橋本洋平の“夢のガレージハウス”探訪記
第2回:所ジョージさんのSETAGAYA BASEのような世界が広がるデイトナハウス
2025年11月14日 00:00
ガレージに入るクルマをあえて見せる作り
夢のガレージハウスを追い求めているこの連載。第2回は秘密基地的なイメージが強いDAYTONA HOUSE×LDKを取材させていただくことになった。このDAYTONA HOUSE×LDKは所ジョージさんの表紙でおなじみのライフスタイルマガジン「Daytona」や「別冊 世田谷ベース」と、数多くの設計&建築を手掛けてきた「株式会社LDK」のコラボレーションによって誕生したという建築ブランドだ。ガレージ付き住宅・賃貸アパートを各地で展開するほか、高床式平屋住宅や店舗型なども展開している。
今回訪れたのはそのDAYTONA HOUSE×LDKの施工を行なっている加盟店であるHearts建築工房の事務所兼ショールームのDAYTONA HOUSE×LDK KITAMOTO。埼玉県北本市にある建物で、箱型企画住宅のTYPE-Bをベースにサイズなどをカスタマイズしたというものだ。ガラス面積が多く、ガレージに入るクルマをあえて見せていることがかなり特徴的に見える。伺った際にはそこにオートバイが並べられ、外にはサニトラを改造したハコトラ(ハコスカのようなサニートラック)が並んでいたりと、かなりの趣味空間が展開されていた。所ジョージさんのSETAGAYA BASEのような世界がそこにある。
けれども玄関からお邪魔してみると、1階部分は意外にも一般住宅っぽくもある。リビングにはアイランドキッチンやテーブル、そして大画面テレビやソファーが並べられ、たしかに住宅といえば住宅なのかとホッとする。ただ、よくよく周囲を見渡してみると、やはりタダものじゃないことが即座に伝わる。
構造体はあえて剥き出しとした粉体焼付塗装(パウダーコーティング)が生み出すザラザラとしたマットブラックが落ち着いた雰囲気を展開。壁際には耐震性とデザイン性に寄与するというダブルの筋違いが通っているし、見上げればリズム感ある鉄鋼トラス梁が通っている。その上で吹き抜けになり、端にはオリジナル鉄骨製のらせん階段が備え付けられている。そこから上がると、1階部分プラスガレージの空間がそのまま広がる事務所があるのだが、これだけ広ければ可能性は無限大。ちなみに玄関上の部分はバルコニーとなっている。
ここまで大きな空間であり、構造体が剥き出しとなれば断熱が気になるところ。伺った日はまだ外は暑かったのだが、クーラーを全開にすることもなく涼しい空間が広がっていた。外壁には40mmの断熱材が入り(現在の省エネ基準だと60mmの断熱が必要になる場合もある)、サッシにはLow-Eガラスを使ったペアガラスを採用。これはガラス表面に金属膜をコーティングした断熱性に優れたものだ。2枚のガラスの内側にはアルゴンガスを注入してあるのだとか。こうした対策により壁もガラスも触ってみたところで暑さを感じず、だからこそ快適な空間が広がっているのだろう。
プライベートショールームのようなガレージ
そんなリビングの奥から繋がっているガレージ裏側に位置する書斎に入ってみる。その空間からは愛車が眺められるようにもなっているし、その気になれば趣味も仕事も集中できそうな没入感が得られる。端には趣味の物がいろいろと並べられていたのだが、特に目を引いたのは壁面に与えられた棚。この棚はオリジナルのブラケットで鉄骨躯体が家具に拡張できてしまうという優れモノ。これが書斎だけでなくガレージにも展開できるのであれば、工具や洗車用具などさまざまなものを効率よく収納することが可能になりそうだ。
そして最後はわれわれにとって肝心要といっていいガレージだ。厚かましくもまた愛車を入れさせていただいたのだが、その際にあえて愛車が家の一部となるようなところがうれしくもあった。愛車を外に見せつけるかのようなガラス張りは、まさにプライベートショールーム。なんならライトアップしてしまいたいとさえ思えてくる。まあ、興味のない人から見れば防犯的にどうなの? なんて考えてしまうのだろうが、そんな向きにはガラス部分を壁にしてしまうことだってもちろん可能だから安心だ。
もう1つ注目しておきたいのは、ガレージの床面にこだわりがあったことだ。コンクリートの上に強度の高いモルタルを打っているのだとか。それも黒い粉を入れてモルタルを黒くするというこだわりのもので、オイルやガソリンをこぼした際にも痛まないように考えられている。また、それを敷き詰める際にも、あえてコテムラが残るようにして倉庫のような雰囲気を出したりもしている。
もちろん、きれいな床に仕上げようと思えばそれも可能なのだが、あえて無骨な雰囲気にして楽しむあたりもDAYTONA HOUSE×LDK流といえるのかもしれない。DIYを楽しむような方々にはうってつけの仕上げのように感じた。見た目から使い勝手までかゆいところに手が届く、そこがDAYTONA HOUSE×LDKのよさなのだろう。















