4WDの「T6 AWD SE」、T6 AWDにスポーティーなサスペンションと内外装を与えた「T6 AWD R-DESIGN」の3本立てだ。各モデルをそれぞれ写真で紹介する。

V70(左)とV60
V60(右)とS60

 

DRIVe

 ボルボのラインアップにおいて、ダウンサイジングエンジンとデュアルクラッチAT「パワーシフト」を搭載する環境志向のグレードが「DRIVe」(ドライブイー)だ。V60ではエントリーグレードとなっているが、対車両低速自動ブレーキ「シティ・セーフティー」を標準で装備するなど、安全装備に抜かりはない。

 撮影車両は対人低速自動ブレーキ「ヒューマン・セーフティー」やアダプティブ・クルーズ・コントロールが含まれる「セーフティ・パッケージ」(25万円)、本革シートやカーナビ、17インチホイール、アクティブベンディング・デュアルキセノンヘッドライトが含まれる「レザー・パッケージ+ナビゲーション・パッケージ」(50万円)が装着されている。

後方へ下がっていくルーフラインとウインドーグラフィック、寝かされたリアウインドー、グリーンハウスよりも大きく張り出した下半身など、S60の流れを汲むスタイル優先のルックス。リアウインドー下端のブラックガーニッシュで1970年代の同社のスポーツワゴン「1800ES」風の造形に見せている

 

レザー/パッケージに含まれる17インチホイール直列4気筒1.6リッター直噴ターボ+6速デュアルクラッチATを搭載する平成17年排出ガス基準75%低減レベル(4つ星)を達成しており、エコカー減税によって自動車重量税と取得税が50%減税される
ヒューマン・セーフティーやシティ・セーフティーで使われるカメラやレーザー、レーダーを装備する

 

レザー・パッケージ+ナビゲーション・パッケージで本革内装とカーナビを装備する。室内の雰囲気は一連のボルボ風で、センターコンソールもフローティング・センタースタックになっているが、センターコンソールがドライバー側に向けて、スポーティーなドライバーズカーらしさを表現している
2連メーターの中央はインフォメーションディスプレイになっているセンターコンソールのスイッチ類。上部がオーディオやカーナビの操作系、下半分がエアコン。さらにその下が各種安全装備などのスイッチ。下段中央の「DRIVe」スイッチをONにすると、アクセルOFFで無駄な燃料消費を防ぐエコクルーズ・モードになる
後席。中央ヘッドレストは格納式。また左右ヘッドレストは運転席のスイッチで倒すことができる
後席センターアームレストにカップホルダーとトレイを備えるセンターコンソール後端にDC12V電源ソケットを備える

 

外観から想像するよりも広い荷室。後席は4:2:4の分割可倒式。後述するように使い勝手をよくする仕掛けが満載されている
標準で装備されるラゲッジネットは2:4の分割式になっていて、片側だけ装着することもできる。またラゲッジネットは後席をすべて倒して前席背後に設置することもできる
荷室床下にも浅い物入れがあり、ここに分割式ラゲッジネットを収納できる床に収納されたボードを立てて荷室を仕切ったり、ボードのフックにショッピングバッグを下げることができる
床下物入れの下にパンク修理キットを搭載する助手席も倒すことで長尺物を搭載できるリアゲート裏の照明
ラゲッジルームの電源ソケットとフック
トノカバーも標準装備

 

T6 AWD SE

 中間グレードとなるT6 AWD。直列6気筒 3リッターターボと6速ATに、ハルデックスカップリングの4WDシステムを備える。パワートレーンに合わせて足回りはDRIVeよりも固められている。

 撮影車はヒューマン・セーフティーなどを含む「セーフティ・パッケージ」(25万円)と、スキッドプレートなどのスタイリングキットを装着する。

外観はDRIVeとほぼ同じ。リアゲートのバッヂだけが識別ポイントだ

 

T6 AWD R-DESIGN

 T6 AWD SEに専用のスタイリングパーツとインテリアを装備したのが「T6 AWD R-DESIGN」。ルックスだけでなく、シャシーセッティングもT6 AWD SEよりさらにスポーティーに仕上げられている。

前後バンパーやアルミホイール、テールパイプが専用となるR-DESIGN。シックかつスポーティーにまとめられている

 

R-DESIGNのバッヂが付いたグリルは専用デザイン。ディフューザー風のリアバンパー、テールパイプ、アルミホイールも専用品
R-DESIGNも直列6気筒3リッターターボを搭載する
アンテナはシャークフィンワイパーはフラットタイプドアミラー下にはレーンチェンジなどで死角のクルマの存在を警告する「BLIS」のセンサーがある
ヘッドライトはデュアルキセノン。ポジションランプはグリル左右にありVシェイプを描く
テールランプはチューブ状。ブレーキランプは2本のテールランプの間に点灯する
ターンシグナルランプ入りのドアミラーはヒーター付きで、シフトレバーをリバースに入れると下を向く
R-DESIGNのインテリアは専用のT-TECテキスタイルと本革のコンビネーション
メーターパネル、ペダル、シフトノブもR-DESIGN専用
R-DESIGN専用ステアリングはリモコンスイッチ付き。左側がアダプティブクルーズコントロールのスイッチ、右側はカーナビやオーディオのスイッチ
インパネ右側にライトコントロールやフューエルリッド、リアゲートのリモコンスイッチ、パーキングブレーキスイッチがあるセンターコンソール下のスイッチ類ETC車載器は助手席グローブボックスの中
シフトレバー後方のシャッターをあけるとカップホルダーと電源ソケットがあるカップホルダー後方には物入れがあるが、その中にAUXとUSB端子がある
ルーフのランプと、照明付きバニティミラークロームで縁どられたインテリア
サイドシルのプレート前席は左右ともパワーシートだが、メモリー機能は運転席側(右)のみ
センターコンソールのカーナビの画面。ディスプレイ下の操作系のほか、ステアリングのリモコンスイッチでも殆どの操作が可能。Bluetoothに対応するほか、USB端子に刺したUSBメモリの中の動画を再生することもできる

 


写真で見る バックナンバー
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/photo/

(編集部:田中真一郎/Photo:安田 剛)
2011年 7月 4日