【第48回】秋川渓谷で自家製野菜たっぷりの煮物料理を満喫ですの巻


思わず和食の基礎を学びたくなった煮物です

 

 前回に続き、なでしこジャパンに贈られたことでお馴染みのアウディ「A1」でドライブ中のグルメ隊。向かった先は東京都あきる野市。秋川渓谷で有名なこのエリアはドライブはもちろん、川遊びや釣り、BBQ、キャンプなどが楽しめる首都圏からの日帰り観光スポットです。

 そんな地に“大人のための隠れ家”とも言えるステキな食事処があるんですの。「やまざき酒舗」はその名の通り、もともとは酒屋さん。今のご主人のおじいさん、お父さんの世代は普通の酒屋さんだったそうですが、11年ほど前に食事処をオープン。それもそのはず、現在のご主人の山崎久さんはそれまで地元のフランス料理レストランで働いてきた料理人さんなのでした。

 店内は和風モダンな造りで、西多摩地域の酒蔵の地酒がずらりと並んでいます。

「やまざき酒舗」は、創業昭和7年の酒屋さんが営むお食事処さすが酒屋さん、軒先には杉玉が食事処を始めたのは11年前からだそうです
主に西多摩地域にある酒造メーカーの日本酒を置いています野に咲く植物をさりげなくディスプレイしている店内奥には8人座れる個室が1室あります

 普段こちらで予約無しで食べられるのは、煮物、魚またはお肉、ご飯、お味噌汁、季節のアイスというメニューの「本日のお昼ごはん」(1600円)。そこにスープが付いた2200円のランチは前日までの予約が必要です。

「今日はスープ付きのランチを予約してあるんですよね、ゆきぴゅーさん」
「そうなんですの。でも予約が必要で、値段もこれだけ違うってことは一体どんなスープ? 楽しみですわ~」

 な~んて言いながら待っていたら、ぷっくりと膨らんだパイ包みのスープが出てきて、ふたりともテンションアップ! 中身はアサリや帆立などの魚介の旨味たっぷりのシーフードでした。

「どうしてもフレンチみたいに前菜、スープ、メインと順番にお出しするスタイルがしたかったんです」

 というご主人が次に運んできてくださったのは、大皿に盛られた野菜の煮物。大根、じゃがいも、かぼちゃの煮付け、それからきんぴらごぼうやほうれん草の白和えなどの7品。実はこれらは、すべてご主人のお父様が自家栽培で作っている無農薬野菜で、この煮物こそがやまざき酒舗のメイン料理なんですの。人数分を大皿で盛り合わせて出てくるのですが、見るからに美味しそうな“おふくろの味”。

まずはこんなパイ包みのスープが出てきました中身は魚介たっぷりのシーフードスープ。和食に合います大皿に盛られて出てくる旬の煮物料理。これは2人前
「こういうちゃんとした和食って時々食べたくなりますよね♪」スープ付きのお昼のご飯(2200円)。こちらはお魚を選んだエイミーの膳ゆきぴゅーはお肉をチョイス。ではいただきま~す
煮崩れしていなくて美しい大根ホクホクかぼちゃナスももちろん自家栽培

「ごく普通の田舎料理なんですけどね……」

とご主人はおっしゃいますが、これがまたやさしい絶妙な味付けで、

「きんぴらごぼう、おいしい~! ご飯がすすみますわ~!」
「きっと野菜自体の素材がいいというのもありますよね。作れそうでなかなか作れない、ほっとする味です」

 煮物の脇にさりげなく添えられてお料理をより一層引き立てているのは、ヤマブドウ、ムラサキシキブ、キクイモなど野山で摘んでこられた植物なんですの。

「女性グループだと食べる前にまずは撮影会ですね」

と苦笑いのご主人。

「その気持ちわかりますわ~!」
「なかには“去年持ち帰ったアケビのつるを庭に植えたら元気に育っているんですよ”なんて報告しに来てくださるお客様もいらっしゃるんですよ」

 自家製野菜はもちろん、添えられたお花で季節を感じられるのも自然豊かな土地ならではの贅沢ですわね。この日のデザートは、大麦を炒って挽いて粉にした「麦こがし」のアイスクリーム。どこか懐かしい素朴なフレーバーは〆にぴったりでした。

 さて、食事の後はご想像通り(?)、おみやげの日本酒選びに夢中になったグルメ隊。アウディの荷台に積まれたのは、地元あきる野市にある野崎酒造さんの吟醸酒ほか数本。おうちに帰って冷やでこれまた美味しく頂いたのでした。

ゆきぴゅーのオススメ、きんぴらごぼうこの日のお魚はシャケのマリネお肉は豚肉のロースト
麦こがしのアイスクリーム。きな粉みたいな懐かしい味近所のおばあちゃん手作りという七味唐がらしは300円。香りがすごい!独自の飼料で飼っているという鶏の朝採れタマゴは6個入で250円

やまざき酒舗http://homepage2.nifty.com/yamazakisyuho1/
東京都あきる野市乙津262
電話:042-596-0407
営業時間:お昼 11時30分~(L.O.14時)
     夕方 17時30分~
定休日:火曜日
駐車場あり(6台)
アクセス:圏央道あきる野ICから10km、約25分。

※お昼の食事は3200円の「酒菜コース」もあり。夕方からの食事は2コースありますがいずれも2日前までの予約となっていますのでお忘れなく。

 お店からさらに山のほうに20分くらい走ると三ツ合鍾乳洞、そのまたさらに奥には大岳鍾乳洞とマニアックな遊びスポットも充実。帰りは天然温泉「瀬音の湯」でまったりすればパーフェクトな休日間違いなしですの。

 

 

このクルマでドライブしました!

アウディ A1

アウディの末っ子「A1」のキャッチフレーズは「アーバン・エゴイスト」。自分の感性で都会の生活を楽しむ人のためのクルマ、ということになるのだけど、そこはアウトバーンの国のクルマ。週末に高速で少し遠出するのも、1.4リッターターボエンジンが余裕でこなしてくれます。

プロフィール

ゆきぴゅーゆきぴゅーおふぃしゃるほーむぺえじ
イラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”。長野でフツーのOLをしていたが何の因果か鬼畜デジカメライターの弟子(奴隷)となり2000年に上京。日々の過酷でセクハラな毎日を絵日記で綴っているうちに絵の道に目覚め、ついに2005年独立。以降あちこちでタダでごはんを食べながらポンチ絵画家としてのお気楽な人生を歩んでいる。

 


エイミー
女性カメラマン。カメラマンとして名を馳せるべくボスニアに戦場カメラマンとして渡るも、行った早々流れ弾に当たってしまいあえなく帰国。車にまったく興味がないゆきぴゅーとは正反対に機械モノが大好き。食べるのも大好き。封印したはずの赤いバンダナは、ネット上で復活希望の声があるとかないとか(でももうしません!)

 



2011年 10月 19日